my static spiral

日々のこと、ファッション、好きなもの、そして靴たち..

Chrom Excel

2013年11月30日 | ファッション(靴)





 
 ANATOMICA(アナトミカ)のトリムフィットパンツが気に入り、素材違いを選んだりで店を訪れる機会が数度。 店内に燦然として列座・鎮座する Alden(オールデン)群についてどうこうという感情はなく。



 ついで程度にその靴の群れを無感動に眺めていると、「参考までに」と或るスタッフの方が実用されているオールデンの私物ブーツを見せて下さいました。 あの店だから当然「モディファイドラスト」で、スタイルは「インディブーツ」。



 そして纏うのは Chromexcel(クロームエクセルレザー)。


 
 「!」



 ただ粗く酷使され、汚れくたびれた一足の靴と、疲弊と快復を繰り返すことで得られた多くの経験、寡黙な口の端から底響きのする箴言でも漏れ聞こえてきそうな、そんな一足はなんだか違う。(あり余る多くの靴を充分使いきれていない僕に宣う資格があるのかは置いておきたい..)




 オールデン製のブーツに関しては「タンカーブーツ」で現状満足しています。




 あくまで魅かれたのは。。



 
 艶かしいようにも、雄々しいようにも、単に脂ぎったようにも(それは違うな)見える「クロムエクセル」って個性的な革の面白味。今さらかもしれない。。 




 結果、要するに使ってみたくなり購入した一足があります。(ちなみにこれは随分前の話になります)



 
  "WOLVERINE 1000MILE BOOT"



 
 






 





 履いてみると、例えばオールデンのいくつかのラスト(木型)に遜色なく、自分の幅狭な足との相性が良くて。「モディファイド」同様、土踏まずホールド系です。 



 履き手が選びたくなる靴、その魅力は木型との相性に依るところが大きい。 内羽でコンパクトに纏まった、端整な姿もよかった。 シングルレザーソールでアンラインド。



 

 

 血筋、ムラ、皮革の表面組織が鮮明。




 「クロームエクセル」というホーウィン社製皮革の製法、特長(特徴)については他で容易く調べることができますからいつものとおり詳述しませんが、つまり独特の鞣しのプロセスから「革に含まれた油分が多い」んですよね。




 革がしっとり、より柔らかく、悪コンディションへのさらなる耐性。
  



 


 

 何より、、その個性。 変容の妙。




 




 夏の終わり頃から秋真っ盛りの間をとおして。 休日の服装の足元に大概おさまりが良いこともあって頻用していました。




 

 10月頃かな。ARTS & SCIENCE のストレートジーンズ と。

 


 足に馴染み、姿形、有り様も個々自分型(?)に落ち着く。 それが「革靴の楽しみ」の大きなものとはいえこのブーツは進行が早い。。




 




 人懐っこい、、 履き続ければ靴下のようにやわらかくなるだろう。








 

 「新人劇団員」




 

 「準主役級」








 

 「タカラヅカ音楽学校新入生」




 

 「兵庫県宝塚市在住7年目のひと」

 



 
 (巧妙な例えを挙げる為の時間と才能を下さい..)
 





 素晴らしい靴はこんなにもあるものか。 (そんな「靴」も所詮は自らを取り巻く一片ですらなくて)






 、、あらゆる道は遠し。 1000マイルどころではない。 では道半ば、この辺で一旦失礼します。









コメント (19)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

style 17

2013年11月23日 | ファッション(全般)




 待望の休日。一日のはじまり。 何を、どう着よう、、、考える時間は短くなっていくばかり。



 ただでさえ時間の猶予はあまりない。でもその日の服装とか.. 目先の浅薄な(ひどいな)空想に時間とエネルギーを費やすと、妙な「渇き」をおぼえることに気づいたのです。唇は端のほうからミリミリと乾いていき、喉の奥はかすれ、視界の端には光の螺旋がちらつく。..恐ろしくなり鏡をみると、、、顔が白い。


