関東出張を一日早めに繰り上げて帰ってきた。
台風の影響で、今日の便の欠航が一昨日の時点で決定していたからだ。
羽田に到着すると、繰り替えた最終便も欠航になったとの事。
急いで再度繰り替えてもらい、ぎりぎりでその前の便に乗れた。
ほっと一安心して飛行機に乗り込む。
私の席は、中央4列シートの左通路側。
右隣りはサラリーマン風の50代男性である。
飛行機が飛び立ち、水平飛行に移った頃、サラリーマン氏は寝たようだ。
肘を張り、膝を思いっきり開き、明らかに私のエリアに張り出して寝た。
私はその程度の事でクレームをつけるような器の小さい男ではない。
出張で疲れてるんだろう。いいよ、俺が体を傾ければいいだけの話だ。
通路側に体を傾ける窮屈な姿勢を余儀なくされたが、辛抱した。
ほどなく
クサ!
こいつ寝ながら屁こきやがった。音も出さずに。
不意打ちと言っていい。
おかげで、体を傾け、さらに呼吸を止めねばならぬという試練が加わった。
くそったれ。
それから、10数分もたった頃であろうか、
プウ~
2度目は、うかつにもヤツは小さな音をたてた。
前の席に座る東南アジア系の女性が後ろを振り返り私を見た。
ち、違う!
断じて私ではない!
こいつだ。
私の器がいかに大きかろうと、放屁の冤罪だけは耐えられぬ。
東南アジア女子に隣のサラリーマン氏を指さして、発生元を教えてやった。
東南アジア女子の肩が揺れていた。
理解してくれたようだ。
さらにその10数分
クサ、またか!
本来のヤツの手法である音無しの不意打ち放屁がまたさく裂した。
気のせいかもしれぬが、ヤツは僅かに腰を浮かせたような気もする。
もし起きているのなら、許されることではない。
言っておくが、私だってサラリーマン氏に負けないくらい疲れている。
なのに一方では、両肘両膝をだらしなく広げ、呑気に屁をこきまくり、
一方では、体を傾けさせられ、再々にわたって呼吸を止めねばならぬというのはおかしいではないか。
もはや、これは災害と言っていい。
絶望に打ちひしがれ、神を呪ったその時、
「皆様、当機は間もなく着陸態勢に入ります。」
私を含めサラリーマン氏の近隣の乗客に希望の灯が灯った瞬間である。
つらい出張が終わった。
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