紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

映画「劔岳・点の記」

2009-07-01 07:05:20 | 13・本・映画・演劇・音楽など
原作、新田次郎。

山に登る人で新田次郎の山岳小説を読破する人は多い。やはり、山の小説を書いた人の中では、一番おもしろいのじゃないかと思う。
その昔、大学時代山に登っていた頃、新田次郎の本を片っ端から読みあさった。

新田次郎・原作で、「劔岳」ときたら、その映画は見に行かなくてはならない。

というわけで、先週見に行ってきた。

日本地図完成のために、唯一の空白地点、未踏の剣岳登頂に挑む陸軍参謀本部測量隊の男達の物語。




日本山岳会の人たちと登頂競争をしたり、嵐、滑落など、物語としておもしろくする要素は、いろいろ含まれているけれど、やはり引き込まれるのは、春、夏、秋、そして、雪の剣山と立山連峰の眺めである。

3年前に登った時には、よくこんなところに、鉄筋を打ったり、クサリをかけられると思ったものである。そのおかげで、私などでも、剣岳山頂に立つことができた。
けれど、誰も人が入る以前の測量隊は、全て自分たちで道を切り開かなくてはならない。優れた登攀用具などもまだなかった時代。しかも、ただの遊びではないので、重い機材なども荷揚げしなくてはならない。

この映画の中で一番興味を持った人は誰かというと、香川さん演じた長次郎だ。剣岳にも長次郎谷という名がついている所があるが、この時代、山案内人はまさしくプロ中のプロであり、その人たちのおかげで、険しい山にたくさんの登坂ルートが拓かれたのだろう。

これからいろんな山に登るたびに、測量隊が山頂に打ち込んだ三角点を見てこなくては、と思う。


写真は、3年前に登った時の、剣山、カニのたてばい。(一般ルートではこのあたりが一番大変なところ)

 


21 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
かに (久我山散人)
2009-07-01 08:20:03
有名なのはカニの横ばい?、縦ばいと横ばいの位置関係を教えてください。横ばいは違うルートなの?
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散人さんへ (紅蓮)
2009-07-01 08:42:48
剣岳の山頂付近は、かなり急峻は岩場なのです。映画でも、そこを越えるのができずに、何回も撤退します。
そこで、登る人と下る人がすれちがおうとするとどちらかが待つことになって渋滞してしまうので、上り、下りの一方通行になっています。
カニのたてばいは上りのルート、横ばいは下りのルートです。これが、うまくできているんだよね。そして、横ばいの方がコワイ。
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小説は読んでますよ (真蘭)
2009-07-01 11:00:58
夫が新田次郎のファンで、この本読んでごらんと
勧められました。

時間が取れたら、映画観に行きたいわ。
何しろ役所広司の大ファンです。

相変わらずお忙しいのに色々活動し提案すね。
何時もブログは拝見しま。

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何、書いているんだか! (真蘭)
2009-07-01 11:03:14
色々活動し提案すね。← 色々活動してますね。
オッチョコチョイで(汗)
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真蘭さんへ (紅蓮)
2009-07-01 11:14:06
コメントありがとう。
ご主人新田次郎の小説が好きですか。私も一時はまりきってしまいました。たくさん読み過ぎて、もう内容は覚えていなかったのだけど。(苦笑)

私は、香川さん演じた長次郎に興味がわきましたね。当時山案内人というのは、かなり力があって、そのため剣岳にも長次郎谷という、案内人の名前が残っているくらいです。こういう大きな事業は、そういう地元の案内人の力なくしては成し遂げられなかったのでしょう。
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私も~ (マサ)
2009-07-01 15:52:35
紅蓮さん、私も昨日観てきましたよ~♪
私は、映像の美しさに感動するばかりでしたが(CGは一切使ってないそう)、まぁなんと、実際に剱岳に登ったことのある紅蓮さんは、私とは見方もずいぶん違ったことでしょう。

役所広司の妻役でチラッと出てきた人は、新田次郎家の嫁(藤原正彦氏の奥さま)とか。記念出演でしょうか。

映画館をでたあと、所用があってバスに乗ったんですが、後ろにかなりご年配のご夫婦(たぶん)がいて、「剱岳」のことを話していました。やはり、映画帰りだったんでしょうね。
「児島烏水の息子と、昔山に登ったことがあってね」とか。
私の耳は、ダンボになっていました(苦笑)
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マサさんへ (紅蓮)
2009-07-01 17:32:19
病気になる前に登っておいてよかった。と今でも思っているのが剣岳です。鎖などついていても、なかなか登るのは大変なルートでした。
それなので、この映画だけは、なんとしても見に行かなくちゃと思ってました。
山の映像は美しく、立山連峰にいったことのある人はそれだけでも楽しめそうな映画です。

知らなかったなあ。新田次郎のご子息の奥様が出ていらしたのね。顔が思い出せない。(苦笑)

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映画 (さと)
2009-07-01 17:49:15
全然行けないんだけどこの映画は撮影中から是非見たいと思ったのよ。
紅蓮さん早いね!
マサさんもだけど(笑)
映像が綺麗だそうですね、それに私も香川さんファン。
この頃凄くいい味だしてるでしょう。
やはり蛙の子は蛙ね、新田次郎さんのご子息も有名人だしね。奥様も忘れずに見なきゃ~雑誌で拝見したことあります。

明日の休みに行ってこようかなぁ~
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さとさんへ (紅蓮)
2009-07-01 18:04:50
測量の年は、4月から山に入るので、雪の立山連峰が堪能できます。そして、見ながらついつい思っちゃうのは、あ~ここはテレマークで滑れそう!(笑)
2年の歳月をかけたというけれど、やはり、山は天候に左右されるので、撮影は時間もかかったし大変だったでしょうと思いました。

私は見に行ってよかったけど、中には、山のシーン長すぎたという人も・・(笑)

 
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登山話 (久我山散人)
2009-07-01 21:32:23
宇治長次郎ってきっとマタギだったんだね。マタギは古来から、日本列島を平地に下らず、尾根をつたって縦断できる人々だった。旧称エベレストも、案内人たるテンジン・ノルゲイがいてからこそ、登頂可能だったわけで、登山の歴史はとっても古い。
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