(試合中でもこうして笑顔で握手をするシーンを観るとホッとします、特にエヴラだと...)
今回だけは...(?)サッカーにまつわる話題とします。方向性が。。。。
全身全霊を込めてチームと己の勝利の為、ひとつのボールを追い、プレーに邁進するプロフットボーラーたち。
そこには闘争する人間の心の有り様、怒り、嘆き、喜び、、、真実の姿が顕われ、躍動的なプレーと共に我々を楽しませてくれるのです。
ピッチ上でも私生活でも、印象深い強烈な「自己主張」という光芒を放ったプレイヤー達、、、素晴らしき異端児達の記憶。
今回は主に"素行不良"気味で周囲(監督、家族、クラブ関係者、ファン、知人、チームの同僚、通行人など)と様々な形で軋轢を起こし、ときに猛烈な批判の矢面に立ち、ときに人々の喝采を浴び、ときに身を滅ぼし、そして伝説となった"異端児"たちを、、、ただ思い起こします。
※伝説としてある程度定着するぐらいですからやはり既に引退した過去の選手が必然的に多くなりますのでどうかご理解を。
時系列的に、とかは面倒なので致しませんし、資料不足でそもそもそんな器用なこと致せませんので、、、微妙と言うほかないカテゴリー分けをしながら思い起こしますね。
【悪童型】特徴:純真さと悪戯心・遊び好き・校則違反・憎めない個性・『しばられたくないんだ!』
マリオ・バロテッリ(イタリア)
アントニオ・カッサーノ(イタリア)
ファウスティーノ・アスプリージャ(コロンビア)
アラン・スミス(イングランド)
リー・ボウヤー(イングランド)
アドリアン・ムトゥ(ルーマニア)
アンドレス・ダレッサンドロ(アルゼンチン)
ジブリル・シッセ(フランス)
※エリック・カントナ(フランス)
※カルロス・テヴェス(アルゼンチン)
ロマーリオ(ブラジル)
嗚呼、愛すべきアウトローたち。成長途上のヤングガン(…)。
イタズラ大好き、バロテッリにカッサーノ。
つい憎めず、なにかあっても大目に見てもらったり。
テヴェスが単なる「悪童型」なのか、書いておきながらかなり疑問ですが。複雑。。。まずこのひとは自分に対する周囲の扱いに非常にナーヴァスなのだと思います。決して恵まれていたとはいえない生育環境から一躍フットボールを通じてスターダムにのし上がったテヴェスは一種庶民のヒーロー。アルゼンチン国内ではズバ抜けた人気を誇るとか(メッシよりも)。
そして、カントナ!この方もどのカテゴリーとするか難しく。。。引退後、俳優としてのまあまあの役割も果したことからやはり衆目を集めずにはいられない真のスターなんでしょう。相手チームの暴言サポーターにお見舞いした飛び蹴り(あまりヒットせず)が有名で大きなペナルティを与えられましたが、それ以外でいうと決して無軌道な暴力常習者ではありませんでした。
南米出身の選手が目立つかもしれません。アルゼンチンあたり実際はもっともっと悪童大国だろうと思います(想像)。
天才ロマーリオ、、、きっと純粋過ぎるぐらいなんじゃないかと、、、あのやけに大きく澄んだ瞳(黒目がち…)を見るとそう思いますけどどうなんでしょうか。
ムトゥは近年重大な犯罪行為を摘発されていますから、もう「悪童」では済まないのかもしれませんね。
悪ふざけが過ぎて、お仕置きされがちで、でも決して懲りず(一瞬悔悛)、自由でいるのが「悪童」たちです。
【変人型】 特徴:自制心や組織順応性にムラ・独創的な人生哲学・非迎合・歯に衣を着せぬ・やりたくないことは極力したくない・特定の個人に嫌な思いをさせるわけではない・独自のプレースタイルに強い拘り
イゴール・モストヴォイ(ロシア)
パオロ・ディカーニオ(イタリア)
ポール・インス(イングランド)
ヨハン・クライフ(オランダ)
エリク・ゲレツ(ベルギー)
ニコラ・アネルカ(フランス)
エヂムンド(ブラジル)
マリオ・バスラー(ドイツ)
パウル・ブライトナー(ドイツ)
アドリアーノ・レイテ(ブラジル)
エドガー・ダーヴィッツ(オランダ)
ファン・ロマン・リケルメ(アルゼンチン)
※マルセーロ・ビエルサ(アルゼンチン)
ちょっとよくわかりませんが、ゲレツやブライトナーは思想面、共産主義者宣言的(?)なことで物議を醸したような。。。まだ完全に冷戦が集結していないような時代。ルネサンス前の中世に「無神論者宣言」するような感じ。
