よく利用するCD店のクラシック曲コーナーで、欲しいCDを探していたら、
80歳前後の男性から声をかけられた。
「クラシックに詳しいですか?、ボレロという曲を探しているのですがこれ
でよいのでしょうか」と何枚かのボレロと書かれたCDを差し出した。
ラジオでボレロの曲の思い出をこめた手紙の紹介と曲が流されたのを聞き、
とても印象深くもう一度この曲を聴きたくなり探しに来たと言う。
クラシックにはあまり馴染みがなく、ラジオで流れた曲がどれなのか迷って
いたところだったのだ。
この話は11年前のことですが、あの独特な16小節2組の反復から成って
いるリズムを口ずさんでみたら、「それです・それです」と嬉しそうに返事が
返ってきた。
ラジオで聞いた手紙が、どんな思いのあった内容かは知るよしもないが、
その男性は「たすかりました、有難うございました」と頭を下げレジに向った。
人それぞれには、なにかしら音楽にまつわる思い出や、印象深くいつまでも
心に残る音楽との結びつきが有ると思う。
録画しておいたNHK交響楽団のヴォレロを聞きながらふと思い出した。