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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

『朝雲新聞』が伝えるロシア・ウクライナ戦争

2022年06月28日 | 平和憲法
  =立川テント村通信=
 ◆ 朝雲レポート(3/17号~5/12号)


 ウクライナとロシアの戦争が始まって4ヵ月。「朝雲レポート」の今号は、①戦争がどう論じられているか、②自衛隊は何をしているか、③日本の「防衛」をめぐる論点の変化を中心に見ることにする。
 ① 戦争はどう論じられているか?

 防衛研究所政策研究部長兵頭慎治「露によるウクライナ侵攻の衝撃」。3/17号の1つの面を使った解説、更に同氏の「出ロの見えないウクライナ侵略戦争」(5/19号)を先ず紹介しよう。
 3/17の認識と解説は次のようなものだ。
 国際社会での孤立を恐れることなく、プーチンはルビコンを渡ってしまった。アメリカもNATO諸国も第3次世界大戦を回避して武器供与のみ。
 ウクライナの善戦はプーチンの誤算で、ロシア国内でも厭戦ムードが広がっている。
 中国はウクライナにも利権を持ち、「中露対欧米」の単純な二項対立ではない。歴史的な結びつきの深いロシアとウクライナ、中露の縄張り争いの面もある。
 対露認識の修正が求められる一方で、一刻も早く戦火が納まることを願う、と戸惑い対岸の火という見方?
 予想に反して戦争は長引く。
 5/19号はやはり1つの面を使い、「出口の見えないウクライナ侵略戦争-高まる大量破壊兵器使用のリスク」
 4月には黒海艦隊の旗艦が撃沈され、ロシア軍の犠牲はかつてのアフガン戦争の死者1万4千人を越えた。
 ウクライナ軍は欧米諸国からの武器援助もあり、攻撃用ドローンや対戦車ミサイル、その他を駆使して善戦している。
 プーチン支持率は低下しつつあるが、引くに引けないプーチンは大量破壊兵器を使うのではないか、と警鐘を鳴らしているている。
 ② 自衛隊は何をしているか

 空自千歳の航空隊が4月1~5日に避難民20人を輸送。林外相同乗で、羽田ーポーランドのワルシャワを往復。自衛隊法が定める「国賓等の輸送」で、政府専用機が外国人避難民を輸送するのは初めて。
 ちなみに、4月13日「改正自衛隊法」が成立。海外での緊急事態に際して,外国人のみの輸送を可能にする改正だ。
 政府は3月8日にウクライナに無償提供する品目と自衛隊機による輸送を決定。提供物は、当初、防弾チョッキ、鉄帽、防寒服、天幕、カメラ、衛生機材、非常食、発電機、双眼鏡、防塵マスクなど。
 4月19日、さらに化学兵器対応のマスク、防弾衣、ドローンを追加。「非殺傷装備品限定」の原則は崩れる方向に?
 ウクライナでロシア軍機甲部隊を押し止めた無人機の活躍が注目され、米軍はレーザー兵器搭載戦闘車運用開始へ。朝雲紙上の「新兵器」紹介は活気づいている(4/21号)。
 ③ 東アジア戦略の変更と憲法改正への道を歩む日本?

 4月21日号に元自衛官・参議院議員宇都宮隆が登場し、「対GDP比2%の国防費が必要」「専守防衛の再定義は不可欠」「実効性ある防衛力への転換を急げ」と自衛隊の時代が来た!とばかりの気炎をあげている。
 同号4面は、「ウクライナで無人機が威力」「無人機が空軍機に代わる空対地の戦力になりつつある」と装備の革新を叫び、5/12号では、岸田首相の訪米の意味は「口米関係の質的転換、経済から安保へ」にある、と位置づけている。
 「時の焦点」欄は、「社会の安全か、国民の自由と権利が優先か」「危機への備えを論じよ」と憲法改正緊急事態条項創設を正面から語り始めている。
 4月21日、日本戦略研究フォーラム主催の「台湾海峡危機と日本の安全保障」テーマの集会が開かれ、安倍元首相が基調講演。
 「米国の台湾に対する曖昧戦略」を批判し、「ウクライナ情勢が中国の今後の行動に影響を与える」と指摘。対中国の課題を前面に押し出した。
 米国は台湾防衛への関与を明確化すべし、防衛予算を補正を含む6兆1700億円以上の要求をするべきだ、とぶちあげた。
 「ウクライナでの悲劇が日本人に教えてくれた最大の教訓は、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼することは残念ながらできないということ」(朝雲寸言欄4/7号)ー枚挙にいとまがないとはこのことだろう。
 ヨーロッパで起こっている戦争に注目しつつ「朝雲」紙上で語られるテーマはやはり「対中国」そして「憲法改正」なのである。
 「戦争で平和を作ることはできない」ーこの確信は深まるばかりだ。憲法改悪阻止をかかげて、共に闘おう。
『立川テント村通信』(2022年6月1日)

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