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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「表現の不自由展かんさい」大阪地裁が施設の利用認める決定、各社報道

2021年07月12日 | 平和憲法

 ◆ 「表現の不自由展」大阪地裁が施設の利用認める決定 開催可能に (毎日新聞)
 企画展「表現の不自由展かんさい」の会場に予定されていた大阪府立施設の利用承認が取り消された問題で、大阪地裁は9日、実行委員会に会場の利用を認める決定を出した。森鍵(もりかぎ)一裁判長は会場の安全を脅かす具体的な危険が認められないとした上で、「正当な理由がない拒否は憲法の保障する表現の自由の不当な制限につながる」と判断した。
 施設側の処分を執行停止するこの決定は即座に効力を持つため、企画展の開催は一転して法的に可能になった。
 各地の不自由展が中止や延期に追い込まれる中、今回の司法判断は開催の是非に一石を投じる形になる。施設側は決定を不服として、大阪高裁に即時抗告する方針だ。
 企画展は国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の展覧会に出展された作品をそろえ、7月16~18日に大阪市中央区の大阪府立労働センター(エル・おおさか)で予定されていたが、中止を求める電話や街宣車による抗議活動が相次いだ。
 施設の指定管理者は「安全の確保が困難」との理由を挙げ、6月25日付で利用の承認を取り消した。管理者は府条例に基づき、利用承認の可否を判断する権限を府から委ねられている。
 実行委側は「具体的な危険が差し迫った状況ではなく、表現の自由を保障した憲法21条にも反している」などとして大阪地裁に提訴するとともに、処分の効力を一時的に止める執行停止も申し立てていた。
 決定はまず、施設側の処分は開催予定日のわずか3週間前で開催地の急な変更は不可能だと指摘。「(実行委を)救済しなければならない緊急の必要性がある」と述べた。
 抗議活動の内容は「反対意見の表明にとどまっている」として、「警察による警備などによっても回避できないような具体的な危険性があるとはいえない」との判断を示した。
 不自由展を巡っては、東京都内で予定された企画展が抗議活動で延期されたほか、8日には名古屋市で開催中だった企画展も爆竹のようなものが入った郵便物の破裂を受けて中止を余儀なくされた。
 決定は各地の状況にも言及したが、「大阪の企画展とは場所など諸条件が異なる」と述べた。
 森鍵裁判長は公共の施設が利用を拒む正当な理由がないとした上で、施設側の処分は「憲法の保障する集会の自由、表現の自由の不当な制限につながるおそれがある」と結論付けた。
 実行委の代理人弁護士は「裁判所の姿勢を高く評価する」との声明を発表。
 管理者は「公的施設が人命を守るのは当然で、利用者の安全確保は何よりも大切。主張が認められず残念だ」との談話を出した。【松本紫帆、宮川佐知子】
 ◇決定の骨子
・大阪府立施設の利用承認の取り消し処分の効力を停止する
・施設への抗議内容などを踏まえると、警察による警備などで防止することができないような重大な事態が発生する具体的な危険性があるとまではいえない
・公の施設が正当な理由なく利用を拒否することは憲法が保障する集会の自由、表現の自由の不当な制限につながるおそれがある
『毎日新聞』(2021/7/9)
https://news.yahoo.co.jp/articles/861e9cf53a9d290a55b5635527e2f026bd4e8f8f
 ◆ 【速報】「表現の不自由展かんさい」について大阪地裁が『会場使用認める』決定 (MBSニュース)
 大阪での「表現の不自由展」開催をめぐる問題で、主催者側が“会場の使用停止”を取り消すよう求めていましたが、大阪地裁は7月9日に会場の使用を認める決定を下しました。
 大阪市中央区にある大阪府立の「エル・おおさか」で7月16日から開かれる予定の「表現の不自由展かんさい」をめぐっては、開催に抗議する声が相次いだことなどから、施設の指定管理者が「安全確保が困難」として利用承認を取り消しました。
 これに対して主催者側は6月末、「妨害を理由に公的施設が利用を認めないのは裁量権の乱用」だとして、大阪地裁に処分の取り消しを申し立てていました。
 そして大阪地裁は7月9日、「施設利用を拒みうるのは警察の警備などによってもなお混乱を防止できないなど特別な事情がある場合に限られる」として、利用を承認しないとした施設側の処分の効力を停止して、会場の使用を認める決定を下しました。
 代理人弁護士は「裁判所の判断を歓迎する」とコメントしています。

 「表現の不自由展」をめぐっては、愛知県などで脅迫などが相次ぎ、主催者側が中止の判断に追い込まれています。
『MBSニュース』(2021/7/9)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b1c65eecac5edcf432f082c60e47a8eaae40f5e
 ◆ 「表現の不自由展」会場使用認める決定 大阪地裁 (朝日新聞デジタル)
 大阪市内で16日から予定されている展覧会「表現の不自由展かんさい」の会場側が利用承認を取り消した問題で、大阪地裁(森鍵一裁判長)は9日、会場側の処分を執行停止とし、実行委員会に会場の使用を認めることを決定した。
 実行委員会が「安全の確保が困難だ」とする会場側の決定を不服として提訴し、処分の執行停止を申し立てていた。
 施設側は大阪高裁に即時抗告する方針。

 展覧会は国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の出展作品を集め、16~18日に府所有の施設「エル・おおさか」(大阪市中央区)で開催が予定されている。展覧会の告知後、施設に対して抗議の電話やメール、街宣活動が相次いでいた。
 このため施設の指定管理者は6月25日、「利用者や入居団体の職員の安全を確保することは極めて困難だ」として利用承認の取り消しを決めた。府条例で取り消しができる場合を規定した「管理上支障があると認められるとき」に該当すると説明した。
 実行委員会は6月30日に大阪地裁に提訴し、抗議に脅迫などの内容は含まれず、警察に通報しなければならないものもなかったと指摘。「利用者に危険がおよぶ明白な危険があるとは言えない」と主張した。
 一方、会場側は大阪地裁に提出した意見書で、あいちトリエンナーレの企画展が激しい抗議活動を受けて一時休止となったことなどを理由に、展覧会が開かれれば「街宣活動や脅迫が激しく行われる明らかな危険がある」と反論した。入居団体の業務や利用者の行う会議、研修などに多大な支障が出ることが想定されるとして、申し立ての棄却を求めていた。
 名古屋市で6日に始まった同様の展覧会は、8日に会場の市施設に届いた郵便物の開封時に、破裂音がする事件が発生した。これを受けて市は11日まで施設を臨時休館すると決め、同日までの期間で予定されていた展覧会は事実上中止に追い込まれた。東京都内で予定されていた展覧会も、街宣活動を受けたギャラリーの辞退が相次ぎ、延期となっている。(笹川翔平)
『朝日新聞デジタル』(2021/7/9)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd33f9e9db118d433c3b15c5164b532b53cacc66
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