ディカーニオは、イングランドで実力を示し大きな名声を得ましたが、"やってはいけない"ゴールパフォーマンスでなんとなく失墜。
アネルカは若い頃、「愛国心はあまりない」というようなことを電車の中で言っていた気がします(現在は違うでしょう)。
ドイツのバスラーはビール大好き。
ブラジルのエヂムンドはお祭り大好き。
モストヴォイ、アドリアーノ、リケルメは急にショボンとやる気を失くす。今あるものを投げ出したくなるようです。モストヴォイ(セルタ・デ・ヴィーゴ時代)はリーガエスパニョーラの試合中に急になんの理由かよくわからないままピッチ外に出て座り込んでしまいました。なにかに嫌気がさしたんでしょう。。
アドリアーノは精神的に不調をきたしたようですが、順調にいけば世界最強の本格派FWになり得た驚異的なポテンシャルの持ち主だったように思います。
現ビルバオ監督のビエルサは試合中のあの座り方。結構疲れそうですね。このひとはただ単に渾名が「変人」なんですね。だから選出。戦術マニアです。
そしてレジェンド…ヨハン・クライフは世界有数の「カッコいい変人」のひとりでした(往時を知らないので大部分想像です)。老いたりといえど、現在もひとの好き嫌いが激しそうですね。
【ロマン派】 特徴:マイウェイ
ダヴィド・ジノラ(フランス)
この選手もよくわかりませんが、いろいろ他に興味が移って行ったようです。自分の「魅せ方」に飽くなきこだわりが感じられました(想像)。
【体調管理苦手型】 特徴:酒とご飯と男と女
ロナウド(ブラジル)
アイウトン(ブラジル)
トマス・ブローリン(スウェーデン)
一時代を築いたあのフェノメーノ、怪物くんのロナウドがまさかこんなカテゴリーに入ってくるなんて考証上の危機ともいえますが、実際ロナウドはパフォーマンスの低下と並行してこのあたりの問題(食と性)を盛んに取沙汰されていました。ブラジルに戻ってからは一種の変態的性向(?)が露見する事態にまで。
アイウトンはブンデスリーガ・ブレーメンでひと昔前に大活躍した点取り屋ですね。ずんぐりしながらキレのある左足で得点量産してました。
ダーリンらと共にスウェーデンの黄金時代(W杯3位など)を創出したブロリンも太りやすい体質にその短い選手生活を通して足を引っ張られていたようです。
【大変人】 特徴:突き抜けた人・偉大な変人
レーネ・イギータ(コロンビア)
ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)
ポール・ガスコイン(イングランド)
決して忘れないだろう。
【自己中心型】 特徴:なるべく自分が目立ちたい・『とにかくボールよこせ』・手段を選ばない・やや利己的・勝負強い
エディン・ゼコ(ボスニア)
ルイス・スアレス(ウルグアイ)
フランク・リベリー(フランス)
フリスト・ストイチコフ(ブルガリア)
エル・ハジィ・ディウーフ(セネガル)
ズラタン・イブラヒモヴィッチ(スウェーデン)
ジュゼッペ・シニョーリ(イタリア)
ディエゴ・ミリート(アルゼンチン)
クリスティアン・ヴィエリ(イタリア)
優れた勝負師達。
スアレスについてはひとことでは申せませんが、優れたストライカーに欠かさざるべき良い意味での「卑怯さ」「狡猾さ」を、どこで手に入れたのかきっちり具備しているようです。ここ数年では「DFから見た、色んな意味で最も嫌いな選手部門」第1位かな、と。
ゼコ、、決して周囲と軋轢を生じさせているわけではありませんが、試合を観てるともう「決めたい願望」があまりにビリビリと伝わってきます。アグエロが内心引いてそうです。
ストイチコフ(特に好きな選手のひとりです)はアメリカでのワールドカップでは、ゴールを決めた後祝福に駆け寄ってくるチームメイトをボコボコになぎ倒し、振り払って唯我独尊の喜びぶりを爆発させていたのが印象的。しかし振り払われたとはいえあの頃のブルガリア代表メンバーは一様にアクの強い(顔も濃い)、面白い選手が揃っていました。
インテルのミリートは長友のプレーに対して(自分の要求どおりの展開にならなかった場合)文句をものすごくガミガミ言っているように見えますが。。。。それもストライカーの鏡なるがゆえか。
