烏合庵奇譚

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渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

“かすべのぬた”を作る

2008-11-23 21:33:05 | 烏合庵の食卓

買出しに出向いたスーパー.鮮魚コーナーで真かすべを見かけた.拙庵の住人は皆かすべには目がない.しかもコレは赤札半額である.当然,買い!!

“かすべ”.北海道ではガンギエイ科のエイの総称で,尖った吻(ふん;鼻先)が特徴だ.なかでも真かすべはメガネカスベのこと.画像(以前,港の朝市で小型のものを求めた時のもので恐縮だが)ではやや解り難いが,体盤両脇の輪紋が識別ポイントのひとつだ.他に水かすべ(又はどすべ,ドブカスベのことか?)というのも有るが,こちらは丸で見たことが無いので未同定である.身質は真かすべよりやや水気が多く,筋繊維も荒めである.とは言え,ちゃんと仕立ててあげれば惣菜として十二分に美味い.


真かすべは煮付け(および煮凝り;石狩でお世話になった漁師さんに拠れば,煮るなら皮付に限るそうだ.因みに,水かすべは皮を剥いで調理すると言う)・唐揚げ・一夜干の炙りなど,こりこりとした軟骨の食感と,しっとり・むっちりした身肉の仄かにアンモニアを宿した味わいが絶妙だ.今回は鮮魚コーナー最後の1枚,主菜には些か足りないので“ぬた”で楽しむことにする.


かすべは鰭の軟骨に沿って細く切り分け,べた塩を掛けて軽く揉み,1時間ほど休ませておく.


芥子酢味噌は味醂を煮切り,練り和芥子を溶いて味噌を擂り入れ,米酢で整える.




休めて置いたかすべを酢水(1:1)で洗い,軽く絞る.生魚の苦手なつれあい用には,さっと湯引きする.


小葱をさっと湯掻き,かすべを併せて盛付ける.酢味噌を添えれば,“かすべのぬた”の出来上り.


今日の夕餉.かすべのぬた・ほうれん草の胡麻和え・生布海苔の味噌汁.寄せ豆腐のアテには烏賊塩辛かキムチをお好みで.ふくらぎの造りは煮切り醤油と山葵で頂く.

ぬたは軟骨の歯触りが心地良く,アンモニア感も出すぎていない.尿素→アンモニアを含むが為の“落ち”の遅さは板鰓類(サメ・エイの仲間)の美点である.所謂賞味期限間際でも侮る無かれ.赤札有難や!の夕餉.美味しく,頂きました!

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