ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

『メッセージ』 ~スタートレックはすごい!~

2017-07-26 23:56:38 | 映画

ドゥニ=ビルヌーブ監督『メッセージ』を観た。
猛烈に忙しかった最中だったようで、珍しく手帳にも記入していない。
いつ観たのか、思い出そうにも思い出せず、鑑賞した日付けは忘却の彼方に…
この『メッセージ』、知ったのはドゥニ=ビルヌーブのインタビューを聞いたからだ。
彼は幼い頃、世界の為政者たちは英知と勇気で世界を治めていると思っていたそうだ。
ところが、長じるにつれ、実際はそうではないことに気づいた。
世界の為政者たちは、保身や自己顕示欲、エゴや欲望など
自己愛を満たすために権力の頂点にしがみついているのだとわかったそうだ。
彼のインタビューを聞いて、彼の作品を観てみたくなったのだ。


あらすじは…
湖畔の家に独りで住むルイーズは言語学者で、時折娘のハンナとの日常が脳裏をよぎる。
しかし、ハンナは今はいないようだ。
ある日、地球のさまざまな場所に巨大な球体型宇宙船らしき物体が出現する。
対応は各国で異なり、互いに協力し合って解決しようという気運は高まらない。
そんななか、ルイーズは政府から協力を要請され
宇宙船内にいる謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために
物理学者のイアンらとともに、試行錯誤しながら生命体との距離を縮めていく。
生命体との意思疎通ができるようになるうちに、ルイーズは自分の時間が
これまでのものとは異なる言葉を獲得したことによって変化していることに気づく。
その謎を知ったルイーズは、核攻撃を実行しようとする中国を阻止するため
イアンの協力を得て、思い切った行動に出るが…
というもの。


私は頭が悪いのだろう。
映画を観た時、どこが時間の起点なのかが理解できず
現在進行中の出来事がどれで、描かれている出来事が未来のことなのか過去のことなのか
いまひとつわからなかったのだ。
原作であるテッド=チャンの短編小説『あなたの人生の物語』も読んだ。
原作を読み、映画は原作に忠実というわけではないことと
時間の概念についてはなんとなく理解したものの、頭が悪いから腑に落ちないのだ。
原作自体も「なんだかな~」。
映画のパンフレットをよく読むと、謎の知的生命体の言語を理解することによって
ルイーズの概念が変化して生命体と同じ時間軸を感得できるようになり
自分の未来と運命を予知夢のような形で見るようになった
と、書いてあった。
つまりは、予知夢で見た自分の未来に、どんなにつらく悲しいことがあるとわかっていても
それを恐れずに受け入れ、歩んでいく女性の物語であるともいえる。


うーん。
インタビューを聞いただけで、ドゥニ=ヴィルヌーヴを少々高く評価しすぎたようだ。
監督だけでなく、脚本も良くないのだろう。
『メッセージ』は邦題だそうだが、この作品では『メッセージ』は届いてこない。
こういうSF作品を観ると、いつも思うのはスタートレックはすごいということだ。
とくに、新スタートレックと呼ばれるスタートレック=ザ=ネクストジェネレーションは傑作。
この作品の影響で、私は21世紀の現在でも、24世紀を生きているつもりになっている。
2時間の映画で、宇宙生命体との異言語コミュニケーションと時間概念の変化を描くのと
7シーズン、全178話で描く世界では、質量において圧倒的な差があるが
スタートレックの世界観でこの作品が描かれたとしたら
おそらく『メッセージ』がきちんと伝わる作品になっただろう。


あ~、スタートレックはすごい
スタートレックが見たい~~~



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