第一点目として町長の選挙公約の実現について伺います。
角田市が新年度から第2子以降の出産祝い金を増額し、保育料と学校給食費の無償化を目指していることが分かりました。1月24日の角田市議会全員協議会で市が方針を示し、2人以上の子どもを望む世帯の経済的負担を和らげ、少子化に歯止めをかけるそうです。
町長は就任当初から少子化対策を一番に挙げて、子育て日本一の町を目標として、12年間様々な施策を実行してきました。私は少なくとも隣の当面のライバルである角田市よりも若者定住には有利かなと思っていました。それでも、多くの避難住民や町の職員が角田市に住んでいることを知り、時々角田市のホームページを見ると丸森町のサービスに近づいていると感じました。町は、来年度給食費の値上げをするとしていますから、今回簡単に隣の角田市に抜かれてしまうのか、それとも、隣でするから、町でもするのか、どんな少子化対策で対応するのかなと思っています。
町長は選挙前に新聞折り込みした会報に学校給食費の無償化の検討や日本語学校などの公約を掲載しているのですが、昨年の12月議会での町の答弁は町民にとって不思議なものでした。
昨年と同じ予算内でやりくりするとそうなるのでしょうが、学校給食の無償化に対しては、保護者の同意を得、原材料の値上がりがあるから、給食費を値上げするということでした。
文部科学省は9月9日、急激な物価高騰の影響を受け、全国で8割を超える自治体が学校給食費の保護者負担軽減に取り組んでいるとする調査結果を公表しました。調査結果によると、学校給食費の保護者負担軽減を実施または予定している自治体は1491自治体で、83.2%に達しました。地方創生臨時交付金を活用する自治体は、77.3%に当たる1153自治体でした。永岡桂子文科相は同日の記者会見で、「自治体に対して物価高騰等を踏まえ、引き続き臨時交付金を活用した学校給食費保護者負担の軽減を進めるように促したい」と語りました。
SNSで検索すると、小・中学校とも給食費が無償の自治体は254、小学校のみは6、中学校のみは11だそうです。
青森市(人口27万人)や山口県岩国市(同13万人)など、大きな自治体も無償。東京都葛飾区(同46万人)や千葉県市川市(同49万人)などでは来年度から無償です。
少しでも保護者負担を減らそうと▽半額補助▽第3子から無償▽中3のみ無償―など、一部無償の自治体が多数あります。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充で創設された「コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分」などを活用し、期間限定で実施する自治体も広がっています。
日本語学校については、これまで、各議員が調査研究した結果では、国県の支援があるから町の持ち出しは少ない、日本語学校を誘致している自治体は人口がふえているなどと誘致を後押しする意見でしたが、町長の答弁は違っていました。どのようなメリットがあると考えて誘致に取り組むと宣言したのでしょうか。これまで、ドローンは将来的に有望だと、民間により2つのドローンスクールが開設されました。町では強力な支援体制でのぞみましたが、ともに撤退しています。生徒は集まったのか、どのような理由で撤退したのか調査結果はどうだったのでしょうか。
(1)給食費無償化を近隣でするから、町でもやるのか、どんな少子化対策でライバルに対応するのでしょうか
(2)ドローンスクール撤退の理由は何だったのでしょうか。受講者は十分集まったのでしょうか。
(3)私は費用対効果のメリットが無いと見ますが、町長の考えた日本語学校誘致のメリットは何でしょうか。
第2点目として農業振興と新たなブランドについて伺います。
先日、視察研修で岩手県に行ってきました。ホテルの夕食ではお米・牛肉・豚肉・日本酒など地元のブランド品と郷土料理。朝食でも、果物のジュースと牛乳・醤油・豆腐・納豆・野菜など地元産にこだわっているそうです。私はホテルでの朝はいつも牛乳とトマトジュースを飲むのが楽しみでしたが残念ながらトマトジュースはありませんでした。季節的にトマトジュースは作っていなかったのでしょうか。牛乳はボトルの残量が一番少なくて、思ったより人気があったようです。バイキング形式の食事は回転寿司のように好きなものを好きなだけ食べられるので、おいしくて楽しい食事になりました。ホテルの説明ではテーブルに用意する先付のお料理の他に、ハーフバイキング(ビュッフェ)形式で料理をお楽しみいただける、プライベート空間を重視した新お食事、特に、メイン料理では花巻市の郷土の食材「プラチナポーク(白金豚:はっきんとん)」がお勧めのようでした。花巻の観光PRに農業という側面から、魅力を発信していこうと、旅館と農家が一緒になって、花巻の魅力発信に挑戦していました。
町ではこれまで町の特産である干し柿と米のブランド創りに取り組んできました。小学生のお菓子作り考案や学校給食にも使うなどして、新しい商品販売を強力に進めて成果を上げてきたところです。
今度はA2ミルクで町内生産額一位の牛乳のブランド化を進めてはどうでしょうか。
A2ミルクは、12月議会の議会だよりの「丸森に生きる」で半澤善幸さんが、酪農の新たなチャレンジとしておなかにやさしい、ゴロゴロしにくい牛乳。丸森産A2ミルクのブランド化を取り上げていたので皆さんご存じと思いますが、私は一昨年に彼の講演で初めて知りました。
A2ミルクとは
牛乳に含まれるタンパク質のひとつであるβカゼインには、遺伝子の違いによりA1とA2の二種類があり、男と女の遺伝子XYと同じで、牛はA1・A1の牛とA1・A2の牛とA2・A2の牛がいます。そのA2・A2の牛から搾乳されたのがおなかにやさしいA2ミルクです。
A2ミルクを生産するには多くの酪農家の間でA2の母牛にA2ミルクの遺伝子を持った精液を人工授精する際に使用する必要があります。まず、メス牛とオス牛の検査が最初ですが、ミルクプラントの確保をどうするか、どこでどのようにして販売するのか、もうA2ミルクを販売している先駆者もいますが、まだまだ勉強中というところでしょうか。
今は精液を買いに行ってもどれが、A2ミルクの遺伝子を持った精液か私にはわからないですが、町が取り組むということで、一般の人々に知られるようになれば、精液を販売する側も検査結果を公表するようになり人工授精で使え改良は早く進むでしょう。北海道では多くの酪農家の間でA2ミルクの遺伝子を持った精液を人工授精する際に使用している農場が増えているそうです。将来ほとんどの牛がそうなるかもしれません。
35年前ふるさと米の取り組みが始まりました。まだ米の自由販売ができない頃です。丸森、角田、田尻の生協と取引のあった農家が農薬や化学肥料を使わない米作りを始めました。丸森では6人の農家が生協の子育て中のメンバーさんと米作りを始めました。それが環境保全米として全国的なものになっています。強力なリーダーがいるのですから丸森発のチャレンジとしてA2ミルクのブランド化を支援してはどうでしょうか。