スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
*海外情報はその当時のもの。
*禁無断転載

オシムの言葉

2024-07-29 00:15:47 | 書評・映画評など
「オシムの言葉 増補改訂版」(木村元彦著、文春文庫)を読み終わった。忙しさにかまけて中々読書がはかどらなかった。2022年に死去されたイビチャ・オシム元日本代表監督の評伝である。ここまで波乱万丈な人生であったとは知らなかった。サラエボが包囲された時、本当にタッチの差でオシム監督は市の外に出て、アシマ夫人は市内に残ったのである。そこからの無線通信を使った必死の通信連絡、家族との離別の心労をかかえながらプロのサッカー監督として結果を出し続けるオシム、そして抗議の代表監督辞任。。。もう波乱万丈である。自分はそこまでサッカーには詳しくないが、サッカーについては本当に「職人の」監督というか、どこの監督を引き受けてもちゃんと結果を出してしまうところが凄い。高校野球などで、複数の高校で甲子園出場を成し遂げてしまう監督が時々いるが、そんな感じである。世界中を移動して仕事をしてきただけに、会見で述べる言葉が鋭い。これは「オシム語録」として日本のマスコミでも何回も引用されてきたが、特に印象的な言葉はいくつか紹介しておきたい。「作り上げる、つまり攻めることは難しい。でもね、作り上げるほうがいい人生でしょう。そう思いませんか?」「日本人は平均的な地位、中間に甘んじすぎるきらいがある。野心に欠ける。これは危険なメンタリティーだ。受け身すぎる」「私は日本人に、あまり責任や原因を明確にしないまま次に進もうとする傾向があるように思います。私には日本人の選手やコーチたちが使う言葉で嫌いなものが二つあります。『しょうがない』と『切り替え、切り替え』です。それで全部をごまかすことが出来てしまう」。どの言葉も含蓄があって素晴らしい。一読をお勧めする。
Wikipedia「イビチャ・オシム」
オシム氏死去
クロアチア旅行その5
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« サルスベリ2024 | トップ | 7月28日 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

書評・映画評など」カテゴリの最新記事