丸森町から! 一條己(おさむ)のほっとする丸森

15頭の乳牛と田に30羽の合鴨。畑に特産ヤーコンを作っています。訪れるだけで「ほっとする町」丸森町の様子をつづります。

風の谷のナウシカ。がんばれ!農業

2012-02-02 22:19:09 | 日記

丸森の野菜はND

こんな話が聞けました。

地球というのはよくできているもので、新たに発生した人工的放射能に対しては防御する力をもっているのです。

ある放射性物質の新たな攻撃といいますか、侵入に対して地中で防御して、もとの環境に戻してしまう働きがあります。

生物学者の福岡伸一さん風にいえば動的平衡ですね。有機農業風にいえば拮抗作用です。

代表的なのが、土中に多くある粘土質土壌です。これはマイナス電荷をもっていて、プラス電荷のセシウムを面白いようにピタピタとくっつけてしまいます。

次にスゴイのが地中の腐植物質です。落ち葉や木質の発酵分解したものですが、これも電気的セシウム・ホイホイの役目を果たしています。

三つ目は土中生物や微生物です。彼らはミミズや地虫、バクテリアや微生物の類ですが、土をパクパク餌として取り込む時に一緒に放射性物質も食べてしまいます。

食べたものは一部が排泄されてまた食物連鎖下位の土中生物が食べ、そしてだんだんとセシウムは減っていきます。

これでもまだ逃げているセシウムがいるわけですが(遊離セシウムといいます)、これは土壌改良材として土栗に利用されていたゼオライトという粘土質資材がガチッと捕捉してしまいます。

ゼオライトには、それはそれは小さな孔があって(細孔)、なんとそれがセシウム分子と偶然にも同じサイズなのです。そしてコロコロとセシウムがその細孔にころがって満杯になると、ズーンとその孔が閉じてしまうのですからむごい。シーニング現象と言います。

このゼオライトのセシウム捕捉は他と違って物理的吸着ですから、電気吸着よりはるかに強いわけです。

このように土中のさまざまな物質や生物は新たな人工放射能に対して防衛して、自らの営みを通して再生する働きをしています。

そしてもうひとつ忘れてならないのは、人間が行う「耕す」という営みです。セシウムは地表5㎝にだいたい集中して存在していますから、これをロータリーで攪拌してやれば希釈されることになります。

私の実測では、耕耘前と後では多い場合10分の1にまで放射線量は低減されました。

つまり、人工放射性物質はヒトが耕耘することで希釈し、土壌物質や生物によって吸着されていくんですね。これを知った時には,、私はジーンとなりましたよ。

なにもクソ高いプルシャンブルーだ、なんとか化成のセシウム除去剤なんかを使わなくとも、今まで私たちがやってきたあたりまえの農業のやり方でよかったんだ、と思いました。

特に「有機農業」だなんて言わなくとも、まっとうに土作りをしている農地は時間はかかっても確実に線量が減っていきます。

そういう意味で、農業は放射能の最前線で闘って地域の放射線量を減らす重要な働きをしているのです。