高野山大師協会では、写経(100円:奥の院奉納は1000円)と授戒(500円)が体験できます。
「授戒」の時間は決まっています。(1日7回)
そのため、写経も授戒も両方体験したい場合、写経は授戒の開始時間を最優先とし、途中退室しても構わないそうです。
授戒が終わったら、またその場に戻り写経を続けられます。
私は2泊3日の旅でしたが、高野山にいられる時間も、残り少なくなってきています。
時間は無駄なく使いたいものです。
写経場。
イスの席もあります。
まずは、「塗香」を手を中心に塗り、体を清めます。
「塗香」は高野山のお線香屋さんで、数種類の香りから選んで購入することができます。
まず心得を読みます。
般若心経にある多くの文字を間違わないよう、心を静めなければなりません。
高野山大師協会の写経は筆ペンのみでした。
最初は筆先の感じに慣れるまで、思うように書けませんが、写経紙に薄く見本の文字が書いてあるので安心感がありました。
30分程度で完成しました。
2か所間違ってしまいました。
般若心経に2箇所ある、不断使わない「死」という文字でした。
写経で集中している間は、心から般若心経を考えているので、写経はとても高徳があるものと思います。
今回の四国遍路では88箇所のお寺に、写経を納めることはできませんでしたが、次の四国遍路の機会があれば、納めたいと思いました。
「授戒」は阿闍梨さんと共に、お堂を暗くして「菩薩十善戒」を唱え、授かることが出来ます。
仏さまの示された戒めの教え(戒)を阿闍梨さまから直接授かり法話を頂く儀式で、年間を通じていつでも参加できる最も高野山らしい体験(修行)の一つです。
その戒は、いずれも現代の人々にこそ思い出してもらいたい規範であるとされ、このような戒めをすべての人々が心がければ、素晴らしい社会の実現に大きく近づく、そういった「仏の心の在り方」を説くのが「戒」の教えなのだそうです。
「十善戒」は、四国遍路の心得でもありました。
1 不殺生 殺生をしてはいけない
2 不偸盗 盗みをしてはいけない
3 不邪淫 淫らなことをしてはいけない
4 不妄語 偽りを言ってはならない
5 不綺語 言葉に虚飾があってはならない
6 不悪口 悪口をいってはならない
7 不両舌 二枚舌を使ってはならない
8 不慳貪 強欲であってはならない
9 不瞋恚 怒ってはならない
10不邪見 よこしまな考えを起してはならない
最後に阿闍梨さまから授かった「菩薩十善戒」は、今では大事に手帳に納め、開くたびに意識するように私は心がけています。
「授戒」が終わると、阿闍梨さまより心温まる講話をお聞きすることができ、大変心に残りました。
今回私の高野山での勤めは、これで終わりとなりました。
四国遍路、高野山で得た経験を家に持ち帰って、しっかりと日々の生活の中で、活かしていきたいと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます