ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

高山から戦場ヶ原へ

2011-05-22 22:46:34 | 登山(両毛・常総)

【5月20日(金)】
滝上バス停→高山山頂→熊窪→栃窪→竜頭の滝→戦場ヶ原→泉門池→小田代橋
→光徳入口バス停




何日間か天気も安定していると読んで、狙いを定めて日光へ。
日光は、一昨年の春昨年の秋に歩いてその美しさを再認識し
季節を変えていろいろな所を歩いてみたいと思うようになった。
それだけではないのだが、身辺に起きたこのところのなんやかんやで
少々人間に嫌気が差し(またかよ)、山に入って山から力をもらいたかったというのもあった。
この日はダーリンが仕事のため、今年3度めの独り山歩きである。
最寄り駅5時29分発の電車に乗り、東武動物公園駅で東武日光線に乗り換え
栃木駅で接続列車に乗り継いで、8時37分に東武日光駅に到着。
騒がしい高校生が大挙して並んでいる日光湯元行きの、8時41分発のバスに乗り込んだ。
ほどなく、高校生達は高校の最寄りバス停で全員が降り、バスには10名ほどが乗るのみとなった。
約1時間ほどバスに揺られ、滝上バス停で下車。

このバス停は、ちょうど竜頭の滝の上部に当たる。
今しがたバスで来た道を少し戻り、竜頭山の家の手前にある標識に従い高山の登山道へ。

最初は明るいなだらかな道で、いたるところにスミレが咲いている。

高山へ続く尾根に上がる手前、少々傾斜がきつい場所には団体が停滞していた。
その団体は、ほぼ70歳以上、最高齢は80歳代と思われる団体で
私を見ると「ほらほら、若い人()を先に行かせてあげて」と、道を譲ってくれた。
この急傾斜の場所を越えると、木の間からまだ雪を被った白根山が見え、疲れがすっ飛ぶ。

尾根に上がれば、そこから先は快適な尾根歩きが続き、シャクナゲがつぼみを膨らませている。

高度が上がるにつれ、振り返れば中禅寺湖の水面が見えるようになる。

木の間からは、男体山が大きく青い姿で、神々しく聳えているのが見える。
その存在感は、日光の山々の中でも際立っている。
やはり神の山なのだ。

予定よりだいぶ早く登ってきてしまったため、紅茶を入れてパンを食べながら
ゆっくり休憩を入れることにした。

カラマツからは、かわいい新芽が次々と顔を出している。
「いや~、かわいいな~美しいな~」と思わず口を衝いて出てしまう
木の間越しの景色を眺めながらのんびりしていると、後から親子連れが登ってきて
「随分早いですね」と声を掛けられ、しばし歓談。
滝上の登山口から私が登り始めたのを見掛けたそうだ。
地元の方で、お嬢さんとお父さんでよく山を歩いているらしい。
思わず、私が父と山を歩いていた頃のことが脳裏をよぎった。
「こっちは(ツツジが)全然咲いていないね~。」
「あと1週間から10日遅くても良かったですかね。」
「今年はどこも春が遅いね。」
「明智平は良いと聞いていたので、半月山に行けば良かったかもしれませんね。」
「みんな同じことを考えるもんだね。今は袈裟丸が良いって。」
「来週も来ようかな…。」
などと話すうち、お父さんが持っていたバードコールに反応しコガラが集まってきた。
小鳥が集まってきたことに興味を持った私は、帰宅してからバードコールを買ったのだが
繁殖期から抱卵期にかけては、バードコールの使用は控えた方が良いとのことで
実際に使うのは8月に入ってからの山行以降となる予定だ。
竜頭の滝で待っていれば、駅まで車で送ってくれると言ってもらったのだが
この日は戦場ヶ原を横断する心積もりでいたため、その旨を述べて山頂を先に出発。

ツツジどころか、下山路にはまだヤマザクラが咲いている。

中禅寺湖が見えてくると、その先は熊窪だ。

熊窪の浜から、冠石・千手ヶ浜方面を眺める。
水の青、空の青、山の青、どこを眺めても美しい。

木の洞がまるで受け皿になっているかのように、スミレが納まっている。
中禅寺湖畔の遊歩道を、菖蒲ヶ浜を目指して歩く。

倒木の木肌とトウゴクミツバツツジの色合いが美しく、なんとかそれを写真に収めたいと思ったが
完全に力量不足

この入り江には、左手の岸壁にツツジがへばりつくように咲いており
1艘のカヌーが泊められていた。
カヌーでツツジが咲く岸壁を湖面から見上げたら、さぞかし美しいだろうな。