シニョーリ(八百長斡旋関与?)、リベリー(未成年買春疑惑?)も共に強気なプレースタイルながら、、、それぞれ「反社会的行為」によって弾劾批判を受けていましたね。
イブラヒモヴィッチは実力と自信がやはり比例しているということで、ある意味正当な傲岸不遜ぶり。
ヴィエリは一時期紛れもなく世界最高の点取り屋でした。一人でどんな相手でもなぎ倒して点を決める。皆に恐れられた。。。ですから現役生活晩年の凋落振りがあまりに極端で顕著なものに感じられました。ある時期コテコテしたデザインのアパレルブランドを自ら起ち上げていて、、、なんだか不可解でした。
【いけすかない型】 特徴:大言壮語・他者を少し見下しがち(?)・鼻持ちならない・『謙虚』の対岸に住む人
シャビ・エルナンデス(スペイン)
ダニエル・アウヴェス(ブラジル)
ジェラール・ピケ(スペイン)
このひと達は実際常に勝利者ですし、尚かつおしゃべり好きのようです(そういう印象だけです、失礼)。
クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)もここに並べたくなります。
【自信過剰型】 特徴:自負心が強い・不屈の闘志・侮蔑的態度は絶対許さない・他人に厳しい・リーダーシップ
デニス・ワイズ(イングランド)
ロベルト・マンチーニ(イタリア)
ロイ・キーン(アイルランド)
シュテファン・エッフェンベルグ(ドイツ)
アンドレアス・メラー(ドイツ)
ローター・マテウス(ドイツ)
ディエゴ・シメオネ(アルゼンチン)
マルク・ファン・ボメル(オランダ)
フランツ・ベッケンバウアー(ドイツ)
ペーター・シュマイケル(デンマーク)
アンドレアス・ザマー(ドイツ)
ホセ・ルイス・チラヴェル(パラグアイ)
オリヴァー・カーン(ドイツ)
ワイズは wise(賢い)とは正反対!なんて当時揶揄されていましたが、とにかく瞬間湯沸し器タイプ。チームのキャプテンとして手段を選ばず勝利を追求し過ぎていました。それほど強くなかった時代のチェルシーの顔(恐い顔)。
現マンチェスターC監督のマンチーニ。このひとは相当凄い。弱気なんて言葉はこの方の辞書には一文字たりともありません。現役時代はアンタッチャブルな王様。暴言悶着多々、実は(ロッカールームで)武闘派でもありました。
マテウス、エッフェンベルグ、ザマー、メラー、カーン、、、この頃のドイツは現在と違う意味でやたらと「強い集団」でした。以前イングランドで欧州選手権が開催された際、メラーはそのゴールパフォーマンスで「英国最大の敵」になっていましたよね。ザマーはヴァンパイアのようでした。
皇帝ベッケンバウアーに関しては評価の難しいところです。現役、引退後問わず、なかなかの独裁者ぶりを発揮。、、、隠し子騒動はまた別の話。
とにかく遠慮なんて無し。それぞれ強引なまでに牽引力のあるリーダー的存在の選手達。英独のアングロサクソン系が多くを占めています。この中に放り込まれたらラモス瑠偉も黙り込むか、協調の微笑を浮かべるかもしれません。
【武闘派】 特徴:手が出る・ケンカは売るし必ず買う・実際結構強い
ダンカン・ファーガソン(スコットランド)
クレイグ・ベラミー(ウェールズ)
ジョーイ・バートン(イングランド)
ジョン・ハートソン(ウェールズ)
ヴィンセント"ヴィニー"ジョーンズ(ウェールズ)
マルコ・マテラッツィ(イタリア)
ほとんどが英国圏の選手であり、特に「ウェールズ」はかなりのものです。実際最も破壊力をもっているのはダンカン・ファーガソンかな、と。190センチの強靭な体躯。怪我でリハビリ中、家(?)に押し入って来た二人組の武装強盗を返り討ち、完勝したということです。
ちなみにこのうちの何人かは暴力行為で過去に警察のお世話になっています。
この中では唯一の変わり種があのジダンとの一件のマテラッツィ。挑発、駆け引き上手で、世界最高のタイトル獲得に少なからず貢献したとしたら、このひとが「サッカーに於ける暴力」を、最も有効に結果に繋げた最強のプレイヤーなのかもしれません。
最後に、、、、
【悪人面番付】(実はこれがやりたかったんです)
サッカー好きの方なら様々に異なる見解があるかと思いますが、今回は独断でこの選定(小学生低学年以下のお子様は閲覧に際してご注意下さい)。
1位 ダンカン・ファーガソン(スコットランド)
