これをかいていた頃は、まだ携帯もなく、スーパーと、小売店が両立していました。
大型スーパーと言えば、ジャスコが津市内に3店舗、東、中心部、南とあって、とても便利でした。
その反面、中心部には、家から近いところに、大門商店街があり、必要なものから、駄菓子まで、子供たちを連れていくと、こちらの方が喜んだものです。
商店街の人と仲良くなり、いろいろおまけしてくれるのも魅力でした。
妻は妊娠中、ここのうどん屋さんで、素うどんを1杯だけ食べるのが、本当に幸せそうで、私はビールを飲みながら、その顔を見ているだけで、うれしくなったものです。
でも、スーパーが勢いをつけてくると、だんだんそう言う触れ合いがなくなってきました。
子供たちには、そういう小売店産を忘れないように、読み聞かせたものです。
あっくん、おかいものに行ってくれない?
いいよ~。なにを買うの?
今日は、さんまを焼こうと思うの。
さんま3匹と、大根を1本お願いね。
わーい、僕ねお買い物に行くんだよ。
おじさん!ぼくね、スーパーにお買い物に行くんだよ。
おばちゃん!ぼくね、スーパーへ大根買いに行くの。
ところがスーパーは今日はお休みでした。
困ったなあ、お買い物ができないや。
がっかりしたあっくんは、お母さんに怒られると思って、とぼとぼと今来た道を帰っていきました。
そして、ふと見ると、大根があるではありませんか!
あっ、だいこん!!
ここに八百屋さんがあったのです。
おばさんは、大根の食べ方をいろいろ教えてくれました。
そしてさんまは、魚屋さんにあったのです。
おじさんは、3匹買ってくれるなら、おまけしちゃうよ、と、大きなのを選んでくれました。
ただいま~。スーパーがお休みだったので、八百屋さんと魚屋さんで買ってきたよ。
まあ、すっかりお休みだってことを忘れていたわ。
それにしても、あっくん、えらかったねー。
あっくんは、今日あったことを、お母さんに話しました。
お母さんは、優しく、お話しを聞いてくれて、あっくんはうれしくなりました。
ただいま~。お父さんのお帰りです。
あっくんは、お父さんにもお話ししました。お父さんはびっくりしながらも、うれしそうにお話を聞いてくれました。
「僕ね、ひとりで、お買いものできたんだよ。それでね、それでね・・・。」
さんまが焼けたよ!!