いつかその日は来てしまうと思っていても、やはり寂しいものです。
ポリーニが3月23日にご自宅で亡くなったとのこと。
ポリーニとはひとつだけ思い出があります。
もう17年前になりますが、ザルツブルグでポリーニのリサイタルを聴きました。後にも先にもポリーニを生で聴いたのはこの1度きりです。
リサイタル後にサイン会がありました。
特にファンではなかった私はサインを貰いませんでしたが、一緒に行った知り合いがサインがほしいと列に並びました。
そしてその順番になった時に写真を撮ってほしいというので「いいよ」と引き受けました。
私はサインを貰っている所をパチリとやればいいのかなと思っておりましたが、何も言わなかったのですがポリーニがカメラの方を向いてくれました。
あら、親切と思いながら気楽に「Thank you !」とお礼を言い、ポリーニは静かに頷いてくれ、その2人後くらいにもう一人サインを貰う知人がいたのでまたそこでパチリ。
その時も嫌な顔をせずカメラの方を向いて下さり、お疲れだろうにいい人だと思いながら、心から「Thank you」と言いましたら、ニコリと微笑んで頷いて下さいました。
「いい人だーー 」
私は学生の頃、ポリーニの交響的練習曲(シューマン)の録音に衝撃を受けました。ポリーニがこんな情熱的な演奏をするなんて、とそれまでのポリーニのイメージが変わりました。
一時、寝る前に毎晩それを聴いていました。
やっぱり、このシューマンはイイ
私が撮ったのは開演前に写したこの写真だけ。ボケボケです。