 ..もうこんなことどうだっていいのだ。今なら.. 木の実ナナのスタイリングアドバイスにだって黙して従うだろう。



 全てフィクションですがそういう顛末で随分無計画になっている。





 

 COAT : COMME des GARCONS HOMME × Gloverall
 KNIT : ANDERSEN-ANDERSEN "SAILOR SWEATER"
 PANTS : S.E.H KELLY Shetland tweed trousers
 SHOES : New Balance M576
 WATCH : OFFICINE PANERAI PAM00176









 



 ハイネックのようなクルーネックの水夫用モチーフニットは ANDERSEN-ANDERSENアンデルセン-アンデルセン)。昨期までは本国デンマーク生産、それがいろんな事情で今期からイタリア生産に。。


   
 



 雑誌媒体での露出も多く。 シンメトリーデザイン。 マエ・ウシロがないわけです。「船員」が火急の事態に大急ぎで着ても面倒がないように。

 

 



 一応は、内側のタグが体の右側にくる状態が前後正解のようです。(フィンガーホールの向きでも判りますよね)

 
 保温性は非常に優秀です。肌触りも前年よりどこかマイルドに。タートルネックのネイビーと迷いました。









 ボトムス。純英国主義を貫徹、 S.E.H ケリー

 
 


 なんて丁寧で、至極普通で、それがどうしてこんなに好ましいのか。いつもどおり自力では説明がつきません。。が、人気の背景は理解できます。「心のこもった洋服」..そう冠称されるべきもの。


 ソフトな生地感のシェットランドツイードで、同素材のジャケットとヴェストがあります。
 







 

 
 あまり深く考えないままこの日履くことを選んだスニーカーは MADE IN ENGLAND のニューバランス 576(NAVY)。我が家に現存するニューバランスではおそらく最も長く履いているもの。 オールスムースレザーの「堅牢さ」もやはり悪くありません。







 


 全く写っていない腕時計。 パネライ にしています。 出番は少ないけれど、「海」の予感..






 
 



 メインとして.. コム デ ギャルソン オム × グローヴァーオール の Pコート。「ダッフルコート」のイメージが強い同メーカーですが.. (ダッフルはほぼ未経験で)



 



  いくつかのポイント。 "らしい" 「製品縮絨」のウール素材に、染色法も「後染め」で風合いに特別感。(店のひと談)



  





 



 冬の海。昔どこかの国の船員さんが甲板上にあって颯爽と着込んでいそうな「オーヴァーコート」というのに相応しい重量と丈感。 無理なく肩で合わせて、且つ見え方はあくまでクラシック。バランスの良いビッグシルエット(風)です。





 ボタンをとめず、前を開けたままでも.. 広がり方に風格が顕われるような。。どうだかわからないけど開けて着る方が気に入っています。


 




 ガバっと着込む瞬間があまりに良かったので。「着た瞬間」というより「着込む瞬間」の重い衝撃。 言ってて自分でわからない。




 

 寒い時はギュッと閉めないと。お腹は冷やさないように。
 



 



 なにしろ総裏、縮絨・起毛された肉厚な生地でしかも中に着たニットもやけに温かいのでまだこの時季無理があり身は轟々と燃えていました。







 厳冬のバルト海、瞼の裏に浮かびます。(実際訪れたことがあるのは夏でした)









 (こんなに写真撮って..よっぽどコート気に入ってんだなあ)





 漂流寸前で失礼します。終わり。



 



コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「気概」のようなもの

2013年11月22日 | ファッション(全般)






 服・靴を扱うブログはたくさんありますが、その中にあって "目立つことなく" "厳かで" "淡々と" "清らかな" ..「皇室アルバム」のような存在になることを目標にしたいと思います。


 畏れながら.. 叶わない。「清らか」が特に無理でした。







 帽子

 

 盛夏ならパナマハット、ストローハット。



 秋と冬には、ソフトハット、マウンテンハット、ニットキャップ。

 

 ここ数年、寒い季節は特に「ソフトハット」を多用。我が国の古くからの表現ですと「中折れ帽」というやつです。これはボーラー(Bowler)ハットなど硬く成形された類いのものに比べて力むことなく格段にとり入れ易いので。




