おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

フォルマシオンミュジカルってなに?⑩

2018年09月12日 | フォルマシオン・ミュジカル
フォルマシオン・ミュジカル。

この言葉が初耳だった方も、そして聞いたことはあるけれど、
「あ~、フォルマシオン・・なんでしたっけ?」だった方も、
今では「フォルマシオン・ミュジカルですね。知っていますよ。フランスの音楽教育ですよね」と答えられるほどになっておられることと存じます。

私はフォルマシオン・ミュジカル(F.M.)のおかげでこれまで聴いたこともなかった曲、全く知らなかった作曲家の作品を知ることができました。
音楽は長い歴史を持つ過去の遺産ではなく、現在進行形で新しいものがどんどん生まれているものだと実感致しました。

さて、J.S.バッハよりも前の時代から現役の作曲家まで、これまでたくさんの作品をF.M.聴音で生徒さんと行ってまいりましたが、私が最も驚いた課題をご紹介したいと思います。

それは、ストラヴィンスキー作曲「兵士の物語」のナレーションです。
歌でも楽器の演奏でもない、ナレーターが朗読するあのナレーションのリズムの聴き取りです。

「兵士の物語」は、休暇に故郷に帰る兵士が悪魔に出会い、兵士のヴァイオリンと悪魔の持つ富を得る本を交換する話です。悪魔に騙され大切な故郷と婚約者を失い、最後は兵士の魂が悪魔の手中におちるといった内容です。
全てを持つことはできないという戒めを含んだ話です。

さて、課題は兵士が故郷に帰る第1部にある「兵士の行進」という部分です。
ナレーションは原作通りフランス語です。

「Entre Denges et Demezy,Un soldat qui ・・・・・」
いきなり「はぁ?」でした。

ナレーターが好きなように語っているそれを聴き取るのかと、あまりのユニークさに驚きました。

しかし、譜面をよく見るとちゃんと拍子があって、2拍子から3拍子、再び2拍子とあります。

気を取り直して良く聴いてみると、ちゃんと存在するリズムでナレーターは語っておりました。

リズム聴音の常識が崩れ落ちました・・
これをリズム聴音の課題にしようという発想にも驚きました。

フォルマシオン・ミュジカルのおかげで発想の自由さに触れ、柔軟で自由であることが新しいことを生み、人をワクワクさせるということを知りました。

さて、これまで10回に渡り書かせていただいた「フォルマシオン・ミュジカルってなに?」は今回を最終回にしたいと思います。

これまでお読み下さりありがとうございます。
レッスンや人生のお役に立てると(大袈裟すぎ?)嬉しいです。
では、またいつか。(=^・^=)

(注:楽器店での連載を終えただけです。当ブログではまだ続けるつもりでおりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。)
コメント
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