さりげないひと時

さりげない風景の移ろいに自然の気配を感じたり。
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申年の梅干の思い

2015-07-29 20:46:12 | Kさんへ

2012年までの30年余り梅干作りを続けてきたKさん。

 

梅干の容器に残りが少なくなったので、保存瓶から補充しようと棚の扉を開けたら、

小瓶が3個、大瓶が8個の11個が並ぶ。

 

それぞれに年号が書いてあり、年号順に並んでいた。

古いものは2001年、最近のものは2012年でした。

2010年が抜けていました。

 

その理由はすぐ分かりました。

Kさんが化学治療をしていた年でした。

副作用の辛さに耐え大変な治療をしていた年でした。

 

その治療を乗り越え、また2011年、2012年と続けたが、2013年に再び辛い治療を

余儀なくされ、その以後は作ることができませんでした。

 

入院中の昨年の今頃でした。Kさんから梅干を瓶に詰めて持って来て欲しいと頼まれました。

それも申年に作った梅干をでした。

主治医のDrに上げるのだと言う。

昔から、申年の梅は健康によいし、縁起がいいと言われるので、夏バテしないように

忙しいDrに是非食べて欲しいというKさんの気使いでした。

自分が辛くて苦しんでいる時でも、周りに気を遣うKさんの優しさに私の気持ちは複雑でした。

 

申年は2004年(平成16年)で、瓶には甲申(きのえさる)の年と大きく書いてありました。

DrにKさんの気持ちが通じて、とても喜んでくれました。

 

1年前のことが蘇り、またまたKさんへの思いが募り、どうしょうもない寂しさに襲われてし

まいました。

 

Kさんが残してくれた梅干は、私の生涯では食べきれないほどあります。

申年の梅干は、私の体調管理に大切に利用していきます。

いずれは子供たちに引き継ぐことにしています。

 

 

 


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