 各種コートの出番、纏う洋服の存在感が大きくなってくると"目立たないように" さあ帽子を合わせてやろうと蠢き始めます。




 


 これはオーストリアの老舗帽子メーカー " Zapf "(ツァップ)の ラビットファーハット "Heather Rabbit Fur Hat" 。


 職人によるハンドメイドでクオリティもなかなか(?)。



  James Lock(ジェイムス・ロック)や Borsalino(ボルサリーノ)のものよりも、質朴な雰囲気を纏うここのハットがひときわ気に入ってしまいました。






 



 あくまで柔軟な生地とつくりのソフトハットですからグシャッと折り畳んでカバンに仕舞うことも厭わず、都合に合わせてハードに使うんです。(形はしっかり復元します)




 



 ハットの種類形状、そのバランス次第ですがこれはブリムが狭過ぎず、高さも充分あり均整がとれている。こういうものなら「おまけ程度」の軽々しいパーツに終わらず本格の雰囲気.. 大人が用いる帽子に相応しいように思います。


 
 




 (ブリムのより幅広なものではイタリアの TESI のハットを使っていますがまた後日あらためて)






 バルカラーコート、ピーコート、ダッフルコート、ベーシックな感覚で少しオーバーサイズ(もちろん肩は合わせて)に着こなせるものとの相性の良さを感じます。(どうしてもダッフルコートに関してはずっと食わず嫌いのままなんですが..)



  

 ジーンズ + カジュアル使いで MACKINTOSH(マッキントッシュ)とか。





 
 
 Ventile cloth(ヴェンタイルクロス)の S.E.H KELLY のコートを羽織れば悪天候でも傘が要らない。





 ところで、タイトなサイズ感のアウター、ジャケット系スタイルに合わせようとすると途端に「帽子被ってます!」って、照れくさく浮き上がってしまうようで僕としては避けるように。



 そういえば「バブゥ」(Barbour)の Bedale JKT にも.. ド・クラシック!..いかにもすぎる気がして現在はあんまり。(あれならどちらかというとニットキャップを選びたくなる傾向に)




 帽子を取り入れるにも絶妙にずらし、「カド」(『服装信条の露呈』というべきものです)のとれた合わせ方を模索するのが楽しくて。

 



 サイズ選び、これも微妙なさじ加減、、選択は簡単ではありませんよね。 ..邪道と言われようとも思うのは、頭囲にきっちりジャストよりはほんの少しだけゆとりの感じるものを被り比べて選ぶ基準にしています。 まず見栄えの問題があり、次に帽子をとった際の問題、、髪があまりにペタンコになることを少しでも防ぐことができるから。。




  




 身体の末端を被う帽子も靴と同じく。装いを引き締め、スタイルを結実させる効果を発揮してくれるのが被りたくなる理由の大きなものです。ドンと心地良い重りが加わる感覚。

 靴と異なるのは、あくまで必要不可欠なアイテムではありませんから、たくさんモノを身につけているような印象を与える日には、潔く帽子は家に置いておくように。




 被るも、被らぬも。 帽子は「気概」.. 極めてメンタルな存在なんですね。 (なにを言っているのか)




 無駄口。




 さらに、「被り方」にも各々自分なりの嗜好がありますよね。それについて.. も、また後日。(なんでも後日..)





 



 ひんやり









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

style 16

2013年11月16日 | ファッション(全般)





 

 これなら「完全装備」かもしれない。



 

 JACKET : ISAORA 
 TOPS : AK457 THERMAL MID TOP
 PANTS : ami
 BOOTS : 三陽山長 "YAMASAN"
 GLOVE : nonnative "OFFICER GLOVES BY GRIPSWANY"
 BACKPACK : BACH "BIKE2B"







 動ける。 風に克つ。 みんな笑顔..



