2012年までの30年余り梅干作りを続けてきたKさん。
梅干の容器に残りが少なくなったので、保存瓶から補充しようと棚の扉を開けたら、
小瓶が3個、大瓶が8個の11個が並ぶ。
それぞれに年号が書いてあり、年号順に並んでいた。
古いものは2001年、最近のものは2012年でした。
2010年が抜けていました。
その理由はすぐ分かりました。
Kさんが化学治療をしていた年でした。
副作用の辛さに耐え大変な治療をしていた年でした。
その治療を乗り越え、また2011年、2012年と続けたが、2013年に再び辛い治療を
余儀なくされ、その以後は作ることができませんでした。
入院中の昨年の今頃でした。Kさんから梅干を瓶に詰めて持って来て欲しいと頼まれました。
それも申年に作った梅干をでした。
主治医のDrに上げるのだと言う。
昔から、申年の梅は健康によいし、縁起がいいと言われるので、夏バテしないように
忙しいDrに是非食べて欲しいというKさんの気使いでした。
自分が辛くて苦しんでいる時でも、周りに気を遣うKさんの優しさに私の気持ちは複雑でした。
申年は2004年(平成16年)で、瓶には甲申(きのえさる)の年と大きく書いてありました。
DrにKさんの気持ちが通じて、とても喜んでくれました。
1年前のことが蘇り、またまたKさんへの思いが募り、どうしょうもない寂しさに襲われてし
まいました。
Kさんが残してくれた梅干は、私の生涯では食べきれないほどあります。
申年の梅干は、私の体調管理に大切に利用していきます。
いずれは子供たちに引き継ぐことにしています。
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