Deutschland, Deutschland uber alles,
uber alles in der Welt,
wenn es stets zu Schutz und Trutze
bruderlich zusammen halt,
von der Maas bis an die Memel,
von der Etsch bis an den Belt
Deutschland, Deutschland uber alles,
uber alles in der Welt!
ドイツよ、ドイツよ、すべてに優り
全世界に冠たるドイツよ
国家の保全の為に共に一丸となりて力をたずさえ
マース川からメーメル川、エッチュ川からベルト海峡まで
すべてに優り 世界に冠たるドイツであれ!
....なんじゃい過激なことを、と思われるかもしれませんが、これは僕が大学でドイツ語の先生に教えられ、初めて覚えたドイツ語の歌(※文字通りタイトル『ドイツの歌』、作曲はハイドン)の歌詞です。原文のウムラオトは省略させて頂きました。
対外的には国歌として歌われることはタブーとなっていますが、これもドイツ国歌であることには原則的に間違いはありません(本来の伝統的な国歌の1番です)。
例えば、オリンピックやサッカーの国際試合などの場面で国歌として歌われ、世界的に馴染みのあるものは冒頭のものよりかなり穏健な内容の歌詞で、これは本来3番の歌詞にあたります。以下がその日本語訳です。
団結、正義、そして自由を
我らが祖国ドイツの為に
その為に我らは一丸となり 心と手を通じて全力を尽くす
団結、正義、自由は幸福の礎
幸運の輝きの中で栄えよ、祖国ドイツよ!
「団結」(※統一でも可)、「正義」、「自由」は現在のドイツ連邦の掲げる三大標語です。
なるほど、たしかにこちらの3番のほうが現代的感覚での国歌としての体裁が整っているように思います。
冒頭1番の歌詞からは、神聖ローマ帝国の一種の残骸であり、複雑で混沌とした中世的な衆合国家しか持ち得なかった19世紀ドイツ人(大まかにドイツ語圏の人々という意)の宿命的なジレンマと、沸点に達しそうな、どこか屈折した情熱が溢れんばかりに感じられるようです。
しかし敢えて前時代的感覚に降り立つならば、「国歌」とはかくあるべきもの、これほどまでにストレートにシンプルに、若々しい統一国歌の繁栄を熱望する、その思いを喚起させるものとして必要性の極めて高い、意義ある歌詞だったんだなと理解できます(これらの唯我的精神が不幸な歴史的経緯にどのように影響したかについてはここでは置いておきます)。
「ドイツ気質」なんていうと偉そうですが、、あらゆることに於いて「結論」を導き出すことへの希求が極めて強く、それが民族の特性としての合理性、機能性をシンプルに求める精神に繋がっているのかという気が致します(あちこちでとっくの昔からよく言われてる机上の空論ですね、すみません)。
!!シンプル、、、、シンプルということでいうなら。。
腕時計が時計である限りに於いて、ありかたとしての時計とはこれでいい!!ということで非常に硬派でドイツ的なストイックさを感じさせてくれて大変気に入っているのが、こちらの「ミューレ:グラスヒュッテ」の「スポーツオートマティック M12」 です。
詳細特筆すべき点は特にありません。
いや、そこが素晴らしいんですねー。
ケース径38mm
スクリューロック式リューズ(防水性の為)
裏面がシースルーバックではない
機械式時計としての存在意義追求の為にいろんなものを敢えて削ぎ落としたら、こんな感じになりましたー、という時計です。
だから価格も道具としてのリアリティ、適性を感じさせる良心的なものにしてくれています。
もちろん個性、装飾的デザイン性に優れた腕時計をつけたくなることもあります。
でもやっぱり僕はこの「計器」としての、つまりなにより視認性、正確性を優先した M12 を特に重要視しているわけです。
、、、、そりゃぁまあ、、自分にもっともっとお金が潤沢で、余裕ありまくりだったら、いっぱい付加価値やステータス性も同時に備えた、より高性能と謳われる時計をどんどん買うんだろうな。。。それもやはり野卑な本音ですが。
ちなみに機械式の心臓たるムーブメントは、スイス製の信頼性高い定番のものを「ミューレ社」でさらに独自にチューンナップしたと。。。
ん~、合理的でよい。
ドイツで組み立てましたよ、ってことですね。
うろ覚えの曖昧な情報ですが、ドイツの伝統的な弁証法、哲学あるいは文学芸術等に関する文献で散見される印象的な言葉に "Tiefe" (ティーフェ)というのがあります。
「深さ」「深遠さ」とでもいうような意味ですよね。ドイツの「ドイツ的」たらんとした古典的な知識人、芸術家たちはこの言葉、この意味するところが大好きだったようです。
この時計はほんとにシンプルで、結果的にとても「きれい」です。
そこに、言われるところの "Tiefe" を感じたわけです。
言い過ぎというか、気のせいですが。。
箱も結構きれいです。
.....この記事の長い前半部は一体なんだったんでしょうね......