ショパンコンクールのピリオド版ができたからか、このところベテランピアニストがピリオド楽器を弾いている姿をちょこちょこ目にします。
昨年の第2回でアルゲリッチがベートーヴェンのコンチェルトを弾いているのを見ましたが、アルゲリッチが弾くとピリオド楽器が素晴らしく聞こえるなと、そしてコントロール力が抜群だなと思いながら、聴き入りました。
細かなニュアンスがピリオドの方が聞こえやすく、とても柔らかな繊細なタッチが活きるなと、アルゲリッチは本当はこんなに上手いんだと、モダン楽器でも相当上手いのですが、もっと上手いんだと思いながら聴きました。
これを聴いたら他のピアニストも弾いてみたくなるのでは?と思いました。
最近来日されたアヴデエーワは、18世紀オーケストラと19世紀のプレイエル・ピアノを弾きました。
そのようなコンサートだとは知らずチェックしていなかったので、聴き逃してしまいました。
先程、アンスネスが1881年のスタインウェイで演奏している動画がインスタに投稿されていました。
コンサートではなく、ベルギーの博物館らしき所でラフマニノフのコンチェルトを演奏しています。ラフマニノフは1873年生まれ。
基準が分からないと少々物議を醸し出しているショパンピリオドコンクールですが、ベテランピアニストの表現の可能性を追求する新たなチャレンジで音楽の世界を広げることに貢献したのだとしたら、それだけでこのコンクールを始めた意味があったなと、勝手に納得したのでした。
世の中は新しい科学技術で人間のすることが削減されてきていますが、クラシック音楽が逆行するかのような方向に動いているのは興味深いです。
新しい事、技術が進んだことが必ずしも人間に幸福感をもたらさない。
古いものの方が人間に寄り添っているのかもしれません。
面白い。
音楽の未来はどう進むのか興味があります。