きょう7月2日(日)11時から「ギャラリーぶらっと・えにし」さんで始まった『彩遊・長縄えい子展』にお邪魔しました。
素敵な女性が描く女性像はやはり素敵です
思わぬ事故で今年85年の生涯を閉じられた画家で絵本作家でエッセイストでもいらっしゃった長縄えい子さんがご逝去され半年。作品、写真、スケッチブックのほか、洒脱な文と内容で人気があったエッセイ集『老婆は一日にして成らず』やTシャツ、ポスターなども展示されていました。
東武アーバンパークライン「江戸川台」駅西口より、「初石」駅方向に線路沿いを歩き、チヨ洋装店角を右に曲がって4軒目です
故長縄えい子さんのありし日々を偲ぶ企画展『遊・長縄えい子展』は、7月2日(日)~16日(日)11時~17時。流山市江戸川台西2丁目183-2の「ギャラリーぶらっと・えにし」さんで入場無料です。
タウン誌の巻頭を毎号飾った長縄えい子さんの人気連載『ひと模様』が掲載された「月刊とも」なども並べられていました
先日、拙blogでも紹介させていただいた「東葛出版懇話会」でお会いした『福田村事件 -関東大震災・知られざる悲劇』(五月書房新社)を執筆された辻野弥生さんは、タウン誌「月刊とも」でインタビュー記事を連載し始めたばかりの頃に長縄えい子さんを取材させていただいたことがあり、こんな急なお別れになるとは信じられませんとお話されていました。あの不慮の事故から半年が経ちますが、本当に信じらないです。
「ギャラリーぶらっと・えにし」さんの駐車場には喜屋武貞男先生が描かれた雲が浮かんでいました
2021年4月24日(土)には森の図書館で講演会「心の貯金箱をいっぱいに」で柏市内の絵画教室でのお話やカンボジアで絵本の作り方のボランティアをされた際のお話など絵画や絵本にまつわるさまざまなお話を聴かせてくださいました。また、森の図書館の小さなギャラリーで「画家 長縄えい子の仕事」展も開催してくださいました。
版画は目から彫るんですよと説明されるたけしま出版の竹島いわおさん
『彩遊・長縄えい子展』を企画されたたけしま出版の竹島いわおさんは、たくさん展示してある作品一つ一つについて丁寧に説明してくださいました。竹島さんは、お忙しいお仕事の合間に流山市立博物館友の会や東葛出版懇話会などの地域活動でも東奔西走されていらっしゃいます。長縄えい子さんも我孫子市教育委員会の「めるへん文庫」をはじめ「柏市公民館だより“であいの広場”」や流山の「ずいひつ流星」への連載など地域活動に骨身を惜しまない方でした。
長縄えい子さんの絵本の原画も観ることができました
水彩から油彩に、ときには墨絵……長縄えい子さんの筆は自由闊達です。人々の悲しみや喜び、愛や疲労までをも大胆にとらえ、私たち観るものを圧倒しますね。カンボジアにて絵と絵本の描き方のボランティア活動をし、プノンペンの個展作品「メコンの女神」(P100号)をカンボジア政府に寄贈なさったり、スリランカを訪問され、絵本『TSUNAMIつなみ』が政府から子どもたちに1万部寄贈されるなど国際的にもご活躍されていらっしゃいました。
長縄えい子さんの油絵や画集、海外での写真なども観ることができます
会場には、生前から故人にお世話になった方々などから贈られたお花などが所狭しと飾られ、玄関を入るとお花の香りが迎えてくれて、額の汗をぬぐいながら穏やかな気持ちになれます。そして、靴を脱いでギャラリーに一歩足を踏み入れると、長縄えい子さんの素敵な絵画が屋外の猛暑など一瞬で忘れさせてくれて爽やかさな世界になります。
「貼るスペースがなくて…」とさりげなく置かれたポスターに生前、地元での地域文化に貢献された活動の数々が蘇ります
この7月には、東京生まれの長縄えい子さんの新盆を迎えます。新盆と今回の『彩遊・長縄えい子展』に間に合うように5冊目の『続続続続 老婆は一日にして成らず』(たけしま出版)が編集されました。同社では1~3冊目は既に品切れで、4冊目の『続続続 老婆は一日にして成らず』のみの在庫があるとのことです。今回の5冊目は『さよなら篇』となっていますが、表紙を開くと今年1月の長縄えい子さんの年賀状が掲載されていて、「さよなら」はとても信じられません。つい、「また、そんなこと言ってぇ~」と本文を読みながら声を掛けてしまうワタクシです。
5冊目の『続続続続 老婆は一日にして成らず』(たけしま出版 令和5年7月1日第1刷発行 本体1,000円)