蒸発する酒

毎年会社には中元・歳暮が集まるもんで…
それをさばくために、社内で忘年会やら新年会なんぞをやる
その時に余った酒なんぞが給湯室にテンコ盛りになり、処分に困る

ビールなんぞは、パートさん達が
家で口を開けて待っているご亭主のもとへ、セッセと運んでくれるので助かるが
さすがのパートさん達にも人気薄で困るのが「日本酒」である
特に、飲みかけの日本酒ほど厄介なもんはない（笑）

捨てるのも、もったいないし…
家に持って帰って料理酒に使うには、一升瓶はデカイし…
まいったな～っと思いつつ、結局最後は捨てていた

今年も、口が開いて半分以上酒が残っている一升瓶が２本出た
ま、いずれ廃棄するか～っと思い、給湯室に置いてある

数日前に気がついたのだが…確かに２本あった一升瓶の１本が空になっておった

「蒸発したってかっ！？」

不審に思って残りの１本を注意深くチェックしていると…

「日に日に減っていっている！」

目の錯覚かと思い、残りの酒に小さくマジックで線を付け
翌日チェックしてみると

「確かに減っていっているのだ！」
いかに乾燥注意報発令中の関東にあっても…
酒が一晩で数センチも蒸発するハズはなかろう
で…他に考えられることは…社内に酒好き妖怪「こなきジジイ」が居て
夜な夜な酒を飲みに給湯室に出没しておるとしか、考えられん

さすが、魑魅魍魎・妖怪たちの集う会社である！

さて…酒好き妖怪、「こなきジジイ」は誰じゃ～
ってことで、あらゆる方面にリサーチをかけた（笑）

「背の高い影を見た」とか
「白髪の後姿を見た」とか
「赤ら顔で会社を出て行く姿を見かけた」なんぞの話を総合すると…
どうやらあのバックトゥーザ・フューチャー出演の
「ドク」にソックリなドク次長と判明（笑）

以前に自宅で酒を飲んでいたハズが…なぜか路上でバイクに轢かれていたという
大酒のみのツワモノ。。。（笑）

そこで、ドク次長が給湯室へ消えたのを見計らい
コッソリのぞいてみると…やっぱり大きな体を小さく丸めて酒を飲む姿を発見！
「おいおい」っと声を掛けると、変な所へ酒が入ったのかむせて咳き込むドク次長
「何を飲んでおるんだね？」っと聞くと
「タイムカードは押したしさ～、外は寒いから暖まってから出ようっと思って…」
っと大きな体を小さくして話す（ハハハハハハ）

ま、どうせ捨てる酒だしの～
タイムカードも押してるんだし…暖まって帰ってもいいが飲みすぎるなよ～
っと言っておいただ（笑）

ところで…なんでココに酒があるって解ったんだ？って聞くと
「酒の匂いがしたからさ」っとココだけは自慢げに言っていた（笑）

酒好き妖怪は、階が違っても酒の匂いを嗅ぎつけるんだの～凄いぞ

昨日、見事に一升瓶が２本、消えておった
明日からは寒いだろうの～～～（笑）