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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

主任教諭の問題点 この2年間をどのように捉えるのか

2010年09月09日 | 暴走する都教委
 ▼ 主任教諭の問題点
   この2年間をどのように捉えるのか


 主任教諭の制度が導入されて2年が経過し、本年度から「本則」が適用される。選考試験は会場で行なわれ1500字程度の“職場レポート”が受験者に課せられる。この間、主任教論の導入により職場はどのように変化したのだろうか。
 ◆ 職場はどのように変化したのか?
 執行部多数派を支持する主幹組合員から「職場は何も変わっていない」という発言を聞いたことあるが果たしてそうであろうか。
 かつて都高教は、そして最近まで「主任制」に反対し“主任手当”を不要なものとして拠出してきた。それは一般教員であろうが「主任」であろうが職務内容は同一であり、給与表は一緒、“教員は皆平等”“同一労働、同一賃金”という背景があったからこそ組合員一人ひとりが強力に取り組むことができたはず。
 しかし現在、主幹、主任教諭の給与表は一般教諭のとは異なっており、これは“新たな職層”の誕生を意味している。つまり教員の世界に「差別・分断(主幹>主任教論>一般教諭)」が明らかに“制度”として導入されたのである。
 都高教執行部は「主任教諭の職務内容は、従来の教諭と変わりない」としているが、すでに現場では自分を一般教諭とは違うんだぞと勝手に思っている“勘違い君”が出現し始めていると聞く。
 これを変化と言わずとして何と言おう。まだ2年間では変化は微々たるものかもしれない、しかし現場では確実に進行してきている。やがて主任教諭は“OJT責任者”として位置づけられ、日常業務の中で一般教員に対して研修を行い、都教委・管理職による学校支配構造の中の“都合の良いコマ”としての役割を担わせられる危険性が大である。組合員が組合員を支配する。何とも恐ろしい図式と言えないだろうか?
 ◆ 主幹・主任教諭は「人事任用制度」の教員版
 主任教諭の導入が決定された直後の本部委員会で担当執行委員が「現行給与水準を維待するためには(主任教諭)を受験するしかない」と言っていたことを思い出した。確かに現行の給与制度では一般教諭は40歳前に昇給がストップする。これは未来の教育を担う若い教員にとっては死活問題であろう。更なる給与の獲得には主任教諭になることが必要となる。
 しかし主任教諭と言えどもやがては頭打ちとなり、主幹を受験しなければならなくなる。これは東京都で導人されている「人事任用制度」=“徹底した試験による昇級・昇任制度”の教員版と言える。
 日教組が方針として出している「新しい職の設置による賃金改善」が主幹・主任教諭に相当するならば、“賃金改善”のためには他人を押しのけてまでも、ということになる。組合が率先して組合員を“賃金獲得競争”=“出世レース”に駆り立てる。日教組そして都高教も罪なことを言うものである。
 ◆ 主任選考試験に異変が 受験者がいない?
 だが、本年度の主任選考試験において異変が起きている。それは選考募集締め切り後に“追加募集”が行なわれたのである。定期大会でこれに関する質問に対して担当者は「合格予定者数の*6割しか応募していない」と回答したが事実であろう。
 過去2年間、合格予定者数を上回る受験者が殺到し、不合格者を出してしまったのとは明らかに異なるこの状況は何を物語っているのであろうか。
 まず考えられることは昨年度までの「経過措置」における校長推薦+論文とは異なり、本年度からは「本則」=試験会場において“職場レポート”を書くことが求められている(校長推薦はなくなったらしい)。
 この間、都教委は「主任教諭選考に向けて」という冊子を配布しているにも関わらず、“90分間で1500字程度の文章を書く”ことを主任教諭受験資格者が厭い、受験を敬遠したと見るべきであろうか。
 もう一つは、主任教諭に魅力を全く感じられなくなったというべきであろうか。
 都教委は主任教諭を「高い実践力を発揮し、学校運営に貢献する職務」と説明しているが、実際には職場での指揮系統「統括校長」→「校長」→「副校長」→「主幹」→「主任教諭」→「教諭・実習教員」を強化するものであり、都教委・管理職の支配体制のコマの一部として身を置くことになる。この2年間の職場の変化を各自が肌で感じ取り、主任教諭の幻想・本質を理解し、“賃金改善の一環”にも関わらずそれを忌み嫌ったものとみるのか。
 いずれにしても追加募集が発表されてから各現場での管理職の動き、受験資格に対する受験要請(=強要)は凄まじかった。「日の君」被処分者にもあたる始末。なりふり構わないその様子は滑稽にも映る。都教委の狼狽ぶりと管理職への締め付けが目に見えるようである。
 ◆ 主任教諭制度の破綻は近い
 今や主幹選考試験は倍率が出ていない。それは主幹制度の破綻を意味している。もし主任教諭においてもこのような状況が数年続くのであるならば主幹と同じように制度の破綻と見るべきであろう。
 今後、倍率を出そうと都教委(そして組合も?)は躍起になってくるに違いない。「人事考課制度」による数値目標・業績評価や「あり方検」による校長のリーダーシップと職員会議の崩壊が、教員の差別・分断と孤立化を促進している。
 そのような現状にあって意識的に管理職を目指す者は別として、一般教論が主任教諭になることは更なる苦界に身を置くことになるのではないか。貨金を獲得することは労働者として当たり前のことである。だが主任教諭と賃金問題を切り離して考えることが如何に難しいか、そしてそれが都教委の狙いの本質でもあることを私たちはよく知っている。
 だからこそ分断された現行給与表を廃止し、以前のように同一給与表に戻す闘いも課題の一つとなるべきである。それに如何に取り組むかが今後の都高教の命運を賭けるものとなる。 (M)
『YOU SEE!』(2010/8/28 夏特集号)
元気・勇気・連帯 新しい都高教をめざす会

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