満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

弟と「のっぺら」…②

2008-04-22 | 昔話のハチャメチャ
さて…昨日話した〔弟とのっぺら①〕の続きである
まだ読んでなかった人は申し訳ない。
下の記事から読んでくだされ~~~



弟の満月君が生まれた昭和42年といえば
ベトナム戦争で「枯葉剤」が散布され
中国では水爆実験が行われ、世界で4番目の核保有国となり
戦争が終結して20年ほど経ったが
世界ではまだまだ不穏な動きが見え隠れしていた時代であった

漫画の世界では手塚治虫氏が漫画雑誌「COM」を創刊し
沢山の漫画家を輩出するきっかけとなった
TVではカラー配信がはじまり
いままで白黒だった世界に色が与えられ
物事の描写がよりリアルに感じられるようになった

当時、私が夢中になっていたTVアニメは
「リボンの騎士」と「黄金バット」
特に黄金バットは紙芝居の頃から大好きな作品であった
が…黄金バットの宿敵の目が四つもあるナゾーは平気なくせに
正義のヒーロー黄金バットがTVに現れると満月君が泣くのである
「けったいなやっちゃな~」っと思ったが
確かに金ピカドクロにアバラボネを露出した容姿は
赤子が泣くに値するかもしれん(笑)

と、あまり気にも留めていなかったが…
その後、満月君が3歳になった頃に事件が起こったのだ

満月君が生まれた頃に始まり一年ほどで終了してしまっていた
ウルトラマンが帰って来たのである
そのタイトルも「帰ってきたウルトラマン」であった
私はウルトラマンの前の番組「ウルトラQ」からの常連であったので
ワクワクして第一回目を見ておった

前作「ウルトラマン」で登場していたムラマツキャップにハヤタ隊員も
番組設定上は引退した事になっていたが出演しており
私のボルテージは最高潮に達しておった

初回放送は怪獣が大挙して押し寄せていた
中でも私の大好きだったヘドロ怪獣「ザザーン」も出演しており
私は夢中になってTVにかじりついておった

主人公「郷秀樹」(郷ひろみ+西城秀樹の安直ドッキング名前)は
怪獣に襲われていた子供と老人を救うため命を落としてしまう
その一部始終を見ていたウルトラマンは(遠くから見ていただけ…)
「郷秀樹」を哀れに思い自身の生命を渡し、
彼をウルトラマンとして蘇らせたのである

「郷秀樹」を助けるウルトラマンの顔が
TV画面一杯に広がった~って所でTVを見ていた私の後ろから
怪獣「頭デッカチなまはげ」の叫び声が聞こえた
振り返ると満月君が、あのデカイ頭を左右に振りながら
まだ箸も使えん不器用な小さな手で
TVに映っているウルトラマンをしっかと指差しながら
シンジラレナイ言葉を発っしておった
「コワイよ~~~~」

「ナ・ナニがじゃ~~」

遥かM78星雲から地球を守る為に飛んで来てくれた
ウルトラマンの何処が怖いんじゃ~~~っと怒鳴る姉に
満月君はしゃくりあげながら答えた

「だって…鼻がない~~」

バカかオマエは!
良く見ろ!顔の真ん中に薄く線が見えるじゃろう!
コレが鼻じゃ!鼻はあるんじゃ!
だいたい黄金バットの悪役ナゾーだって目ばかり多くって
鼻なんぞ無かったじゃないかっ!

っと言ったが全ては無駄であった…

弟の大泣きに頭を抱えた継母が、TVのチャンネルを変えて終わってしまった
記念すべき「帰ってきたウルトラマン」の第一回目が見れなかった・・
しかも…執拗に抗議した姉を茶の間から追い出す継母の一言
「宿題やったの?」

だいたい…学校から帰って来て、ご飯を食べ
やれやれとくつろいでTVを見ている小学生が
宿題なんぞしている訳がない・・・・

しぶしぶ子供部屋に戻り宿題を手にした私は
このままでは一生ウルトラマンを見る事が出来ないっという恐怖を
なんとか解決しようと宿題そっちのけで考えた

そこで考え出されたのが「のっぺら」であった

つづく

ブログランキング・にほんブログ村へ