昨日の石破幹事長の発言が波紋を呼んでいる。
日本記者クラブでの講演の後の会見では
・我が国の安全が極めて危機にひんすることであれば、それは常識的に考えた場合、その行為(特定秘密に関する報道)は何らかの方法で抑制されることになると思う
と語り、報道機関が秘密を知ることは罰せられることはないが、それを報道した場合「抑制される」と明確に語った。
このことがテレビで一斉に報道されると、約2時間後に記者会見を行い「訂正」を行った。そこでは
(秘密を)漏洩した公務員は罰せられるが、報道した当事者は処罰の対象にならない
(秘密に関する報道の)抑制は求めない
と言いながらも、さらに付け加えて
(特定秘密に関する報道によって)国家の平和、安全、人の生命、財産に影響が及ぶのは決して好ましいことではない。(秘密を)知った報道機関が、そういうリスクを承知の上で報道されるということは、報道機関の責任においてなされることだ
常識論として申し上げているが、それによって大勢の人の命が失われたり、大勢の人の身体に危害が及んだり、あるいはそれがこの地域全体の平和と安全に影響が及ぶことは、私どもとしては、あるべきではない。だからこそ守秘義務を厳格にし、そういうものが漏洩(ろうえい)しないようにすることだ。それを知った方々が、それでもいいんだ、というのならば、それは報道のリスクだろう。
と付け加えた。
幹事長の言うことは非常に分かりづらい。
大体特定秘密保護法の制定を先頭に立って推進してきて、内容を熟知しているはずの石破幹事長が、こんな大事なことで、法律に書いてないことを話し、あわてて訂正するなどということがあってよいものだろうか。
その上、一旦発言したことを明確に取り消さず、「常識論」をもちだし、「報道のリスク」などという言葉で報道機関を脅す様な事があってはならないだろう。
昨日来の一連の経過をみて、私は深読みしてしまった。石破氏の頭の中では「報道も抑制されるべきだ」という考えがあり、法律に「罰しない」と明記されていないことをいいことに、「抑制」することを狙っているのではないか。―――これが石破氏の本音ではないのか。私は、石破氏の頭の中を勘繰っている。