丸森町から! 一條己(おさむ)のほっとする丸森

15頭の乳牛と田に30羽の合鴨。畑に特産ヤーコンを作っています。訪れるだけで「ほっとする町」丸森町の様子をつづります。

「命の道路」 丸森町の復旧・復興計画が完成しました。ごくろうさま。

2020-08-17 14:51:34 | 日記

 一條 己

命の道路

丸森町の令和元年東日本台風からの復旧・復興計画が完成しました。

「共に立ち上がろう 次世代につなぐ新たな丸森(まち)づくり」 

今住んでいる人はもちろんですが、町を出て行った方も戻って来たくなるような町になればよいと思います。

だ、崩壊した田畑や道路、崩落した山がほとんど手付かずの状態ですが、

なんとなく緑色が包み込んできて、自然の方は再生が進んできています。

内閣府の「復旧・復興ハンドブック」では、『被災地において、被災前の状況と比較して「安全性の向上」や「生活環境の向上」、「産業の高度化や地域振興」が図られる等の質的な向上を目指すこと、の両者を併せて「復興対策」と呼ぶこととする。災害復旧事業等では、被災した河川、道路などの公共土木施設や学校等の公共施設、ライフライン等を被災前と同じ機能に戻すことを「原形復旧」と呼び、再度の災害防止の観点から原形復旧だけでなく被災施設やそれに関する施設を改良することを「改良復旧」と呼ぶ。また、被害の拡大を防ぐための緊急措置としての「応急工事」も災害復旧事業等に含まれることがある。本ハンドブックでは、これらを復旧対策」と呼ぶこととする。』とあります。

自分たちは、こんな町だったら住んでみたい!「より安全で、住みやすく、産業の発展した丸森町」

にするのだなと意気込みを感じる計画を作っていただき、

計画の作成にかかわった町民や職員の方々の皆さんに感謝申し上げます。

これからは町内外の関係者が一丸となって計画の実現に向けて取り組み、

ほかの町からも羨ましがられるようなまちづくりを進めていく働きに期待します。

そのような状況ですが次の3点について町長に伺います。

 第一点目に、「命の道路」についてです。災害により孤立した地区住民にとって、

道路は病院・食料・安否確認へつながる「命をつなぐ道」でもありました。

孤立時のヘリコプターによる急患の搬送や救助活動、生活物資の運搬は、

住民にとって大変ありがたいことでしたが、陸の孤島になったという現実は大変な苦しみでした。

そんな中、町内各地区には被災した住民が切り開いた「命の道路」があります。

役場周辺の水が無くなった頃。初めて、役場にたどり着いたという区長さんや道路愛護組合の代表の皆さんは

建設課の職員に対して、口々に、「いつも通っているあの道路は塞がれて通れなくて、いろんなところを探したが、やっと軽トラックが通れるようになった」と言いながら、

地区の道路状況を報告して「住民でどのようなことをしたらよいのか」と担当者に聞いていました。

舗装の下は土がない道路がそちらこちらにある。みんな、いつもの災害とは違うことが解かっていました。

いつもは小さい道路でも何とか車が通れるように自分たちで道路の修復をしていましたが、

担当者は、「命をまもる。何とか、歩いて避難できるようになれるまでで結構です。危険なことはしないでください。」

と応対していました。

通れそうな道路の修復をしながら、隣の地区に行くと同じ状況で道を探すのに困難を極めて何日もかかりました。

遠回りで狭いそれらの道路が、

後に住民の水や食料、安否確認・通勤通学の「命の道路」になり、

主要道路の仮復旧工事やなぎ倒された電柱に代わって、電力などのライフライン復旧に大きな役割をはたしました。

それらの道路は農道だったり、狭いう回路だったりして、鉄板を敷かないと通行できなかったりする道路でした。

それらの「命の道路」。日頃は住んでいる人じゃないと使わない道路やう回路ですが、

狭くて危険だとか、雨が降ると通れない。斜面が削られて大きな石がむき出しになって危険だし、

対向車とのすれ違いがスムーズではないなどの問題があります。

主要道路の復旧はもちろんですが、それらの道路についても住民の皆さんの意見等を聞いて

重要な道路として改良を進めることも必要と思いますが町長の考えを伺います。

 第二点目として、移住定住促進は町内に通勤するなど仕事を持っている方にターゲットを絞って取り組んではどうでしょうか。

町では、台風災害後の生活再建が始まっていますが、町外への流出が危惧されています。

それでも、災害ボランティアの方が仕事を見つけて住んだり様々な動きがあります。

移住定住については、地方創生が言われてから全国で様々な取り組みがされてきましたが、

地方の自治体を中心に「現実的には、人口減少の中で定住促進は難しい」という考えが、浸透しつつあるといわれています。

県など、地方議会において「移住定住促進」に関する質疑は減少傾向にあるそうです。

先日常任委員会で地元企業の経営者の方々のお話を聞く機会がありました。

社員の方は町外の方が多いそうです。賃貸会社のホームメイトの伊具郡丸森町の市場調査データによると、

丸森町の労働人口について、町内に就業が3,602人、町外に通勤が3,419人ですが、町外からの通勤者数は1,571人です。

南魚沼市では、転出者にアンケートを取ると人口流出の原因として、

行政サービスへの不満によるものはなく、進学・就職のために若者が首都圏に出るそうです。

ほかの町でも転出者が転出する理由は結婚や就職がおおく、行政サービスを上げる人は少ないという報告もあります。

丸森町では「人と地域の結びつき」をサポートできる取り組みとして

「地域の教科書」という冊子を作り、空き家バンク、子育て支援策など、サービスが充実しています。

地域おこし協力隊などの成果を見ていると、仕事を見つけた方が定住しているという実感があります。

経験したことのない災害からの復興でより良い町づくりを進めていくという知名度のある今が

丸森町に通勤している就労者にターゲットを絞った政策を施して移住定住の取り組みをするチャンスか

と思いますが町長の考えは如何でしょうか。

第三点目として阿武隈川防災における住民の垂直避難ルート確保と高齢者介護施設の避難対策についてお尋ねします。

熊本県の令和2年7月4日 の豪雨により、未明に球磨川が氾濫して、支流脇にある特別養護老人ホーム千寿園が水没、

入所者14名が死亡するなど多数の大きな被害が発生しました。

浸水の深さは4.3mで、当時最大とされていた1965年の被害を上回ったと報道されました。

球磨川は阿武隈川と同じく数々の水害の歴史があり、上流のダムによる治水が行われてきました。

それでも災害が起きてしまったのです。いつ、何が起こるかわからない気象状況であることを改めて知らされました。

丸森町でも、いつかではなく、早急な阿武隈川防災における住民の垂直避難ルート確保と

高齢者介護施設の避難対策について有効な対策と手段を確保すべきと思いますが、町長の考えを伺います。

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