満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

「夢をかなえるゾウ」 作:水野敏也

2008-04-24 | 本の紹介
ある日、本屋に大量の本を買いつけに行った私の目に
(注:満天さんは業者ではありません)
入り口付近のワゴンでテンコ盛りになっていた黄色い帯の本が目に入った
ワゴンに乗っていると主婦の悲しい性か
「安売りかい?」っと思い近寄ってしまう
そんな雰囲気で買ってしまったのがコノ本である
(注:ワゴンに乗っていてもセール品ではなかった…)



インドの神様に「ガネーシャ」ってな名前の
ゾウの神様が居るのを知っているだろうか?
ある日、主人公の「僕」がセレブのパーティーに潜り込み
自分とたいして年齢の変わらぬ輩が大層リッチに暮らしているのを見て
羨ましいやら自分が情けないやら~
で…しこたま酔っ払いクダをまき、記憶をなくして翌朝目覚めると
「コイツ」が枕元に居たってなお話である(笑)

まぁ~一応神様なんで、色々なサイズや形に変身出来るみたいだが
基本の姿はデカイ「ゾウ」なもんで
「食いっぷり」も「食い意地」も超ド級
食い物へのこだわりは「グルメ評論家」を遥かにしのぐ
なかでも好物の缶詰の「あんみつ」が在庫切れをおこしていようものなら
中毒症状をおこす

タバコも吸うしパチンコもやる
言葉はなぜが大阪弁だし
態度もデカイ
大阪弁丸出し状態で色々な導きの言葉を言うのだが
大阪弁の悲しいサガか…なんだか胡散臭い(笑)

さて…前に述べたがコイツは一応神様である
主人公の「僕」がセレブでビックな人間になるために
色々と教え導いてくれると言う

姿形と物腰から「うっとおしさ」を感じたので断ったが…
ニュートン・モーツァルト・ピカソに孔子・・・・
最近ではビル・ゲイツ君まで彼が教えたという…
「変わりたい」のか「変わりたくないのか」っと迫ってくる
「変わりたい」のは本当だけど…いつも3日坊主だし…
っと渋っていたが…
大阪弁の押し売りは強い!
で…「僕」はガネーシャと契約を結んでしまった

ガネーシャは毎日「僕」に一つ課題を出す
なんだ~学生みたいじゃないかっと思ったのもつかの間
最初の課題を聞いて仰け反った
「君、自分の靴を磨きなさい」
コイツはミョーに気取ると標準語を話す
大阪人が気取ると標準語を話す時があるが
話す方も聞く方も何だかコソバユイ
次の課題は「君、トイレ掃除をしなさい」だった
ホントウにコイツの言うコトを聞いていて
僕はセレブになれるのだろうか~~~~~~~~

ってな本である(笑)

最初は、身だしなみと整理整頓から始まり
自分の小さな周りを変える

そこから自身の内面探しの課題へと変化する
自分の事を他人はどう見ているか?
自分が思っていた自分と、他人から見た自分の違いを明確にしていく

自分の事が解って来たら自分が良いと思う人の真似をし
自分が理想と思われる人や物事の流れを自分の物にしていく

そして自分の中で埋もれていた「夢」を掘り起こし
それに向かって何があってもへこたれず邁進するのである

でも…これだけでは…やっぱり3日坊主である
そこで「僕」にはガネーシャというお目付けがビッチリとくっ付く
が…読者にはガネーシャは居ない
ソコが味噌と醤油であろうと思う(笑)

そこで作者は読者に向かい
本当に「変わる為」には「とびっきりの不幸」が必要だっと言うのである
解り易く変換すると「死んだ気になってガンバレ」である(笑)

こうやってザックリ書くと…たいした内容ではないように感じるかもしれん
んでも…
多分心にグっとくる言葉が満載されている
誰もが一度は漠然と思い描いたモノが、言葉としてハッキリと表わされている

普通はココで良かった~っと思った言葉を書くのかもしれんが
あえて書かん
「コレ、沢山売れてる本だし古本屋にも出回ると思うねん」
「一日、一課題を立ち読みしても行けると思うねん」
「変わりたいっと思うんなら自分で読めば良いねん」
って…ガネーシャなら言うと思うねん(ガハハハハハハ)
注)北海道弁を話す人間が大阪弁を真似すると…大阪人より胡散臭い(笑)

あっ、最後に…
ワシ…3日坊主って嫌いじゃないのだ
3日で辞めちゃったコトは残念だけど
3日だけでも何かをやろうと決めてやったんだから
ソレ、凄いんちゃうかな?
何にもやらないより全然イイ~っと思う
今度は4日坊主にすればイイってだけっしょ(笑)

本当にやりたい好きなコトに、まだ出会ってないだけだと思う
それには3日坊主でもやってみなけりゃ~好きか嫌いか解らんっしょ

それと…死ぬ気で頑張った人も1ヶ月坊主かもしれんしょ
1年坊主かもしれんし、10年坊主かもしれん(笑)

ただ、一度死を意識した人はやっぱ凄い
私らが「ダメだ~」っと諦めて
心の奥深くへ追いやってしまった、本当にやりたかった夢でも掘り返し
たとえ完結出来なくっても「やってみよう」とする
実現出来る、出来ないって事よりも
「やってみたんだ」っという過程を重視する

何をやりたいか?っと漠然と考える時間の無駄を省き
残された時間で、いったい自分に何が出来るのか?っと
心を方向転換することにより、実現への道のりを確実なものとする

「死」って終わりが見えちゃったから
「悔い」を残したくないんだと思うんよ

私らもこうして生きてる以上
残り時間を食いつぶしているのは一緒なんだけど
実感が湧かない分、現実感がない

人間ってやっぱ「いざ」っとなると底が知れない
それに面白い
そして、やっぱ、大好きだわ

私しゃ、ヘタなインドのゾウに導かれるよりは
大好きな人間を見て学びたい

同じ本のレビューを「作太郎さん」もされています
同じ本でも見方が違うから面白いよ~

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