最新医療設備を誇り、大きな病院が運営する老人の施設。
毎日老人の状態を診て適切な薬を選んでくれていました。
老人の状態は年々言葉が少なくなる一方で、目は虚ろ。
話しかけても答えられない状態になっていきました。
これ以上は・・・と考えてグループ・ホームに移し2ヶ月。
話します。食べます。元気です。
「私は90歳」「誕生日は2月22日」ちゃんと判っています。
「子供?私はお産をしたことがない」と、これは愛嬌でね。
半世紀以上前までの記憶は飛んでいるかもしれませんが・・・
結局、最新医療施設も家族には至れり尽せりに見えるシステムも
老人本人にはどうなんでしょう???
設備や薬よりも大切なモノ・・・・
これからも地位や名誉、財産を得た人生の成功者で
平均的サラリーマンの年収以上の支払いも可能な人達を
対象にした老人施設は増えると思いますが、
目に見えないモノが欠けていると人生最後の大切な時間を
悲惨な日々に変えるかもしれませんね。
ところで、
ワールドカップ代表選手ではありませんが、自分の人生に
関っている人を23人選ぶとしたら誰を選びますか?
戦後、懸命に働き、持てる力の全てを家族や仕事に注いで走り続け、名実共に評価された方。わき目も振らずに頑張り過ぎて自分の為のお楽しみは罪悪感?で持たなかった真面目?な人がある日「これからは自由に楽をして暮らせば・・・」と言われてもピンとこないうちに孤独に陥ってしまうケースがあると聞きました。
仕事をしなくてよい楽隠居とは、ある人達には理想でなく地獄のように思えるようです。
心の健康維持管理には何事も普通がたいせつですね。