一週間ほど前 新聞の訃報欄で 児童文学作家の寺村輝夫氏が肺炎のため77歳でご逝去なさったことを知りました。寺村さんの主な作品である毎日出版文化賞を受賞した『ぼくは王さま』をはじめとした『王さまシリーズ』は子供たちが小学校低学年の頃大好きなお話で 「おしゃべりなたまごやき
」など数冊が本棚にもあります。
早稲田大学在学中に坪田譲治氏に師事し、「びわの実学校」の同人となり、卒業後は創作活動に専念する傍ら、文京女子大学教授も務められたそうです。ご自宅を開放し「王さま文庫」を開設する一方、童話雑誌「のん」も主宰なさっておられたそうですが、多くの子供たちに楽しい作品をたくさんありがとうございました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます 合掌
坪田譲治氏の作品では いもとようこさんの絵がとってもかわいらしい「きつねとぶどう」が大好きです。母ぎつねの子ぎつねへの無償の愛は小さな子供にも感動を与えてくれるのです。
「びわの実学校」は 早稲田童話会OBの寺村輝夫さんのほか今西祐行さん 大石真さんや、稲門以外にも松谷みよ子さん あまんきみこさんなど児童文学を代表する作家がたくさんいらっしゃいますが どの作家の作品も大好きで 子供たちが小学生の頃 よく図書館で借りて一緒に読みました。
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坪田譲治
1890年3月岡山県に生まれる。早稲田大学英文科卒。小川未明に師事し、「赤い鳥」に短編童話を発表する。1939年新潮文芸賞受賞。1955年芸術院賞受賞。
「びわのみ学校」を創刊・主宰し、新人の育成につくした
★小川未明は 「赤い蝋燭と人魚」が幻想的な作品でひきこまれてしまいます。
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今西祐行さんも 一昨年の12月に81歳でご逝去なさいましたが、戦時中 学徒出陣を経て原爆投下後の広島で救援隊を務めた体験から 「一つの花」 「あるハンノキの話
」 「ヒロシマの歌」
など戦争児童文学の名作を発表なさっておられ、戦争の悲惨さや子供への親の愛情を描いた童話 「一つの花」 は小学校2年生の教科書にも掲載されています。 代表作には『肥後の石工
』(日本児童文学者協会賞、国際アンデルセン賞国内賞) 『浦上の旅人たち
』(野間児童文芸賞)がありますが、作家活動のかたわら、子供たちの教育に土を耕すことを取り入れることを提唱し、自宅近くに「菅井農業小学校」を創立なさっておられました。作物と同じように人間形成には豊かな土(家庭や生活環境、社会など)が必要であるということは あたりまえのようで今の子供たちにこそ一番大切なことなのだと思います。
チョコレート戦争 大石真
龍の子太郎 松谷みよ子
車のいろは空のいろ 白いぼうし
あまんきみこ
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