ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

『悩む力』姜尚中 ~カタカナ言葉で悩ませる?~

2008-06-30 23:48:35 | 

現代において、主にせよ従にせよ物書きとして活動する人のなかで
「これは!」と思うのは
なだいなだ・土屋賢二・姜尚中(敬称略)。
このお三方は、私が敬愛してやまない知の巨頭だ。

なだいなだ・土屋賢二のお二方に関しては
おそらく出版された本はほとんど持っており、持っている本は全て読んでいる。
手元にないものは、ネット=オークションでコツコツと入手している有様だ。
お二方に傾倒するあまり、いったいどんな人物なのかこの目で確かめたくて
シンポジウムなどに出かけていったこともある。
物好きもここまで来れば、見上げたもんだよ屋根屋の褌である。

姜尚中は、共著も含め5、6冊しか読んでおらず
何にそんなに惹きつけるものがあるのか確たる自信はないが
今のままでは立ち行かなくなった社会や制度、果ては思考まで
「原点に立ち返って」などというある意味懐古趣味に走らず
一種破壊的な方法で切り開こうとするのが感じられるからかもしれない。

さて、「著者初の生き方本」などというコピーが書かれたオビは胡散臭いが
ただひたすら不器用なまでに真面目に生きてきた者にとっては
かなり共感度の高い内容になっている。
また、夏目漱石(彼は過去における知の巨頭だ)論としても十分に読み応えがあり
ぴすけなどは、また漱石を読み直してみようかなどと思うに至った。

ただな~。
どうして姜尚中はカタカナ言葉がお好きなんだろう。
そこだけは許せないところなのだ。
深遠な問題を平易な言葉で書くなだいなだ。
絡んだ糸を解きほぐすように、難解な問題を言葉によって解き明かす土屋賢二。
このお二方と比べると、姜尚中の著述は
難解なものは難解なままどころか、わざわざわかりにくくしていると思う。
この本だけでなく、他の本でもカタカナ言葉の羅列だし
「まあ、そんなこと、現代に生きる僕の本を読む教養のある人ならわかるはず」
という、ある意味相当な嫌味にも取れてしまう。
ルサンチマンにエートスにレイトカマーに…
ああ、もう、悩んじゃうじゃないか!



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
その内 (にこ)
2008-07-02 18:58:58
きっとその内トゥギャザーしようぜとか言い出すんだぜ…
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土屋賢二ならともかく (ぴすけ)
2008-07-02 22:25:30
姜尚中は藪からスティックにそんなことは言わないな。
ハハ…。土屋賢二に失礼だな。
あなたは紅茶を右手で混ぜますか?左手で混ぜますか?
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