お話しようよ/goo

たとえば落ち込んだりした時に、
にやっと微笑むそんなことが、
小さな幸せだったりする。
来てくれてありがとう。

つる地蔵3

2004年06月20日 01時55分49秒 | ウェブログ
母は泣いた。 七日七晩泣きつづけた。 泣いて泣いて涙が切れても泣きつづけた。いとおしいつるやった。村の衆は、言葉を失い、ただその土まみれの地蔵を石切り場の隅に祀るしかなかった。
そんな時、この村の庄屋がやってきた。
ただでさえ工事が遅れとったのに、薄汚い地蔵に手を合わせる村の衆を見て庄屋は怒った。「仕事もせんと、何しとるんや!早よ段取りつけて、そんな地蔵なんか割り石にせんか!」
 せやけど村の衆は誰もそんなことは出来ん。なんぼゆうてもきかんさかい業を煮やした庄屋は、相撲取りを連れてきてこの地蔵をどけようとした。槌で叩き割ろうとしてもちょっとも割れへんだ。
汗を吹き出して叩いても、傷も付かん。「そんなら安濃の川へ放り込め!」 

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