リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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私の日常臨床 23

2015-11-06 12:39:34 | Weblog
久しぶりに症例を。
岐阜市在住の初診時51歳の女性。
他院にて咬合違和感について暫間補綴物にて経過観察を指示されているが
どうしても咬合違和感がとれないということで受診された。
また、右上の歯周環境についてもなんとかしたいとのことであった。

所見では両臼歯部の暫間補綴物は壊れないようにするために
前医は噛ませないようにしていたとのことで、前歯部のみの咬合に
なっていた。そして左上小臼歯部は予知性がないため、抜歯後
欠損部の補綴設計はインプラント補綴を提案されていたとのこと。
そして左上、右下の最終補綴に関しては金属アレルギーのことも
考えメタルフリーの補綴を勧められていたとのこと。

また、右上の根露出の問題に関し、問診より、
そもそも以前はここまでの状態ではなかったとのこと。
前主治医の前に、歯周治療の専門医院で歯周治療を受けていたらしく、
そのときに受けた歯周治療でこの様な状態になったが、
その後その医院にて保険診療外の歯周外科処置を提案されるが、
改善される保障がないという中で行う処置を断ったとのことであった。

上記のことを踏まえ、私は
咬合治療においては私の通法通りの処置を行い
状態の維持安定を確認後、最終補綴を行った。
ちなみに、よく耳にする金属アレルギーをどうこうって、だから
補綴予定部位をメタルフリーにっていう医院をたまにみかけるが、
どうしてこのことに執着するのか未だに疑問である。
患者が希望してるならまだしも…
そんなことより我々の使命は顎口腔機能を考えた処置である。

歯周治療においては、右上に関して、確かに見た目は良くないが、
ここまでの状態になってしまったのであれば
積極的な介入はしないほうがよいと話した。
この理由はここでは明記しない。

提示する写真にて処置のバックグランドを想像してもらいたい。
本症例は臨床歯科について色々考えさされる口腔内の状態であった。
参)当院が行ったこと
 ・歯周基本処置
 ・外科、補綴処置 左上(保険診療) 右下(自由診療:PMF‐Br)