ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

荻野寿美子『タバコに奪われた命 父の「闘病MEMO」に寄せて』

2014-02-25 19:02:59 | 

今から4年前、私は父を亡くした。
父は、朗らかで豪快な山男だったが
長年の喫煙が祟って、特発性間質性肺炎と肺気腫を発症し
6年間の闘病生活を経て、急性増悪(病状が急激に悪化すること)で入院。
約2か月の入院生活ののち、気胸を発症してあっという間に帰らぬ人になってしまった。
その父が、入院中に書き残した『闘病MEMO』と題した日記は
壮絶ななかにもユーモア溢れる、父そのものといった文章で
遺された私たち家族にとってかけがえのない遺品となった。


父の死後1年が経ち、私は本ブログでも御紹介した生島壮一郎著『肺が危ない!』に出合う。
「もうこの本を読んでも何も変わらない。」と思いつつも手に取り
帯に書かれた文章を読んで迷わず購入し、一気に読んだ。
その時、父が遺した『闘病MEMO』を、父の遺品の一つにしておくのではなく
遺された家族の視点を加えた作品にして、形にしようと考えた。
喫煙者を家族に持ったゆえの悲しみ
喫煙者であった父が自分の喫煙行為に対して抱いた無念と悔恨
苦しむのは、喫煙者本人だけではないと知ってほしい
タバコを吸う人も吸わない人も、自分の身に置き換えて考えてもらうきっかけになるのではないか
そう考えたのである。
父の最期は壮絶だった。
そして、なす術もなく、ただそれを見守るしかない私たち家族と同じようなつらく悲しい状況を
他の誰にも味わってほしくない一心で、ひたすら筆を走らせた。
愛する人を悲しませない方法は、一刻も早くタバコを断つことである。


決意してから3年、私は自分の身にパニック障害を抱えることになり、現在も療養中であるし
昨年は4月から11月まで、山小屋の小屋番として福島に赴任するなど
遅々として進捗しない時期もあったが、父の命日である2月15日に本書を刊行することができた。
本来なら、今月23日の発売を予定していたが
印刷所が長野県松本市であったことから、14日の大雪でアクシデントに見舞われ
配本などが間に合わず、延期となった。
いまのところ、3月10日ごろに大手書店・ネット書店で発売予定だが
ネット書店の場合、掲載に数日を要する場合もあることをあらかじめお断りしておく。
3月9日の朝日新聞読書欄に広告を掲載予定。
現在は、本書を取り扱ってもらえるよう、埼玉県内の書店を営業中だが
電話でのやり取り中にパニック発作が起きそうになったりして、四苦八苦
どうも、押しが弱い・腰が引けている・熱意を感じさせない、という
気弱な性格が三拍子そろってしまっているから、営業には不向きなのだろう。
ま、体調と相談しながら、気長に(これ得意)やるとするか…。

本書の内容に関しては、ブログ「喫煙を考えるでどうぞ。



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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
了解です こちらに書きます (マー)
2014-03-27 18:38:31
そういえば、2種類ブログ拝見してました。
どちらに、コメント書くかは、迷っては、
いました。 
返信する
お気軽に (ぴすけ)
2014-03-27 23:34:14
マーさん、こちらのブログでしたら、コメントしやすいかと思います。
これからもよろしく。
返信する
ぴすけさんに質問です (マー)
2014-03-28 01:25:02
ぴすけさんとは?=寿美子さんですか?
返信する
そうですよ (ぴすけ)
2014-03-28 09:24:36
マーさん、おっしゃるとおりです。
心配でした?
こちらのブログを先に立ち上げていて、本の出版を機に、「喫煙を考える」を作りました。
返信する
確かに心配でした (マー)
2014-03-29 23:58:22
名前が違っていたので…。
パニックについて、特に詳しく書く予定は、
ありませんでした。確かブログって、
全国の人が、見ますよね(汗) 
返信する
来ました (マー)
2014-04-11 10:35:48
寿美子さんの本が、
うちの図書館に本、入りました。
これで売上に貢献できたかなと、
思いました。
(汚れた話になって、しまいました。)
私のリクエストが他の方も読むきっかけ
になると嬉しいです。
そして、
一刻も早い無煙社会になることを
望みます。
期待しすぎかな~
、高望みな私です(笑)
返信する
私も望んでいます (ぴすけ)
2014-04-13 22:45:34
マーさん、私も無煙社会を望んでいます。
少なくとも、タバコの煙に曝されたくない人が、不本意ながら被曝することがない環境を作っていこうと思っています。
高望み、良いじゃありませんか!
理想は高く掲げましょうよ。
返信する
お父さんは何本たばこを吸っていました? (マナーを守る喫煙者)
2017-01-29 01:52:31
>少なくとも、タバコの煙に曝されたくない人が、不本意ながら被曝することがない環境を作っていこうと思っています。

キチガイのような書き込みです。
被曝?福島の人たちを馬鹿にしていますか?広島の人たちを馬鹿にしていますか?私の母は福島出身です。父は広島出身です。
たばこの煙など3~5mさえ届かない代物です。有害???笑えます。
現在のオゾン層破壊の原因は何だと思います?CO2?
否、ジェット燃料ですよ。
地球上でジェット機の発着陸は軍・民合わせて1日50万回です。
それだけの気化燃料をオゾン層は受け止められません。報道では言えない事実です。

たばこが人間に害を与える?自分以外に?
またWHOのガセデータに縛られていますか?
WHOが副流煙喫煙に死亡者数を出していますが、そこには喫煙者との距離、風、回数などは一切ありません。
家族に喫煙者がいたか?だけです。
統計学を学んで、こんなのでデータを出したら落第です。だが、皆喜び勇んで妄信する。
異常嫌煙者が欲しがるデータですからね。

あなたの父君がなくなったのは1日何本たばこ吸っていたからですか?2本ですか?5本ですか?
30本ですか?
1日2本で死ぬ人がいたらお目にかかりたい。
だが、その1日2本を嗜好品として愉しもうとする人もいる。
何でも自分の尺度に合わせようとする、その思考は異常とは言えないでしょうか?
返信する
父の喫煙本数は1日40本です (ぴすけ)
2017-01-29 18:20:31
マナーを守る喫煙者さん、「被曝」とは、狭義には放射線に曝されることを指しますが、放射線に限らず化学物質に曝されることも「被曝」と言いますし、なぜ「被曝」という言葉を用いるだけで広島や福島の方々を馬鹿にしていることになってしまうのか、とても不思議です。

また、無風という理想状態下で、1人の喫煙者によるタバコ煙の到達範囲は直径14メートルの円周内とされています。
http://www.nosmoke55.jp/action/0603okugai.pdf

1日2本のタバコを嗜好品として愉しむ方がいらっしゃることについては、1日2本だろうと60本だろうと、自立した吸い方ができていれば受動喫煙の問題はなくなるわけですから、よろしいのではないでしょうか。
駄目だなんて、一言も書いていませんが。
父は自立した吸い方ができない人で、そのことで家族は苦しむことになったのです。
受動喫煙の害がWHOの「ガセデータ」かどうかは検証する必要があると思いますが、実際にタバコ煙に曝されることによって体調不良どころか、重篤な場合は命の危険に脅かされ、苦しんでいる方々がいる現実を放置することはできません。
返信する
荻野寿美子さんへ (和の宮チカコ)
2017-02-17 11:33:02
あなたをみつけました
流山からです
しのぶさんたちとこの間楽しい時
ありがとう🌹

タバコについて貴重な
ご報告ありがとう🌹
息子達に見せるよ
カカツヤクしていますネ
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