墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

半分ロス

2004-10-11 22:59:36 | 仕事
 今日、メロンパンが半分ロスったそうだ。半分ロス?

 仕込みに原因あるなら確実に全部ロスだ。仕込みとはそういうポジションだ。分割に原因があるならそれは重さが違う事のみだ。今日の俺みたいに分割する生地さえ間違わねばね。
 となれば原因は成形かオーブンだ。だが、昨日の成形は、こうるさいおじさんだった。半分もロスるような成形などしないだろう。(メロンパンの成形は前日成形)
 となると、ロスの基準が今までよりも高くなったか、オーブンの人間が発酵時間を見誤ったかのどちらかである。多分、両方だ。それなのに、責任は上生地は、本ごねはなどと仕込みにくる。
 俺は仕込みよりの人間だ。良く考えもせず仕込みが原因とかいう馬鹿はアタマに来る。うるさい黙れと思う。
 仕込みはパン屋で低いポジションだ。すぐあれこれ言われる。パン屋で一番えらいポジションはオーブンだ。焼きがすべてだ。でも、俺はオーブンのニンゲンの言うことなんて信じていない。偏見に満ちあふれてるからだ。
 
 まだ、販売の人の言葉の方が中立だ。もちろん班長のいうことなら別だ。Aさんとか、チーフとか信用できない。

 そんなで、メロンパンの生地も上生地もやりなおせと全部すてさせられた。チーフにしてもこの店に腹に据えかねるものがあったのだろう。すぐに清水が仕込みは駄目だと決めつけやがる。
 でも俺は知ってるんだ。清水さんがどれだけ使える様になったかを。たんに生地だけでいうならAさんレベルにはもうなっている。だいたい、うちの仕込みは誰もMさとさんを超えていないじゃないか。

でも今日やりなおしたおかげでメロンパンの仕込みのヒントをつかんだ気がする。その点だけで少しチーフに感謝。



カルシウム

2004-10-11 22:01:35 | 仕事
 どうも俺にはカルシウムが足りないらしい。最近、職場ですぐ切れる。
 職場にゃ工程表というものがある。パンを作るためそれどおりに行動しろという鉄の掟だ。これは絶対なんである。工程表そのまんまに、行動しなきゃ意味がないのだ。しかし、世の中、フライングや平気で遅らす奴が多い。フライングも5分程度なら、可愛げもあるが、10分や15分も、フライングする奴は馬鹿だと思う。遅れなきゃいいわけではないのだ。パンの生地には発酵時間というものがあるのだ。好き勝手に早くやるのは反則なのだ。なんで、そんなことがわからないんであろうか。
 
 俺は10分フライングする奴より、5分行程を遅らせる俺の方が正しいと信じている。だから、仕事も5分前にしかはじめない。それで、間に合わないなら、工程がおかしいか、俺の能力が不足してるかのどちらかである。

 だが、なにより間違ってんのは15分も工程を遅らす奴である。本人の精一杯で15分遅らすなら仕方ない。もっと頑張ってね。と手伝いもする。
 しかし本人の7割ていどの力で15分遅らす奴は、やる気あんのかと、切れそうになる。おめーは時計の読み方知らないのかと、ぶち切れる。10分遅れてんのに手洗うんじゃない。水飲むんじゃない。そんな暇あんなら急げと切れる。

 てゆーか、神戸屋出身の親父はやとうな!そいつらは駄目に決まっている。神戸屋なんてパン屋じゃないのだ。話にならん。てゆーか、神戸屋ののりでやられちゃ迷惑だ。

 おかげで、最近よく切れている。今日もぶち切れて、つい思わず目の前にある生地分割して流したら、違う生地だった。申し訳ありません。ロス出しました。
 ロス出す俺が最高の馬鹿なのです。切れる資格もありません。


京たび日記 11

2004-10-11 21:57:21 | 旅行記
 小橋さんはいわゆるフリーのデザイナーで、昼に起きて人と会う約束がある時のみ出かける。基本的に作業は夕方から夜に行う。
 俺はいわゆるフリーのアルバイター。パン屋のバイト君だ。毎朝2時とか4時に起きてパン屋に出かけ、仕事は朝から昼間に行う。
 二人の行動サイクルはリサイクル不能なほどにてんでバラバラマンだ。
 
 九月二十六日 起床

 いつのまに寝てたのか?目が覚めたら小橋さんがテレビで香港映画を観ていた。
 またテレビの音声に起こされてしまった。
 いつになったら、

「んも~、ダーリンたら。早く起きてぇん。チュッ。」

 とか言う具合に起こしてもらえるのだろうか?
 一生、無理な様な気もする。そう、無意味な希望はいだかぬが吉である。「希望と恐れをすてよ。孤独を愛せ。」とか誰か言っていたしな。

 そんなでいきなり起きたら香港映画だ。寝起きに中華料理食わされる気分だ。

 時計を確認すると四時前だ。まだ起きてたのか、この男は。一瞬そう思うが、映画に集中することにした。小橋さんも、そろそろ寝れそうなんであろう。目を覚ました俺に気づいていながらシカトである。ここで下手にアクションを起こすと寝れそうになりかけている小橋さんの眠気に水をさしてしまう。とっとと寝てもらい、一分でも早くおきてもらおう。

 二人して無言で香港映画の画面に魅入る。ほぼ釘付けだ。内容はアメリカの開拓地に入植してきた華僑の苦労話だ。のりは必殺仕事人のスペシャルに近い。ようするにガンアクションとカンフーの融合だ。さらにアメリカインディアンも出てくるので芸が細かい。
 まぁ、最後はカンフーの勝利で終わるのであるが、同じ東洋人として、やはり面白い。そういや嘘か本当か関東軍はカンフーを怖れていて、率先して中国武術の使い手を殺していたとかいう。ま、中国側の作り話だろ。
 手から、かめはめ波でもでないかぎり素手で訓練を受け銃を持った人間にかなうはずがないのだ。兵隊さんは人殺しのエキスパートなのだ。

 そんなで二人して無言でテレビの香港映画に集中する。

 ラスト直前に小橋さんが横になる。俺はあえて音声はそのまま、こういうときは下手に気など使わぬ方が良いのだ。ラストまで鑑賞する。
 小橋さんは寝たのであろうか。寝たんだろう。俺はテレビを消し、横になってみる。あまり眠くない。では起きよう。

 起きて朝風呂に入り、歯を磨き、ホテルのフロントにおりてみる。時間は5時頃。地図を見て、行く場所を決める。
 どうせ小橋さんは、また10時過ぎまで目を覚まさないだろう。その間に一人で観光しておこう。俺は貧乏性の真性貧乏だからな。

 今日は何があるかな。たいした事はないだろ。でも、それが観光なんである。