おしる子日記

流山市限定の地域タウン情報です!!是非見て下さいネ。特ダネ満載とはいきませんが・・・?

第47回 東葛出版懇話会に行ってきました

2023-06-24 | イベント

いつも主宰されていらっしゃる『ずいひつ流星』が製本されると、出来立ての随筆集をご寄贈くさっている流山にお住いの作家・辻野弥生さんのご著書『福田村事件~関東大震災・知られざる悲劇』が映画化され、そのメガホンを取られた森達也監督の講演会があるというので、柏の京北ホールに出掛けました。



司会は、朗読おりづるの代表でもある西村喜美江さん、左は実質的な主催者的なお立場で東奔西走されていらっしゃる元崙書房の吉田次雄さん

柏駅の東口を降りて二番街の京北ビル6階に上がると、いつもは机と椅子が並んでいる会場が、今日は椅子だけ。それだけ参加者が多いということですね。関東大震災100年と言う節目に、重いテーマの『福田村事件』。人権擁護を考える意味からもしっかりとご講演を聴かせていただきたいと思います。

 



「部屋の照明を消して」「えっ!スイッチはどこ?」と慣れない舞台進行に右往左往しながら「福田村事件」の予告編を上映

先輩に教えられた生涯学習の原則『3T理論』、つまり『ためになることを、タイミングよく、楽しく学ぶ』という“3つのT”を実践するような企画。被差別地域のことや、在日外国人のこと、人権擁護のことといった重いテーマを、100年目という節目の年に、劇映画で伝えようとする森監督は『映画はなんだと問われれば、エンターテイメントだと答える』とおっしゃっていました。



映画『福田村事件』の森達也監督を招いての東葛出版懇話会が始まりました

人生の大事なものは映画に教わったという人も多いが、自分はアメリカのニューシネマ『ソルジャーブルー』などを観て虐殺や集団心理、群れをなす人間と言う弱い生き物について考えることが多くなったと語る森監督。
「戦争や虐殺の歴史を忘れることが国益だと言う人がいるが本当か」という問いかけが胸に刺さりました。

 



オウム真理教信者を扱った自主制作映画『A』や『A2』を監督・制作された森達也さんのご講演

会場には、人権擁護委員の方もいらして、真剣に森達也さんや辻野弥生さんのお話しに耳を傾けていらっしゃいました。流山ではこれまで人権週間に『こどもしょくどう』や『ピア~、まちをつなぐもの』『めぐみへの誓い』などの映画上映と監督の講演会が続けられていました。今年はどんな内容になるのでしょうか。



会場の京北ホールにはNHKの取材クルーも入っていました

司会進行をされるのは目のご不自由な方々のために朗読ボランティア活動を続けていらっしゃる西村さんたち、舞台進行は流山で地方出版の雄として活躍された崙書房の方々、出版物をご提供くださっているのは元大手出版社の敏腕編集者、そして主宰は元出版社社長、その元社長さんの「いずれ歳をとって都内に出掛けられなくなっても年に2度くらいはご近所さんで集まろうと呼び掛け今日に至っている」というお話に先見の明を感じました。

 

 

来場者の質問に丁寧に答える講師の森達也さん。右は東葛出版懇話会に出されたご著書の数々

ワタクシの席の周囲を見渡しただけでも元朝日新聞の記者さんとして流山の文化芸術記事を書いていらしたSさん、流山歴史文化研究会の主宰者でいらっしゃるWさん、流山市立博物館の友の会の会報『におどり』に素敵な挿絵を描いていらしたOさん、(携帯の音楽が鳴って慌てていた元市議さんなどもいましたが…)なかなか濃い顔ぶれがいっぱいでした。

 



9月1日から柏のキネマ旬報シアターでも公開が決まった映画『福田村事件』につて質疑応答が

映画『福田村事件』の予告編を上映する前に「練習」と言って開会前にスクリーンに映してしまう人、予告編が上映されても遅れていらした入場者のために会場の照明を落とせない人などいろいろな歳の重ね方をされた先輩たちに囲まれて、なんともあったかな雰囲気の京北ホールでした。



原作や資料のひとつになった『福田村事件~関東大震災・知られざる悲劇』(五月書房新書)を上梓された流山にお住いの辻野弥生さん

入口で会費と引き換えにいただいた番号札、講演会後に番号を「くじ」のように引いて、参加者からご寄贈いただいた本がプレゼントされるアトラクションは毎回恒例ですが、毎回ワタクシは数少ないハズレ組・・・しかし優しい先輩方のおかげで『「自然の恵み」の伝え方』と『小金町と周辺の村々』・・・気づけば二冊大当たり?

 



流山にあった崙書房が解散した後、版権を譲り受け五月書房から6月に再出版された『福田村事件』

最後は、主宰者である大出俊幸さんのご挨拶で締められて、お酒が飲める方々は二次会の会場へ。ワタクシは下戸なのでお先に失礼させていただきました。客席には、森の図書館の教養講座「大杉栄という生き方~没後100年を前に」をご講演くださった大杉栄氏の甥・大杉豊さんの姿も。あっちにご挨拶、こっちにご挨拶と落ち着かないワタクシでした。


東葛出版懇話会を主宰されていらっしゃる元新人物往来社社長で流山にお住いの大出俊幸さん

東葛出版懇話会も47回目を迎えました。流山にお住いのノンフィクション作家故・佐野眞一さん、この会場でお話をお聴きしたことが昨日のように思い出されます。毎回、講師との細かな打ち合わせをされ、机や椅子の整理から二次会の会場予約まで汗を流していらっしゃる元崙書房の方々をはじめ多くの皆さんに感謝しながら帰路につきました。

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