道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

外国人参政権

2010-01-15 17:53:03 | 政事
古典的な法理としては、基本的人権と市民権を分けて考え、
参政権は明らかに後者に属する。
基本的人権は国籍に関わらず全ての人間に保障しなければならないが、
市民権については、どの人間を社会の責任ある構成員として認めるか、議論が必要となる。
(もっとも、私自身は自然権思想には懐疑的である。)

ここで、
「在日の人たちは戦時中に云々」とか「人種差別が云々」とかいう文脈で「だから選挙権を認めるべきだ」と論じるのは、
全く別の話だと思う。

しかし、日本できちんとした職業を持って、しっかり税金を払っている外国人を「社会の責任ある構成員」として認めるかどうかとなると、
有意義な議論なのではないかと思う。
少子高齢化による労働人口の減少に伴い、外国人労働者は今後更に増加する。(個人的意見だが、「産めよ増やせよ」で自然増加を図るよりも、既に外国で成人まで育ってくれた人間を引き抜く方が、社会的コストは低く済むし、地球資源の問題としても合理的だと思う。)
その善悪はともかくとして、彼らが社会に於いてウェイトを増していくのは現実に不可避なのであり、
その彼らをどうポジション付けるのかは大きな問題であろう。
塩野史観に拠れば、古のローマはこれで成功して巨大帝国を築き、これで失敗して衰退したという。

一つの考え方としては、「代表無くして課税無し」である。
税金をしっかり納めているのだから、その用途決定について一定の権利を持つべきだ、という考え方。

しかし、一方で、所謂「外国人」のどれだけの人間が長期的な視点で責任を持った行動を取れるかどうか、という問題はある。

もっとも、我々「日本人」自身も、責任感という点ではかなり不安。

--------------------------------------------

ところで、日本にいる外国人で多数を占めるのは、
韓国人・在日朝鮮人、中国人、日系中南米人、の三者だったと思う。
私の身の回りに、日系ブラジル人等の知り合いは皆無で、
韓国人の知り合いも10人いるかどうか分からない。

とりあえず中国人について言えば、
おそらく、彼らのほとんどにとって、
今回の問題はどうでも良いことなのだと思う。

所得税も住民税も消費税もしっかり払っているのに、
そのお金はというと、
一回あたり数百億円かかる国政選挙に使われ、
選ばれた議員に多額の給料を払い、
議会は政策議論に専念せず、個人献金だとかのスキャンダル追及で時間を潰す。
そういう現状に不満はあるかもしれないが、
だからと言って参政権を欲しいとは言わない。

むしろ、「参政権はいらないから、その分、税金を負けてくれ」と言うだろう。

そういえば、以前の日記で紹介したが、
自国でも参政権は不要、と言う中国人もいた。



そうなると、外国人参政権を認めるのではなく、
外国人については、参政権の代わりに多少の免税措置を設ける、
という選択肢もアリなのではないかと思う。
もちろん、この措置は、「外国人労働者は市民の一員として認めない」という理念を固めるものであり、ややもすれば「一億総田舎者社会」とも言われかねないが、
少なくとも金銭勘定の理屈は今よりも通る。

--------------------------------------------

「代表無くして課税無し」で思い出したが、
皇族には参政権どころか発言権も全くなかった。
所得税や固定資産税は払ってないだろうが、
相続税は間違いなく数億円単位で払っている。

そして、市民権どころか基本的人権も保障されていない。
まぁ、現人神は人でなし、故に人権は不要ということなのだろう。


私は皇室の事情に疎いが、
生まれながらにして週刊誌に私生活ネタを提供し続ける終身アイドルを務め、
高い教養を披露しながら、政治的に危ない発言は一切しない慎重さを有し、
(少なくとも表面では)常に上品な振る舞いを崩さないあの忍耐強さ、
本当に凄い方々だと思う。

――ニンゲンワザではないと常々思っていたのだが、やはり人間ではなかった。



象徴天皇というのは曖昧な制度であるが、
日本人のほとんどは、賛否は分かれるが、皇室についてある程度の関心と意見を持っている。
謂わば皇族というのは、共通の話題を提供することによって、
国民に(少なくともこの話題に関しては)「日本人」としての意識を持たせ、
精神的なまとまりを持たせているような気がする。
それは、天皇を崇拝する人たちの謂うような「精神的支柱」ではなく、
おそらく、巨大なる「内輪ネタ」としてではあるが。

そして、そういった話題や意図のダシにされることに耐えうる精神力を持った彼らは、
やはり只者ではないと思う。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