学校給食の食材に鯨が当り前に使われ,自身のカラダの多分一割強は鯨で培われたと自負する世代.駿河湾奥の出自,鯨は愚か,湾東の伊豆の在からフレッシュな海豚の赤身やら,果ては皮付きの皮下脂肪がアタリマエに魚屋の店先に並べられ,結構日常的に食してはいたのだが…
塩をした鯨の脂で仕立てた“鯨汁”なるものを頂いたのは渡道後の事なれど,確か出先の定宿で出された初見のそれが,何だか妙に“懐かしい”味わいの一皿だったことを思い出す.
独身時代何度か試し,それなりに再現は出来たと思ったのだが,つれあいは鯨の脂がからきし駄目(鯨ベーコンにも箸を着けない;そのくせ鯨カツや竜田揚は美味いウマイと喰う)のようで,一度作って喰わせて以来,拒否権を発動し続けていた.
今回の鯨脂は近所のつれあい友人からの頂き物(夫君が札幌中央卸売市場で塩干品を扱っていらっしゃる;期限落ち前のロット払いとは思うが有難く).長男坊も帰札する年越しは丁度良い機会,とゆーワケで…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/10/29dfb10a599d3dc0bcc03ea5a0a61617.jpg)
本来は黒皮付きの塩鯨で仕立てるらしいが,今回のものは皮を削いだ刺身用の柵(ミンククジラと思う).豆腐に突き蒟蒻,根菜(牛蒡・人参)・山菜などを取合せ.仕立ては一寸,変則的.
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/6d/5fb588deac1af34b9eba2a1cffe38490.jpg)
そのまま煮ると脂でエライ事になるので脂抜き.粗塩を焦した中華鍋で乾煎り(塩鯨の場合は塩を入れない).
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/80/08cbad7d65e57866fcfb6cce730a826b.jpg)
染み出た脂は他の具材を炒める分だけ残してお玉で掬い取る(後で味が弱い場合に加減するため,ボウルなどに取っておく).
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/41/898220f876aee420358e389aa8d8ac31.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/38/29351d041ae8a01f3f8d6ce771c46312.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/d5/0c9335b0eb425423f222ddad3a15ec43.jpg)
突き蒟蒻・崩した豆腐・出汁を取った後の昆布の順で加えて確り炒りつけ,
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/13/b8b08929cf7573fa36ae04a320bfc8d6.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/2c/a1da790fe577e7e27d41f8875e6b7356.jpg)
野菜類にも軽く脂を回したら昆布出汁をひたひた.酒・味醂・醤油で塩梅,くつくつと1時間ほど煮込めば好い具合に煮汁の脂が乳化してくる.
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/00/b3e3e2d871c6baad9823358103ce2de9.jpg)
この乳化した脂のテクスチャは,個人的には,故“富公@狸小路七丁目”のラーメンスープ(三味,見た目も味もほぼ同じ)を髣髴する.同所で名跡の技を継がんと志す“味道 一徹”さんの出汁に,寸胴(φ≒30cm)一鍋あたりマッチ箱ほどの塩鯨を放り込めば,“私の・想う・富公”に,より近付きそうな予感は有るのだが… 閑話休題.
粗方煮込んだら琺瑯の鍋に移し,粗熱を取って出来るだけ涼しい(寒い?)ところに休め,一日一度,軽く火を通す.
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/1a/78a0228f5ef2650cfce6f2007c8faf65.jpg)
長男坊の気に召すか? 年取り膳が楽しみだ.
p.s.;駿河の戦後世代:鯨や,或は海豚の喰い様:
SSの皆様には白い目で見られるかも知れませんが…
赤身は,所謂“生姜焼き”で食べることが多かった.共働きの両親に代って時折家族の夕餉を仕立る(小学生の)私にも無難に作れたので.鯨カツは,親父が上手だった.
海豚の赤肉も生姜焼きが殆ど.こっちはカツには向きません(特有の‘乳臭さ’が篭ってしまうので).脂身(皮付き)は五分角に賽の目.乾煎りして脂を確り落し,揚げ際に強めに塩してカリカリの熱々を頬張る(コレも親父の得意技;御袋は苦手).矢張り乳臭く,今日ビにウケる味じャぁ無ェが… も一回,喰いてーナぁ!
塩をした鯨の脂で仕立てた“鯨汁”なるものを頂いたのは渡道後の事なれど,確か出先の定宿で出された初見のそれが,何だか妙に“懐かしい”味わいの一皿だったことを思い出す.
独身時代何度か試し,それなりに再現は出来たと思ったのだが,つれあいは鯨の脂がからきし駄目(鯨ベーコンにも箸を着けない;そのくせ鯨カツや竜田揚は美味いウマイと喰う)のようで,一度作って喰わせて以来,拒否権を発動し続けていた.
今回の鯨脂は近所のつれあい友人からの頂き物(夫君が札幌中央卸売市場で塩干品を扱っていらっしゃる;期限落ち前のロット払いとは思うが有難く).長男坊も帰札する年越しは丁度良い機会,とゆーワケで…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/10/29dfb10a599d3dc0bcc03ea5a0a61617.jpg)
本来は黒皮付きの塩鯨で仕立てるらしいが,今回のものは皮を削いだ刺身用の柵(ミンククジラと思う).豆腐に突き蒟蒻,根菜(牛蒡・人参)・山菜などを取合せ.仕立ては一寸,変則的.
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そのまま煮ると脂でエライ事になるので脂抜き.粗塩を焦した中華鍋で乾煎り(塩鯨の場合は塩を入れない).
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染み出た脂は他の具材を炒める分だけ残してお玉で掬い取る(後で味が弱い場合に加減するため,ボウルなどに取っておく).
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突き蒟蒻・崩した豆腐・出汁を取った後の昆布の順で加えて確り炒りつけ,
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野菜類にも軽く脂を回したら昆布出汁をひたひた.酒・味醂・醤油で塩梅,くつくつと1時間ほど煮込めば好い具合に煮汁の脂が乳化してくる.
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この乳化した脂のテクスチャは,個人的には,故“富公@狸小路七丁目”のラーメンスープ(三味,見た目も味もほぼ同じ)を髣髴する.同所で名跡の技を継がんと志す“味道 一徹”さんの出汁に,寸胴(φ≒30cm)一鍋あたりマッチ箱ほどの塩鯨を放り込めば,“私の・想う・富公”に,より近付きそうな予感は有るのだが… 閑話休題.
粗方煮込んだら琺瑯の鍋に移し,粗熱を取って出来るだけ涼しい(寒い?)ところに休め,一日一度,軽く火を通す.
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/1a/78a0228f5ef2650cfce6f2007c8faf65.jpg)
長男坊の気に召すか? 年取り膳が楽しみだ.
p.s.;駿河の戦後世代:鯨や,或は海豚の喰い様:
SSの皆様には白い目で見られるかも知れませんが…
赤身は,所謂“生姜焼き”で食べることが多かった.共働きの両親に代って時折家族の夕餉を仕立る(小学生の)私にも無難に作れたので.鯨カツは,親父が上手だった.
海豚の赤肉も生姜焼きが殆ど.こっちはカツには向きません(特有の‘乳臭さ’が篭ってしまうので).脂身(皮付き)は五分角に賽の目.乾煎りして脂を確り落し,揚げ際に強めに塩してカリカリの熱々を頬張る(コレも親父の得意技;御袋は苦手).矢張り乳臭く,今日ビにウケる味じャぁ無ェが… も一回,喰いてーナぁ!