正月休みにダーリンと、“MERU”[メルー]を観に行った。
我々はこれまで何作かの山岳映画を観てきたが、山岳映画とはあまり相性がよろしくない
フィクション・ノンフィクションにかかわらず、鑑賞後に後味の悪さしか残らないことが多いのだ。
悲惨な遭難を題材にしたものが多いということもあるかもしれないが
それより多くの登山者のあくなき登攀意欲…というと聞こえが良いが
他者の命を危険に曝したり陥れたりすることも憚らなかったり
金にものを言わせてのしたい放題、エゴむき出しの姿に、どうもついていけないのである。
2016年12月31日公開の“MERU”は
我々が好意を持っている登山家・山野井泰史・山野井妙子夫妻が大変評価していると聞き
それなら観に行ってみるか、ということになったのだった。
舞台はインド北部のヒマラヤ山脈メルー中央峰に聳える岩壁・シャークスフィン。
メルー中央峰は2000年代初めに登頂されているものの
シャークスフィンのダイレクトルートは難攻不落と言われ、一人の成功者も出していなかった。
2008年10月、コンラッド=アンカー、ジミー=チン、レナン=オズタークの3人は
シャークスフィンのダイレクトルートに挑むが、猛烈な吹雪に足止めされ
20日間に及ぶ氷点下でのサバイバルを強いられた結果
山頂までわずか100メートルのところで撤退を余儀なくされた。
3人は敗北感にまみれて、二度とメルーには挑まないと誓って普段の生活へと戻るが
それぞれが肉体的・精神的な苦難に見舞われてしまう。
しかし、3人の心の中は、二度と挑まないと決めたメルーへの思いに溢れていた。
2011年9月、3人はシャークスフィンのダイレクトルートに再挑戦することになった。
しかし、レナンは撮影での事故によって頸椎を損傷し、脳の半分の血流が失われている状態で
周囲の反対を押し切っての再挑戦であり、前回以上に過酷な登攀となる…、という内容である。
映像も息をのむほど美しく、3人の人間性や家族のことについても描かれ、胸を打つ場面が多い。
パンフレットで登山家の今井美智子氏が「突っ込み所」として挙げている
吊り下げ式テントで休んでいるすぐ脇で、かなり大規模な雪崩が起きているにもかかわらず
誰一人としてシュラフ(寝袋)から出ないことや
登頂直前の取り付き方がちょっと格好悪いことは、ぴすけも「こんなのでいいの?」とは感じたが
ぴすけのいちばんの突っ込み所はタバコのシーンであった。
2008年の山頂直下100メートルで撤退を余儀なくされた時
ジミーが撤退の理由の一つに「タバコももうないし(切れちゃったし、かもしれない)」と言うのである。
エエーッタバコですかぁ~
タバコは、ないよな~
装備を担いで行くのに、たとえ1gでも軽量化するための工夫を登山家はしているんじゃないのか?
そのへんの低山を登るダーリンでさえ、「このバーナーだと25g軽くなる」だとか
「チタン製のカップにすれば、もっと速く登れる」などと薀蓄を垂れて
単に新しい装備にしたいだけかもしれないが、軽量化には余念がないぞ
この時の3人の装備は一人80kg以上なのに、なのに…
タバコを持って行くんかいっ
この時ぴすけは、これはジミーのジョークだと、必死で思い込もうとした。
苦笑いしながら、最後の一言に皮肉たっぷりに、大袈裟な理由ではないジョークを言ったのだ、と。
ところが、その願望はあっけなく打ち砕かれた
2011年の再挑戦の際、登頂を目前にした真っ暗な吊り下げ式テントの中で
誰かがタバコを吸っている映像が映し出されたのだ。
エエーッあれはジョークじゃなかったんかいっ
ここでぴすけの頭の中は、タバコのことで埋め尽くされた
映画を観ていても、心ここにあらず、である。
3人のうちの誰がタバコを吸っていたのかは、映像が暗くてわからなかったが
レナンは脳の半分の血流が失われている状態で、この時脳梗塞が疑われるような症状も出ていた。
平地にいても、タバコは血管を収縮させるし、脳梗塞の危険因子でもあるのに
酸素が薄い高地にいて、脳の半分の血流が失われているパートナーを前に、タバコを吸うって、何?
いや、暗くてよくわからなかったから、もしかしたらタバコを吸っていたのはレナンという可能性もある。
「タバコと酒で死ねるなら本望だ」という父の言いぐさではないが
喫煙者は命と引き換えにしてもタバコを吸いたいんだろうな。
喫煙者はそれでいいかもしれない。
でも、周りを巻き込んじゃいかんよ。
いやいや、生死を共にする覚悟で挑んでいる登攀だから
タバコに生命を脅かされることもすべて了解してこそのパートナーだよな。
それにしても、命と引き換えにまでするってことは、難攻不落の絶壁とタバコは同等の価値ってこと?
あー、もうわからん。
…、てなことで、息をのむほど美しい映像も、3人のこれまでの軌跡もどこかに行ってしまい
ぴすけは、タバコのことで頭がいっぱいになってしまった映画だった。
残念
タバコのシーンがとても残念。
狭いテントの中でタバコとは、しかも身体機能のハンディを抱えてまでも挑戦しているパートナーがいるにもかかわらずタバコとは、がっかりしました。
タバコの害や影響について、みんな知らないのでしょうか。
無関心なのでしょうか。
それとも、あまりの重大さに、全世界を挙げて巧妙に隠されているのでしょうか。
飲食店での禁煙が進むことを私も強く望んでいます。
食べたい物があっても、お店が喫煙可能な店だと入れません。
喫煙室があっても、結局分煙はどこかから煙が漏れるし、喫煙室でタバコを吸ってきた人自体が猛烈にタバコ臭いので、意味がありませんよね。
タバコに関わらないですむ日がない。
カラオケでは、タバコの映像流れるものを
歌う始末だし、歌詞に入っていようがお構い無しに歌う人びとが数人。
私が好きな歌には、タバコなんて関係ないのに、喫煙映像が流れるので、選曲するのは、
やめた。歌っていても気分悪くなるだけだ。
そして、他のプログラムでタバコ臭い人に
鉢合わせ。
CSになってから、タバコと香り柔軟剤・洗濯剤のオンパレードで残念に思う。
せっかくのひろばなのに…。
呆れてしまう。
タバコを見せない、
吸わせない(他人へ残留を)
臭わせない、
言わない(タバコに関する肯定のことを)
が希望である。
日本は、タバコ汚染度が高い。
名物がタバコと勘違いされてしまう…。
CSとは、化学物質過敏症のことですよね。
多くの方にはCSといってもピンとこないと思うので、略したりアルファベットを使わずに書いた方が、いろいろな方にその存在をわかってもらえると思いますよ。
化学物質過敏症のことは、なかなか理解されずに困っていらっしゃることでしょう。
でも、誰しもがある日化学物質過敏症になる可能性があるわけですから、もっと理解が進んでほしいですよね。