墨汁日記

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者と物

2007-09-14 20:09:55 | 駄目
 生きる事にはリスクがともなう。

 リスクっての損得勘定の「損」だ。
 
 人間ってのは、なるべくなら、他人を者ではなく物として扱いたいと望んでいる。他人を人間と認めると義理人情が先走り、損しやすい。

 損なんかしたくないと、老いも若きも、男も女も、全ての人間がそう望む。
 他人が、自分と同じ人間だなんていちいち認めていたら、めんどうくさくてたまらない。他人の都合なんて、出来る事なら聞きたくない。
 
 子供なら、お母さんは、自分専用のこうるさい召使いだし、夫なら妻は、育児や家事をしておいてくれる、家のお手伝いさんだろう。

 とにかく!!
 
 文句を言うなである!
 黙って俺に従えである!

 他人からの物扱いはリスクではあるけど、他人から物扱いされることが対人関係なんだとも言えるし、ほとんどの人間は、他人から物扱いされることで利益を得て生きている。
 
 全ての我々は、あまりにも他人を物扱いする事や他人から物扱いされる事に慣れきってしまい、自分やら他人やらが本当は者であることなんか、もはや忘れかけている。
 だから、他人から物扱いされる事で、利益を得る。

 自分を者扱いにしてくれる人間は、特別に何もくれない。
 人間扱いされても、自分の経済的な利益にはあんまりならない。
 それよりは、物扱いされても、高いお給料だ。

 他人なんか物で良い。

 国にしてみりゃ、個人など『納税者』という物である。
 親から見たら子供は物。
 子供から見ても親は物。
 恋人も物。
 友達も物。
 部下も上司もフリーターも社長も、自分以外の人間は全て物。

 物・物・物・物!

 誰からも物扱い。

 誰をも物扱い。

 人間なんか物。

 そんなの当たり前で、他人なんか物だ!

 他人を者と認めるのは、とてつもなくめんどうくさい事である。
 他人なんか物で良いのだ!

 でも。

 あなたは物でなくて本当は者なんでしょ?

 俺も実は者だ。