ちょうどその岸壁の辺りか、登山道にはヤシオツツジの花びらが。

この辺りになると、アカヤシオとトウゴクミツバツツジが随分咲いている。
花と景色を愛でながら歩けば、あっという間に菖蒲ヶ浜に着いてしまう。
日光プリンスホテルの脇を通りバス道に出ると、すぐ目の前が竜頭の滝である。

竜頭の滝でも、咲いているのはツツジではなくヤマザクラ。

この時既に12時を過ぎていたのだが、戦場ヶ原でお昼を食べたかったため、そのまま歩く。

朝降りた滝上バス停を過ぎて、戦場ヶ原への道を鹿避けゲートを通って入る。

湯川沿いの道。
この風景、まだ春が浅いのと私の写真の力量不足でそうは見えないかもしれないが
どこかで見かけた方もいらっしゃるのではないだろうか。

それが、これ
JR東日本が日光の宣伝用に、駅などで掲示しているポスターだ。
「NIKKO is NIPPON 日本の光。日光」
すごい持ち上げようだ。
だが、不思議なことにポスター右上部には…

はあ
日本に初めて英国式のフライフィッシングが持ち込まれたのがこの地だと言いたいようだが
それが言いたくて「ここにイングランドの夏がありました。」はないだろう。
日光は日本の光ではなかったのか
なのに日光にあるのが「イングランドの夏」だとは、何を褒め称えているのか私は理解に苦しむ。
おっと、横道にそれたようだ

時刻は既に13時近くになり、戦場ヶ原に入ってからお昼を食べようと決めていたため
男体山・大真名子山・小真名子山が眺められるベンチで、おにぎりと味噌汁をほおばる。
相変わらず戦場ヶ原は小学生が多い。
ガイドがついてクラス単位で行動している学校もあれば、半ば野放し状態の学校もある。
この日は、小学生も多かったが、60歳代と思われる夫婦もたくさん歩いていた。
だが、ほとんどの夫婦は何が楽しいのか不思議に見えるほど没交渉で
たいていはカメラを提げた夫が仏頂面でズンズン歩いて、後から妻がトボトボと付いてくる。
せっかく山を歩きに来て、自然のなかにいるのだから、もっと景色や植物の話をしたら良いのに。
楽しそうに歩いているのは、夫婦にプラスアルファの人がいる場合で
そういう人達は山の話ではなく、いわゆる巷の話で盛り上がっている。
せっかくここまで来て、天気も良くて景色も素晴らしいのに、もったいないな

泉門池を過ぎ小田代橋を渡ると分岐があり、道標に従い光徳に向かう。

戦場ヶ原が見渡せる誰もいない木道。
人っ子一人いない、静かでゆったりした時間が流れる。

草原化しつつある戦場ヶ原も、光徳に近くなると林に移行しつつある状態だ。

林に入ると、鉄分で赤く染まった川が現れる。

自動車の音が聞こえてくるとバス道路はすぐで、光徳入口バス停は横断歩道を渡った先にある。
予定より早く歩いたことで、1本早いバスに乗車。
帰りは、いろは坂で案の定酔ってしまい、フラフラになりながらもなんとか帰宅。


やっぱり、人間不信になったら、山に入るのがいちばん



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2 コメント

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いいなぁ・・・ (雨あがり)
2011-05-25 05:51:26
夏ですよねぇ。
山の季節ですよねぇ。
こちとら手首固定中で、握力もまだ半分以下で、自粛中。
トホホ。
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いいでしょ~(*^^)v (ぴすけ)
2011-05-25 09:04:36
雨あがりさん、早く山歩きが出来るようになるといいですね。
私も、金峰山で尻餅をついて尾骨を損傷した時(その時は秋でした)、山に行きたくて仕方がありませんでした。
お気持ち、お察しします(と言いながら、「いいでしょ〜(*^^)v」と返すイヤな奴)。

手を労わるのは言うまでもありませんが、それに並行して脚力まで下降線では、困りますものね。
雨あがりさんなら、ご近所を歩かれていらっしゃるかな?
脚力を維持して来たるべき日を迎えられ、「山と温泉」に新しい山の記事が載ることを、楽しみにしていますよ。

実は…、今日を逃したら暫く晴れはないということでしたので、古峰ヶ原から細尾まで歩いてみようと思っていたのですが、あまりにもフラフラ歩きすぎるかと自粛しました(って、違う〜

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