真夏の怪

あれは、2年前のお盆休みの事なんですけどね。その日は真夏の太陽がぎらぎら照りつける暑い日でした。

家内とあたしはね、何かの用事があって、久留米の事務所に立ち寄り、そのあと自宅に帰ろうと近くの交差点で、信号待ちをしてたんですよ、ええ。


そいでね、あたしゃー見ちゃったんですよ、それを。

でもその時はカメラも携帯も持ってなくってね、この事をどうやって人に伝えようかと考えたんだ。ええ。

仕方ないので、この拙い絵を見て下さいよ。






こんな人が、いや、今となっては人かどうかわかりませんよ、とにかく横断歩道をこちらに向かって歩いてきたんだ。
坊主頭に、四角い顔。眉毛はあくまで太く、ぎょろりとした目、浅黒い顔色、口はへの字に結び、怒ったような顔つきでね。
茶色のＴシャツと同色の短パンをはき・・・ん？、Ｔシャツ？。

「おい！・・・あれ・・・・見ろ・・・・。」
「！！！！・・・・・・・・・。」



Ｔシャツの下の方はギザギザに切って両方の胸のところも丸く切り抜いてんだ、これが。
何の意味があって乳首を見せて歩いてんでしょうかねえ？。

「・・・・・・・・・」
無言で見送る二人。

しばらくして信号が青に変わってたのに気付き、左折したんですがね。



あたしゃー、いまでもあれがこの世の者であったのか、疑問に思ってんですがねえ。

因みに家内はこの絵を見て
「そっくり。」
って言ってますよ、ええ、



稲川淳二風に書いたつもりだったけど、失敗ですね。すいません。

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