『本の時間を届けます』(2016年)篠賀典子 芹澤健介 北條一浩著 洋泉社
今日の一冊はコチラ。ゆくゆくは、ブックカフェをやりたい私。
今はまず、とにかく児童文学の魅力を伝えたい!と伝えることに専念したいけれど、それがある程度広まって来たら、やはり手にとってゆったり読める空間がやっぱりほしい。
でもでも、書店業界未経験の一主婦がブックカフェをやるだなんて、無謀すぎない?
そんな声が聞こえてきそうです。いや、やる勇気のない言い訳に、そんな声発しているのは、実は自分自身かもしれませんが。
いや、これができちゃうんだな~。特に女性ならば!そんな気にさせてくれて、励ましてくれたのがこちらの『本の時間を届けます』
全国の個性派女性オーナー書店や、本がつないで誕生したコミュニティが10ケース紹介されています。これが、どれも魅力的なんです!!!中でも行ってみたいのは・・・
◆辺鄙な田舎でも人が来る!うずまき舎(高知県香美市)
◆古本バル:月よみ堂(東京都杉並区)
◆読書会も魅力:croixille(クロアゼィユ 京都府京都市)
◆ブックカフェ&一人出版社センジュ出版(東京都足立区)
◆島の施設図書館:男木島図書館(香川県高松市)
特徴は、気負いがあまりない方が多いこと。
ふわっと、えいやっとやってみた→なんとなく続いてます。そんな感じ。
語弊があるかな。いい加減とか努力してない、というのとは違う。本への熱い思いと志が人一倍はある。ただ、経営に関する目標を設定するだとか、戦略だとか、そういったものと無縁でもできるんだなあ、って。
お一人お一人にストーリーがあって、それがねえ、もうじわっとくるわけなんです。特に一人出版社のセンジュ出版さんの吉満明子さんの話には私泣けてしまいました。
バリバリのキャリアウーマンで、巻き髪&ヒールで武装した編集長。それが、カオス状態だった自宅の片づけをし、クッキーを久々に焼いたら涙が止まらなくなる。嗚咽しながら、本当は自分はこういう時間を求めていたんだ、って気付くのです。さらに、子どもが生まれて考え方がガラッと変わり、こう述べられていたんです。
「物事の規模や数ばかりを追いかけていたわたしが、それまで取るに足らないと目にも留めていなかった身のまわりのことが、実はとっても大事だったんだと。自分の行動範囲が狭くなって、素の自分になれたというか、“等身大”になれたことで、それまで見えてこなかったものが見えてきたのかな、と思います」(P.115)
そのほかにも、過疎地、被災地で心のよりどころを作るみなさんに心動かされ、ああ、いいなあって。
児童書専門店の老舗さんですら閉店していってる寂しい今日この頃。やっぱり本屋さんという空間が好き。
ここに登場する場所、全て訪問してみたい!2018年、本をめぐる旅なんていうのもいいなあ。