山咲雛子の日記

毎日何かを好き☆と感じ、感謝して、頑張っています。時間が沢山あったら、ゆっくり自然の中で過ごしたいです♪旅もしたいな♪

記憶

2011年03月28日 | つぶやき
東日本大震災以来、閖上(ゆりあげ)に住む知人の安否が、とても気がかりで居てもたっても居られない気持ちでしたが、命だけは大丈夫だと連絡が入りました。

あの地震の日、知人は仕事がOFFだったため、愛犬と祖母と家にいたそうです。
気づくと波にもまれ、人の声がしたそうです。
「つかまれ!」と。
その声に従い、凄い勢いで流れてくる瓦礫で足を怪我しつつも、何とか一命を取りとめました。

あの津波が押し寄せた一瞬にも、他人を助けようとする判断をされた方がいて、運よく知人の命は救われたのでした。
昨今の報道にさえありませんが、容赦ない自然の猛威に晒されながら、自己を犠牲にしても、命を尊重し助けあった事実があるのです。

知人は、数日たって、あの時まで一緒にいたはずの祖母との再会が叶いました。
遺体安置所での悲しい再会となりました。


その話を聞き、私の記憶がこだまのように巡ってきました。

もう少しで成人式というある日、私は閖上で溺れた経験があります。

県下水泳大会で、賞ももらった私。
なのに、波に揉まれ自然の脅威には成すがまま抵抗さえできず、まるで洗濯槽の中の布切れのようになって、息もできない時間が続きました。
そうして私は、半ば気を失いかけていたのでした。
もがいたせいで海水も飲み気道が詰まり、走馬灯を見かけていたその時、水の向こうから「つかまれ」と。
私は無我夢中で、声のするほうにつかまっていました。

溺れかけた私をサーファーの方が気づき、いち早くパドリングして来てくれたのでした。

砂浜に足がついた時、身が震えて止まりませんでした。
あの日から、私の中で何かが音を立てて変わったような気がしました。


それから何十年…
そんなことは、時間の流れとともに忘れていましたが、今こそ生かされた命は、未来のため、家族のため、人のために、大事にしていきたいと、つくづく実感として思います。
苦しいことも多いけど、生きていれば絶対に良いこともあり、大好きな人と幸せな気持ちを分かちあえる日には、いつも見慣れた風景さえとても綺麗に映るはずです。

皆で、心を寄せ合って…