2位 デニス・ワイズ(イングランド)
3位 クレイグ・ベラミー(ウェールズ)
4位 アンドレアス・メラー(ドイツ)
5位 エル・ハジィ・ディウーフ(セネガル)
では画像で見ていきます(恐そうに見えるね、と言うだけで実際は…)。普通は5位から順に見ていきそうですが、そこまでの演出も不要な気がするので1位から。
【1位】最強のひとり。
軽い気持ちで「ダンカンばか野郎」って言ったらこうなります。締め上げられてるひとのショックが凄く伝わってきて切なく直視し難い写真です。
この写真は"遂に捕えられたビッグフット"ではありません。ダンカンでした。
【2位】 デニス・ワイズ。気迫の「圧」が強過ぎるので写真は小さめ。
もう少し大きめですとこれを。ほんのりと狂気のようなものが伝わってきます。プレーするフーリガン。チームメイトも引き気味だったかもしれませんが、それはそれ。優れたキャプテンだったのかもしれません。
【3位】 ベラミーはその全身を覆うタトゥーの認知度もあり、有名ですね。気に入らないことがあればチームメイトに対しても容赦なし。
復帰したリヴァプールのロッカールームではどうなんだろうか。頑張り屋のカイトか、スランプ気味のキャロルあたりが虐げられていないか心配です。そんな恐いもの知らずのベラミーも決してジェラードにだけは手は出さないでしょう。ジェラードも相当危険な拳闘士ですから。
【4位】 メラー。ネイティヴ風発音だと"モェラー"。現在ブンデスリーガを席巻するドルトムントのトップ下といえば"カガワー"ですが、一時代前のチームの攻撃の絶対的中心がこのメラーでした。相手チームからすると本当に嫌な選手。流血で燃えるザマーと一緒に欧州チャンピンズカップを獲ってしまいました。
写真はちょっと小粋にカメラマンに会釈するメラー。試合と関係ないところでは、、、やはり一筋縄ではいかなさそうな悪人面でしたがなかなかしぶい。
ああこの姿...欧州選手権(イングランド大会)での伝説の、、、、「エッヘン」です(このシーンを観ていたとき僕は当然まだ子供でしたが、さすがに大人がこれをやったらだめだろう、と呆れていました)。スタジアムは完全アウェー(VSイングランド)。宿敵相手の決定的なゴール奪取後このポーズをしてしまうんですから。これ以上憎たらしいゴールパフォーマンス、、、常人には絶対思いつきません。思いついてもやりません。たとえば、日本代表のどの選手がソウルでの韓国戦(または平壌での北朝鮮戦)でゴール後これをやりましょうか。
そんなふうに常に優れたヒールであったメラーですが、近況報告(?)。
、、、年をとって見事に丸くなりました。気が良さそうなおじさん。。。闘争する人間とそれをひととおり終えた人間との狭間にある深淵を見る思いです。
【5位】ディウーフは、、、これもサッカーと関係ない画像です。爪楊枝をくわえている…?じゃりんこチエの世界か。これから集金...?セカンドバッグが必要です。
いつだったか、日本代表が欧州遠征を行った際、セネガル代表と中立地試合(?)を行ったんですがこの頃のセネガルの中心が若きディウーフでした。この選手のドリブル、ボールキープに当時の日本代表の選手達はまさに為す術無しという状況に見えました(完全に侮られたようなキープぶりで)。末恐ろしい選手だなと。しかし結局その後のワールドカップ日韓大会ではディウーフ個人は大したインパクトは残せず。。。現在はイングランドの下部リーグのクラブに所属しているようです。どうしてこれほどの選手がトッププレイヤーの列に加われなかったのか、メンタル的な要因なのか、、、僕にはよくわかりません。
ちなみに彼のお兄さんもプロのサッカー選手で、名前は"ダメ・ディウーフ"というそうです。
【最後に】
思いつくまま。偏見に満ちた感想を頼りに述懐してみましたが、このほかにもたくさんの忘れられた異端児、これからの異端児、知られざる異端児が世界中でボールを追いながらアドレナリンを溢出させているはずです。
あまり情報が出てこないのでわかりませんが、その国内リーグの発展ぶりも包括するとロシアはきっと未来の異端児大国ではないでしょうか。
これからサッカー史上にどんな奇談や伝説が新たに刻まれていくのか。
真偽定かならぬ情報が集積されるのを静かに待ちたいと思います。