音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

聴覚と嗅覚と「思い出」の関係

2009-10-25 19:04:23 | 音楽雑記
人間は五感の中で視覚刺激による情報に最も影響を受け易く、
一説では7割近くあるとも言われています

嗅覚である香りについて、認知心理学の綾部早穂さんは
「鼻で覚えていられるのは10分ももたない。
言葉や視覚的な情報に非常に左右されやすい。
誰もが幸せな気分になれる、そんな魔法の香りはありません。
そこに、その人の思い出があることが大事なのです」と。

空気伝達の音が心に届くと「音楽」になりますが、
やはり瞬間に消える聴覚刺激です。
香りと同様に、その人の‘思い出’があることにより、
長い人生に寄り添うという役割をしているのでしょう

歌手のマルシアさんは「波の音は心のマッサージ。
小さいころから浜辺に行くのが好きでした。
波の音がすごく心に響き、疲れもとれてきます」と。
やはり、子どもの頃の嗅覚も含む統合感覚的な‘思い出’が読み取れます。

‘「砂の器」を重松清さんと読む’記事では、
「優れた大衆文学は、読み手の人生に寄り添って・・・
いわば「理」よりも「情」とともに、読み継がれ、
語り継がれていくものではないでしょうか」と。

心に優しく届く様々な‘魔法’が、心を解きほぐしながら、
長い人生に寄り添っています。

(引用記事:朝日新聞2009年10月24日、25日)
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