日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

中国の大気汚染―――日本の公害闘争の歴史をふりかえって

2013-02-14 08:31:20 | 日記

大分休んでしまいました
その間にいろいろなことが起こり、何から書いたらよいかわからないほどです

中国の空気汚染が話題になっています。PM2.5というそうです。
中国主要都市の汚染度はリアルタイムで検索することができます http://www.aqicn.info/?&lang=jp 
日本から考えると非常に高い値です。気象条件にもよるようですが、午後から夜間の値が高いようです 

中国の汚染に関連して、公害対策先進国、日本の技術を輸出すべきだという議論がよく見られます
中国のためにも、日本の輸出産業のためにも結構なことだと思います。 

しかし、少し気になることがあります
日本の公害とは何だったのでしょうか。歴史を振り返ってみましょう。昭和1960-70年代、高度成長と言われた時代、日本にはいろんな種類の公害が起こりました。

一つの例をあげましょう。水俣病問題です。 今日では水俣病の原因が新日本窒素の排水にあることが確認されていますが、新日本窒素と国、県の責任が認められるようになるためには、被害者の長い間の苦しみと、裁判闘争が必要でした。補償をめぐっては今でもまだ裁判が続いています。

昭和電工の排水による新潟水俣病、神岡鉱業所を原因企業とするイタイイタイ病のばあいも、原因企業が責任を認めず困難な運動が必要でした。

四日市コンビナートを原因企業とする四日市ぜんそくの場合には、1967年から72年にかけた裁判と住民運動が必要でした。

こうした公害に対する住民運動、裁判の歴史を通じて日本の公害対策は進歩してきました。法律としては「大気汚染防止法」の1972年改正、水質汚濁防止法などもその成果の一つでしょう。また今問題になっている公害防止技術の発達も歴史的な成果と言えるでしょう。

中国への公害防止技術の輸出は賛成です。しかし日本の技術がどのような歴史の上につくられたか、その歴史を真の意味で理解してもらうことが、中国の公害防止に役に立つのではないでしょうか。隣の国に対して失礼かもしれませんが、日本の公害闘争の歴史なしの技術輸入は「仏作って魂入れず」になるのではないかと心配です。

 

 

 

 

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 平成25年度予算案―――私の見方 | トップ | 「プロメテウスの罠」をよんで »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事