三太夫の残日録

俳句を詠み、PCでニュースを読むこれを日課とす。
三太夫は先祖の位牌に書いてあつた名前
これを一寸借用した。

余寒風

2016年02月13日 | 俳句
新しい道路が出来てその牧場は見えるようになった。
こんな所で牛を飼っていたのかと、思ったほど洒落た住宅が建っている田園であったが、古くから存在した牧場が道路整備で表にでてきてしまったらしい。
新しい道は大型スーパーに出かけるのに便利で利用することが多く、夏には木陰で涼しそうに寝ている牛を見ることがあり、冬には牛の吐く息が、寒さの中でいっそうの白さを見せる楽しみな景色であった。

ところが先週から、その牧場から牛がいなくなってしまった。
牛のいないガランとした牛舎が寒風の中に残り、それは淋しい景色になった。
今の時代酪農が消えるのは珍しい事ではないが、牛のいなくなった牛舎は通る人に小さくない衝撃を与えている。

  ・浅春や牛を消したる風強し

春隣り

2016年02月09日 | 俳句
冷たい地面を押しのけて顔を出す「蕗の薹」。
そろそろ見られるかと日当たりの良い南斜面へ出かけてみたが、まだ少し早かったようだ。

床屋にいって来ました。
椅子が九ケも並ぶ大型店だが、満席であった。
待っている間に、何気なく見ると、白髪と薄毛頭の後頭部が見事に並んでいた、
黒髪のフサフサ頭は皆無、
春だというのに淋しい。
20分程のスピード理髪は最後に釜を被されておわり。
釜をかぶせられるのは、いつも心地良い。
釜の中はいつでも春の気分。

  ・歩み初(ぞ)め七十年や春隣り

立春の味

2016年02月05日 | 俳句
早いものでもう立春である。
春の気分を味わうために、妻に無理を言って「菜の花弁当」と「菜の花のお浸し」を作ってもらい、庭で昼食。
流石に寒い、早々に退散、子供のようだと妻は言うが、ちょっと面白かった。
庭には昨日の福豆が落ちておりこれも早春の味わい、
スズメや野鳥が夕方までに綺麗に福豆を掃除してくれた。

  ・豆撒きも夫婦合唱声細し
  ・爪楊枝鋭く削れ花菜漬