満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

弟と「のっぺら」…最終回

2008-04-23 | 昔話のハチャメチャ
月曜から続けている私の弟「満月」と「のっぺら」の最終回である
本当にこんなクダラナイ話に3日も付き合っていただき
申し訳ない
ところで…今日が初めてってな方がいらっしゃいましたら
どうか二日前の下記事から読んでくれるとありがたい
色々と注文を付けてしもうてすまんの~~



前回、ウルトラマンに「鼻がない~」っと大泣きした弟満月は
いったい…誰に似たんじゃろうってな程、気が弱い

だいたい内地(本州)から一攫千金を夢見て北海道へ渡って来た
博徒な祖父の代から、満天家のメンバーは全員気が強いのだ
しいて探すなら…満月君の母親はお嬢様育ちであるので
少々オットリしてはおるがの~しかし、性格はすこぶるキツイしな~(笑)
母方に誰ぞ気の弱いヤツが居ったのかもしれん

ケンカに明け暮れ生傷の絶えない姉に相反して
弟満月は家で静かに人形遊びなんぞをするようなヘナチョコ男であった

毎度、「鼻が無い~」っと大泣きして
「帰ってきたウルトラマン」のTV放送を見られないのは我慢ならんので
なんとか彼に「線だけの鼻」を認知させようと姉は必死に考えた

黄金バットやウルトラマンが怖いと言うくせに
黄金バット出演の悪役、黒い布をかぶったナゾーは怖くないし
藤子不二雄作「オバケのQ太郎」に対しては
むしろ好きだという所に着目した姉は
古いシーツを頭からかぶり「のっぺら」っという怪人を登場させた(笑)

ウルトラマンの線だけしかない鼻を怖がる満月に、免疫を付けるため
シーツをかぶり鼻がくるであろう位置にマジックで線を書き
目の位置には、コチラは満月お気に入りのオバQのパッチリ目を書きいれ
ここに「のっぺら」が誕生したのである

「のっぺら」が出入りする場所は押入れである
押入れには「のっぺら」の世界と我等の世界を結ぶ
不思議な出入り口があるのだ
このあたりの設定はディズニーのモンスターズインクに似ておるが
私の方が古いのでパクったのはアッチである(笑)

ただし…「のっぺら」が出現するには「姉」を人質に出さなければならぬ
そりゃ~そうだ・・・姉と「のっぺら」は同居できないのだから(笑)

かくして「のっぺら」は姉を人質に取り、押入れから満月君のもとへ出現した
現れる時は…押入れの奥からブキミな声で
「のっぺら~ほほほ~~~い」ってな変なフシが付いた歌が聞こえる

最初、ギャーギャー怖がっておった満月に
「線だけの鼻」は怖くないんだぞっと教えるのに多少時間が掛かったが
何度か「のっぺら」を出現させ色々と話しているうちに
気の強い姉には考えられない誤算が生じて来たのである

しんじられない事にコノ「のっぺら」を満月はエラク気に入り
暖かな友情みたいなもんを持つようになってしまったのである

「のっぺら」が押入れに帰ろうとしても
「帰るな」っと言う
「姉が戻ってこられなくなるぞ」っと言っても
「のっぺら」が居ればイイなんぞと言いやがる!

姉があれほど「よこせ!」っと言ってもくれなかった
ビスコのお菓子まで簡単に手渡すほどである

いつも乱暴な姉より…
しつこく静かに「線の鼻は怖くない」「これが結構~役にたつ」など
座って静かに話す「のっぺら」の方が彼にとっては良かったらしい・・・

これは…潮時かもしれんと考えた姉(のっぺら)は
「もう…満月君に会いにはこれない」っと伝えた
理由は…
ハワイに転勤するからである・・・
当時ハワイは夢の島じゃった~
また、自営業の我が家にとってサラリーマンの転勤も憧れじゃった~(笑)

ビ~ビ~泣きじゃくる満月に最後に一言声をかけた
「もう…線の鼻は怖くないじゃろう?」
泣きながらデカイ頭をコクンっと前に倒したのをシッカリ確認し
「のっぺら」は押入れに去って行ったのである

無事に押入れから戻ってこられた姉を完全に無視し
いつまでも、いつまでも押入れの前にチョコンと座ったまま泣き止まない満月
デカイ頭に付いておるチッコイ目がボッコリ腫れてしまい
泣かせたことが親にバレ、姉はしこたま叱られてしまった

オマケに…古いと思ったシーツは時々来るバー様が使うシーツじゃった・・・

とにかくその後、姉は無事に「帰ってきたウルトラマン」のTV放送を
心ゆくまで堪能できたことは言うまでもない

が…気の弱い弟を持つという事がどういうコトかってのを痛感したのは
その一年後から始まった「仮面ライダー」の放送時であった
トンボを擬態化した仮面ライダーをワクワクして眺めておった
姉満天の後ろから、またぞろ大きな叫び声があがったからである

そのお話はまた今度ってコトで…(笑)
実は仮面ライダーには、かなり手こずった(ハハハハハハ)

時々…彼は今でも押入れをジーっと眺めておる時がある
姉、イコール、のっぺらとの認識はないのかもしれん
底抜けのお人好しである(ガハハハハハハ)



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