道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

すもももももも

2006-07-20 23:35:58 | 旬事
今日は7月20日、10年ほど前に「海の日」として休日となったが、
「ハッピーマンデー法」で海の日が月曜日になったため、
現在では平日に戻ってしまった。

さて、国民の休日ではなくなったが、府中市民にとっては、
7月20日は今でも祭日である。
なぜなら、毎年この日に、大國魂神社で「すもも祭り」が開かれるからである。

すもも祭りは、海の日はおろか、その前身となった海の記念日の制定よりもはるかに昔、
時は平安、奥州の動乱を鎮めて帰還する源頼義・義家が武蔵国府(すなわち府中)に立ち寄り、
大國魂神社に戦勝御礼詣でをしてスモモを献じたのが始まりという。
以来、この日には境内にスモモ売りが集まり、大いに賑わっている。

また、スモモ以上に名物であるのが、「からす団扇」である。
真っ黒な団扇に鴉の絵が描かれたこの団扇は、
扇げば農作物の害虫は駆除され、玄関先に飾れば魔を祓いその家に幸福が訪れるとされる。

思うに、この祭りは源頼義・義家父子の奉納が起源なのではなく、
もともとは、稲が実る直前の時期の、病害虫の厄を祓い豊作を祈る行事だったのではないだろうか。
鳥扇で虫害を除くという故事はかなり前の文献に見られるものであり、
農業を中心とした古代の民俗習慣から考えてもごく自然なものである。
先に虫祓いの行事と鳥扇の習慣があって、
そこにこの時期に実るスモモが付加されたのであろう。
源義家の逸話は史実かどうかは分からないが、桃やスモモは古代では破邪の意味があり、
鳥扇の虫祓いと重なる点で、できすぎた話であり、
後世の仮託である可能性もあるだろう。


さて、今年は7月20日は平日昼間であったが、私は幸い授業はなかったので、
バイトを済ませてから、すもも祭りに立ち寄った。

平日の割にはまあまあ賑わっていたが、ただ、感想を一言言えば、
「普通の縁日」である。
以前は、すもも売りが軒を連ねていたものだったが、今年は、いつもより少ない。
数えるほどしかない。
そして、あとはどこの縁日でもあるような屋台が並ぶばかりである。

「どこの縁日でもあるような屋台」といったが、
近年は、餡餅やサーロイン串焼き、ドライフルーツ売りなど、
従来なかった新しい屋台が増えてきているので、それなりに楽しめる。
しかし、逸話が史実かどうかはともあれ、「すもも祭り」と号するからには、
もうちょっとスモモ売りがいても良かったのではないかな、と思った。


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