 

 


 ハードシェル系なら、この「イサオラ」と「クレッタルムーセン」の Allgron Jacket が現在の双璧。


 










 

 AK457 のフリース。温かくて..手放せない。お気に入り中のお気に入りです。

 ホワイトを選んだことで様々なアウターのインに合わせやすくて。(タートルネックニット感覚)






 
 


 ami Alexandre Mattiussi(アレクサンドル・マテュッシ) 

 2011年からブランドスタート。既存のクラシックな概念に、微かなストリートの要素をミックス。淡々として媚びない(イメージとして)。 ..このトラウザーズは特に面白くて!素直にかっこいい..(同型のネイビーも) ..久々の壮語。

 形状、近い表現、「ペグトップ型」(?)というのかな。 グレンプレイド、クリース入り、ポルトガルの某工場で作っている諸々ドレスパンツ仕様ですが、裾は長いまま。直さず適宜自在にロールアップして穿くのが楽しい。


 


 





  


 山々ブーツ。「穂高」(←これがほんと)、当初の「梵鐘」のような尊大さ(?)は消え、今や僕の足元を頼もしい脇役として支えてくれています。(思えば正直履きどころに迷っていた時代もありました)


 




 


 一期一会の一足と思う。購入しておいてよかった。。









 


 ノンネイティブネームのレザーグローヴ。遠慮なく使えてタフ&ベーシック。無骨な黒のもの。温かくはないんです。







 
 
 

 あとは.. BACH(バッハ)のバックパック(このモデルは主に普段自転車に乗られる方に相応しい道具であるようにと作られています)。

 アイルランドのアウトドアメーカーによるもの。今期から国内での展開もドっと増えてきました。どんな理由があるんでしょう。それは僕には上手く表現できませんが。実用的でシンプルな黒のものが以前から欲しかったので。


  

 ( 容量30L です)





 


 

 (ビル風に吹かれ)





 能動的で纏まりがあり、強靭さを兼ね備え。ときに男の服装が醸す「甘さ」は塵となり吹き消える.. 


 そんな「機動力」と「締まり」を重視したスタイリング、、のつもり。

 



 (どなたか、心の『イイね!』ボタン押して下さるカシラン)


 


 





 ありがとうございました。





コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この靴に還る。

2013年11月15日 | ファッション(靴)






 
 一刻リセットからの。 お久し振りです。 (なんの為のリセットか..)




 



 澄んだ風が心地よい。いつの間にかこんな季節になりました。


 
 






 
 




 J.M.WESTON #180(SIGNATURE LOAFER)の BLACK BOXCALF 、この秋選びました。




 





 
 


 




 

 幾年月..ブラウンに続いて。



 
 寒い季節だって当然履きたい。冬のソックスにもなるべく対応させようと、今回の一足はウィズに変化をもたせました。(それでも充分タイトですが..) 



 
 



 (このローファーといえば..素足履きに夏専用なんて、思えばそういう役割のみに甘んじさせる靴でもなさそう、と)







 


 静かに単純に、澄みきった佇まいの靴。これを「沈毅」と云わずして。(先日買ったコートに合わせると.. 沈みすぎかもしれません)





 底知れず奥深い表情、あまりに多くの役割を果す「黒」。 この上添削するに何の一片たりとも見当たらず、本当に美しいと思います。



  

 





  ー .. 馬鹿騒ぎと騒乱の中、驢馬が一頭、粗暴な馭者に鞭をくれられながら、とぼとぼと走っていく。

  驢馬がある路地の角にさしかかったところで、一人の紳士然とした男が、手袋をはめ、足元にエナメルの靴、真新しいスーツを身に纏い、驢馬の前に立ちはだかって恭しく叩頭した。そして男は帽子を脱ぎ、こう云うのだった。「どうもあけましておめでとう」 

 男はいかにも満足げな笑みを浮かべてその連れらしき者を振り返ったが、それは自身の「機転」への称賛を期待しているかのように見えた。

 驢馬は、このおどけた男には一瞥もくれず、自身の義務を果すため、ただ走り去ったのであった。 ー Charles-Pierre Baudelaire "Un plaisant"







 









コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする