ドル/円は101.50円から110.50円水準へと約9円もの円安進展後、1)米国QE(量的緩)終了、2)ヘッジファンド11月決算「45日ルール」手仕舞い売り、3)世界景気減速懸念に欧州経済の停滞、3)エボラ熱感染拡大懸念-等を背景としたリスクオフ地合いの中、約2週間で105.16円へと大幅調整を余儀なくされたがフィボナッチリトレイスメント「61.8%押し」で踏みとどまった。昨年10-12月も2ヶ月間に98円台から105円台半ばまで約7円強円安が進んだが、その後、上げ幅の50%(半値)押しの101円まで調整し、その後101-103円で保ち合った。
今回もヘッジファンド等の海外投機筋が主導した円売り・日経平均先物買い「ジャパントレード」の利益確定売りであり、ファンドの「45日ルール」が17日に終了し11月は国内株式市場にニューマネーが期待されることで消費税10%再増税が決定される12月いっぱい円安基調が続きそうだ。
何よりすでにドル/円はオシレーター系テクニカル指標も「売られ過ぎ」状態にあり105円台で底入れしたとみられる。RSI(リラティブ・ストリングス)は一時36まで低下し中立ラインの50を超えて「売られ過ぎ」状態は明確。リスク指標としての米国株S&P500のRSIに至っては一時30に達しすでに「売られ過ぎ」を明示している。なお、シカゴ投機筋のポジションは先週火曜のポジションしか判明していないが、107から105円台へのドル安・円高局面がセリング・クライマックスと言えそうだ。
なお、20日の欧州-NY市場の予想レンジは、「ドル/円106.90-107.80円、ユーロ/ドル1.2680-1.2780ドル、ユーロ/円136.50-137.50円を見込む」(欧州系銀行幹部)。
一方、20日のドル/円は106.45円まで上値を伸ばし、ユーロ/円は136.29円まで戻して高値圏でNY引け。