当初の記事のタイトルは、『私の好きな人』だった。
私の好きな人…、それは…、ダーリンではなく…(ごめんよ~)
顔無し写真のこの方です
ということで、それではあまりにもお粗末で申し訳ないので
現在上映中の映画『のぼうの城』と絡めて書くことにした。
とは言っても、好きなのは「のぼう様」こと成田長親ではなく、演じている野村萬斎なのだ。
「嫌い」は多くても「好き」が少ない私が、「好き」と公言して憚らないことを考えれば
今から断っておくが、収拾がつかなくなるほどハチャメチャな内容になってしまう可能性がある。
その点は、あらかじめお断りしておく
「ダーリン」で呆れた御仁も、さらに呆れることになるのではないかもと懸念される。
そのくらい、野村萬斎が好きだ
いや、野村萬斎の芸が好きだ
ここで「いや」と否定したはの、野村萬斎の私的事柄が好きなのだと
誤解されるおそれがあるためである。
「私的事柄」の範疇がどれほどかということは、諸説あると思う。
だが、それらの代表格と言ってもいい、「どこに住んでいるか」とか「子供はいるのか」とか
「好きな食べ物は何か」とか「趣味は何か」とか「年収はいくらか」とかなどに関する事柄は
私にとってどうでもいいことだ。
私的事柄でも、「佇まいが美しい」とか「所作が美しい」とか「気品がある」とか
「その人とわかる特徴的な声」とか「声が通る」とか「中性的である」とか
「滑稽味と鋭さの共存」とか「軽やかさ」となどに魅かれるのだ。
とは言いながら…
こんな本や(若い…)
こんな本(鋭い、ですな)
こんな本も(見るだけで、なぜか滑稽)
そしてこんな本まで持っていて、次なる本も注文してしまった。
よほど、好きなのだろう(他人事みたいだが、そんな感じで今まで来た)。
野村萬斎は、1994年のNHK大河ドラマ『花の乱』で細川勝元を演じ
山名宗全を演じた萬屋錦之介をも圧倒する、存在感ある演技を見せた。
その時、この人のこの演技の源は、どこにあるのだろうと興味をもち
狂言を観に行くようになったのだ。
それまでの私の贔屓は、歌舞伎の片岡仁左衛門(片岡孝夫)だった。
私のなかで仁左衛門は、萬斎の持ち味と重なる部分がある役者だと思っている。
よくよく考えてみれば、私は、若い時から日本の古典芸能に携わる人に興味を持つ傾向がある。
Jポップや、「芸人」などと呼ぶにはもったいないようなお笑い芸“NO”人には興味がない。
幼稚園の時に和泉流の狂言(和泉元彌の父君・和泉元秀が太郎冠者であった)を観たことがあり
狂言は、下手なお笑い芸“NO”人のコントなどより笑えて
しかも、観終った後に、なぜか幸せな気持ちになるということを知った。
歌舞伎も、大学生の時には安いチケットを買って、よく観に行ったものだが
そうはいっても、古典芸能に入れあげるほどの財力もないので
歌舞伎や狂言や落語や寄席で掛けられている芸事をテレビで観たり(正月は大好き)
今となっては、たま~~~~~に観に行くくらいが関の山だ。
古典芸能の面白いところは、同じ筋書き、同じセリフを演じても
役者や芸人によって全く違うもののようになるところだ。
先ほども書いたが、萬斎の持ち味は、「滑稽さと鋭さの共存」であると私は考えている。
父の野村万作には出せない滑稽さと鋭さが、萬斎にはあり
萬斎には出せない静寂と苦渋が、万作にはあるのだ。
そこで、同じ筋書き、同じセリフ、何一つ変わらない能舞台で演じても
役者の持ち味によって、全く違うもののようになるのだ。
もちろん、年齢を重ねるごとに持ち味は変化していくが
根っこの部分は奥底に持ち続けるのである。
その、持ち味が、かえって役を演じるにあたって邪魔になることもあるだろう。
だが、そうした持ち味のない役者が演じるものの、味気なさといったらない。
『のぼうの城』の「のぼう様」を演じることができるのは
野村萬斎しかいないといっても過言ではない。
彼の持ち味である「滑稽さと鋭さ」を生かしつつ、劇中で「芸」も存分に披露している。
ぜひ皆さんにも映画館に足を運んで、彼の「芸」を堪能してもらいたいと思う。
それから…、『のぼうの城』を観るまでは、上地雄輔の石田三成はミスキャストだと思っていた。
ところがどっこい!
野村萬斎の「のぼう様」と張り合うだけの演技力で意表を突き、これがなかなかいいのだ。
上地雄輔、ちょっと見直した
このブログにしばしば登場するぽぴさんも、お嬢さんと『のぼうの城』を観た直後に
「いや~、おもしろかった、おもしろかった
これはあの人(野村萬斎)にしかやれない。もういっかい観てもいいわ~」
というメールをよこした。
では、私も、二度目の観賞に、いざ!出発!
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なんでかというと、上記メールを送ってしばし、この熱狂的ファンから、レスがなかった。すなわち、メールでは書ききれぬ作をしたためているのであろうと拝察いたし申した。しからば、貴殿の筆力もってすれば、いかな慎重に寝かし推敲したとしても遅くて3日を越えることはあるまいと読み申した。そして本日がその3日目、必ずやと訪れてみるに、やはりかような大作。。
いやあ、本当によかった、三成もよかったよね!私も驚きの花丸つけた!
ちなみに私の母も萬斎が大好きで、貴女と同じタイミングで大河から見はじめ、我が長女の子守にはいつも「日本語であそぼう」の「ややこしや~~っ、ややこしや~」で育ててました。
その母にも「見た?」とメールしたら即レスで「勿論!!のぼうはまんさい以外考えられないわね。」このレス、ものすごく速かった、しかも感想第一声が母娘まるかぶりで笑った(~_~)
俄かの体調不良により、三日ばかり臥せっており申した。
お返事、遅れて申し訳ござりませぬ。
高熱のためか、何故かこのような口調になっておる次第、御勘弁くださりませ。
我が娘も、タロー様とまったくもって意見を同じうしておりまする。特に、特撮部分にCGを極力排し、ミニチュアもしくはセットで撮影したことも、良かったのではないかと思いまする。樋口真嗣監督の腕というか「芸」、お見事!
>ぽぴ様
『のぼうの城』を観て帰り、そのままあれよあれよと体調が悪化、三日間高熱と全身の痛みに襲われており申した。
むむむ…、のぼうに肩入れしすぎたからか、豊臣方の間者に毒を盛られたかのいずれかでござろう。
「のぼう」は萬斎にしかできぬとは、御意なれど、我が母は、ぬけぬけとこう申した。
「でも、やっぱり萬斎さんは、狂言をしている時がいちばんいいわ~。オホホホホホ。」
この言葉、本質を突くものなり。
私も狂言の舞台に立つ萬斎様がいちばん!と、思う次第にござりまする。