別所温泉の温泉宿の横にある、安楽寺の山門には「崇福山」とあり、黒門と呼ばれています。
山門をくぐってもお寺がみえず、蓮池の横を歩きました。
お寺の石段がみえてきました。
安楽寺の創建は奈良時代の天平年間(729~749年)、高僧として知られる行基菩薩が長楽寺・安楽寺・常楽寺の3寺を開山。
薬師如来像を安置するため、瑠璃殿を建立したのが始まりと伝えられています。
安楽寺は天長年間:824~834年に慈覚大師円仁によって開かれたとの説もあります。
これら3寺を三楽寺と呼びますが、長楽寺は現在なくなっています。
安楽寺は禅宗としては、鎌倉の建長寺などと並んで日本では最も古い臨済禅宗寺院の一つでしたが、 天正十六年(1588)ころ、高山順京が曹洞宗に改宗したそうです。
十六羅漢堂。
昔の茅葺き屋根の形そのままを残した本堂。
ご本尊は釈迦牟尼仏(お釈迦様)。脇侍に文殊・普賢の各菩薩がお祀りされています。
寛政16年(1784年)方3間、ぬりこめ、宝形造、銅板葺の経蔵が建てられました。
宇治の黄檗山萬福寺(黄檗宗)から購入した、鉄眼の一切経を保管するための経蔵です。
曹洞宗に改宗してからのことなんですね。
木造八角三重塔は、木造の八角塔としては全国で一つしかないという貴重な建築です。
昭和27年3月29日、文化財保護法の規定により、長野県では一番早く国宝に指定。
建立年代は鎌倉時代末期から室町時代初期までのあいだと言われてきましたが、平成16年、安楽寺の依頼を受けた奈良文化財研究所埋蔵文化センター古環境研究室の光谷・大河内両先生の調査の結果、三重塔用材の伐採年代は正應二年(1289年)ということが判明したそうです。
これにより、わが国最古の禅宗様建築であることが証明されています。
初重に裳階(もこし=ひさし又は霧よけの類)をつけた珍しい形式で、細部も禅宗様の形式からなり、類例が少ないそうです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます